トップメッセージ

より大きな存在感の獲得へ

ニッチなメディカルニーズに対応し質の高さで社会に貢献。

製薬業界を取り巻く環境は、バイオ創薬技術の進歩や薬価の抜本改革など非常に早いスピードで変化しています。あすか製薬は、内科、産婦人科、泌尿器科の重点3領域に特化したスペシャリティファーマとして、主に医療用医薬品の提供を通じ、持続的な成長を目指しています。なかでも、「女性の健康をサポートする会社」として産婦人科領域には一層注力し、女性の健康と、より快適な生活と実り豊かなライフステージの創造をサポートしていきます。
また、当社は以前より後発医薬品も手がけてきましたが、厳しさを増す薬価制度に対応しつつ収益を確保するには、大きなエネルギーが必要となります。会社の成長のため、そのエネルギーを新薬の継続的な開発へ注ぐとともに、自社開発品だけでなく導入品も加えて、得意分野を伸ばしていく考えです。
私たちが着目するのは、大手製薬企業は扱わなくとも確実にメディカルニーズのあるニッチな領域です。医療現場に寄り添いながら、量よりも質で社会に貢献する。そこに、あすか製薬らしい価値があると考えます。

「4つの挑戦」は着実に進展。成功体験を積み重ね、次なるステージへ。

私たちは、中期経営計画「ASKA PLAN 2020」(2016~2020年度)を推進中であり、同計画で「存在感のあるスペシャリティファーマ」を目指しています。当初掲げた「2020年度の売上高700億円」は次期中計期間内で達成を見込んでいます。方針の定着や開発ソース・人材の確保といった計画達成への基盤強化については、2018年度までに7~8割完成した手応えを感じています。次は、主にホルモン領域における創薬研究機能を強化することで、どう成果を積み上げ、存在感を示す結果を残していくか、という段階です。
「ASKA PLAN 2020」では、全社方針として「4つの挑戦」を掲げています。1つ目の「新薬事業強化」については、2020年度前半までに川崎研究所を「湘南ヘルスイノベーションパーク」(以下、「湘南アイパーク」)へ全面移転し、オープンイノベーションによる創薬機能の強化を図ります。また、2018年度には、産婦人科領域で導入品を含む3製品を新たに上市しました。2つ目の「製品価値向上」については、「リフキシマ」の価値最大化が着実に進み、売上も大幅に伸長しています。
3つ目の「原価低減」や「生産性向上」についても、インドに医薬品製造を目的とする合弁会社NeoASKA Pharma Private Limitedを設立しており、2020年に工場稼働を開始する予定です。いわき工場には第四製剤棟を新設・稼働しており、高品質な医薬品を低コストで提供できる体制を確立し、グローバルなネットワーク構築を進めます。
このような実績・成果の一つひとつ、すなわち成功体験の積み重ねが、社員の自信と着実な成長につながっています。私は、今春も例年どおり全事業所を回り、経営方針の説明や懇談を直接行うなかで、それをしっかりと実感できました。これは、「4つの挑戦」で設定した、4つ目の「社員の成長・能力向上」における顕著な成果と捉えています。

重要課題のクリアを目指す

産婦人科領域で開発を進展させ、「リフキシマ」の市場浸透を深化。

「ASKA PLAN 2020」の最終年度まで2ヵ年となった現時点における重要課題のひとつは、産婦人科領域のさらなる強化です。承認取得も近い子宮筋腫治療薬「CDB-2914(ウリプリスタル)」や、子宮内膜症の第Ⅲ相試験に入っている「TAK-385(レルゴリクス)」のより早い上市を目指します。
「リフキシマ」については、さらなる情報提供活動で市場への浸透深化を図ります。「リフキシマ」は2018年度末時点で肝性脳症の患者さんの約25%(当社推計)に投与されていますが、2020年には診療ガイドラインも改訂される予定であり、治療の第一選択薬として認められ、より多くの患者さんとご家族へ貢献していくことが目標です。適応症の拡大にも注力し、中長期的な育薬に取り組み、「リフキシマ」の価値最大化に努めます。

オープンイノベーションによる創薬という挑戦に社内の若い人材が意欲を高める。

新薬事業も重要課題です。創薬機能の強化におけるキーワードは、川崎研究所を「湘南アイパーク」へ移す目的でもある「オープンイノベーション」にほかなりません。製薬企業では、一般的に自社の研究所がステータスシンボルともいえます。「湘南アイパーク」は創薬をはじめとするライフサイエンスのエコシステム形成の場として発足しましたが、自社研究所を有する製薬企業が、自社施設でない場所へ研究機能を全面移転するのは極めて異例といえます。これまでの自社内における創薬の研究をベースに、社外リソースと連携することで従来の発想を変えて挑戦しようという、あすか製薬の若い人材の意欲と意志が込められています。私も外部の技術やヒト・モノに接しながら取り組んでこそ、創薬が加速すると確信し、移転を決断しました。

未来を見つめる視点に立つ

創立時から続く、あすか製薬らしさとDNAを守りつつ、新しい価値を追求。

あすか製薬は、2020年に創立100周年を迎えます。次の100 年にも、あすか製薬らしさ、つまり私たちのDNAである「ホルモン製剤のパイオニアとして、そこにメディカルニーズがある限り、価値ある医薬品を届ける」という使命感を伝えていきます。創立時からのDNAを絶やさずに、時代を先読みする感覚を研ぎ澄まし、常に“今”のニーズに合致した医薬品を提供することで、あすか製薬の企業価値も高まると信じています。
次の100年には、疾患治療が中心だった製薬業界が個人全体のプロセス(予防・診断・治療・予後)を捉えるようになり、そのなかでも「予防」に対する関心が高まっていくと思われます。個々人の病気の発症を予測する技術が進歩し、治療薬よりも発症を防ぐ薬が主流になっていくかもしれません。

自らが変わることへのリスクを受容。
存在感の向上に向け、たゆみなく前進。

新しい時代における社会の価値観や新しいメディカルニーズに対しては、私たちも変えるべきところを変え、的確に応えていきます。自らを変えることのリスクを恐れていては、前へ進むことはできません。たとえ結果的に、築き上げてきたものが崩れたとしても、再構築すればいい。むしろ変わることで、より大きなメリットを得られる可能性もあるのです。
私たちは今、創薬・育薬への積極的な施策推進をはじめ、グローバル化にも挑むなど、たゆみなく前進を続けながら「存在感のあるスペシャリティファーマ」を目指し、定量面でも確かな成長を果たしていきます。ステークホルダーの皆さまには、挑戦し続けるあすか製薬に変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

代表取締役社長