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育児休暇の期間は?育児休業との違い・延長への対応も解説

2025.05.14

「育児休暇の期間はどれくらい取れるの?」「育児休暇をしっかり取るために知っておいた方が良い情報はある?」とお悩みではありませんか?育児休暇は、子育てをしながら安心して職場復帰するために欠かせない制度です。
しかし、特に初めての育児休暇を取る場合は分からないことが多く、不安に思うことも多いでしょう。
この記事では、これから育児休暇の取得を考えている方に向けて、法律で定められている育児休暇の期間や、近年注目されている産後パパ育休などについて解説します。

育児休暇の期間は?法律での規定と平均

育児休業の期間は、法律で最長2歳と定められています。しかし、実際の育児休暇の取得期間は男女で大きく異なるのが実情です。
ここでは、法律で規定されている育児休暇の期間、育児休暇と育児休業の違いを詳しく見ていきましょう。

育児休暇と育児休業の違い

「育児休暇」と「育児休業」という言葉は、日常的に混同されて使われています。しかし、実はそれぞれ別の意味を持つ言葉です。
育児休業は、「育児・介護休業法」に基づく制度であり、子どもの養育のために一定期間休業できる権利を保障するものです。原則1歳未満の子どもを養育するための休暇制度で、法律によって定められています。
労働者の権利として定められているため、会社に規定がなくても労働者が希望した場合は取得させなければなりません。ただし、勤務期間が定められている契約社員やアルバイト、パートなどの有期契約労働者は対象外です。
一方で「育児休暇」とは、法律上の正式な用語ではなく、一般的に育児のための休みを指す言葉として広く使われています。各企業が独自に定めている育児支援制度のため、取得期間や方法などに法的な決まりはありません。

出典:「育児休業と育児目的休暇の違いについて

法律で規定されている期間

育児休暇は、企業が独自に定めるもので、法律では特に取得期間が定められていません。一方の育児休業は、育児・介護休業法にもとづいて作られた制度であるため、取得期間が定められています。
育児休業は、原則として子どもが1歳になるまで取得できます。平成29年9月末までは、保育所が決まらず預け先がない場合は、子どもが1歳6か月になるまで延長できました。
その後、最長2歳まで育児休業が取得できるよう、平成29年10月1日から育児・介護休業法が改正されています。つまり、原則としては1歳まで育児休業を取得できますが、保育所が決まらない場合は2歳まで延長が可能です。
保育所に入所を希望しているにもかかわらず入所先が決まらない場合は、育児休業の延長を申し出るとよいでしょう。この他、子どもの養育を行う予定だった者が死亡等により養育ができなくなった場合も最長2歳まで育児休業を延長できます。
注意したいのは、1歳6か月までの延長と2歳までの延長は個別に申請する必要があることです。なお、育児休業は産後休業後から取得できます。男性の場合は、子どもの出生日から取得することが可能です。

【女性・男性別】育児休暇の取得期間

女性と男性では、育児休暇の取得期間が異なります。「令和5年度雇用均等基本調査」による育児休暇の男女別の取得期間の割合(2023年度)は、以下のとおりです。

  5日未満 5日~2週間未満 2週間~1か月未満 1か月~3か月未満 3か月~6か月未満 6か月~8か月未満 8か月~10か月未満 10か月~12か月未満 12か月~18か月未満 18か月~24か月未満 24か月~36か月未満 36か月以上
女性 0.4% 0.2% 0.6% 1.8% 4.4% 4.6% 11.4% 30.9% 32.7% 9.3% 3.0% 0.6%
男性 15.7% 22.0% 20.4% 28.0% 7.5% 2.9% 0.8% 1.1% 1.4% 0.2% 0.0% -

出典:「令和5年度雇用均等基本調査

女性の場合は、「12か月~18か月未満」が32.7%で最多となりました。男性は女性よりも育児休暇の取得期間が短く、「1か月~3か月未満」の28.0%が最多となっています。
ちなみに、2021年度の男性の育児休暇の取得期間で最も多いのは「5日未満」で36.3%でした。このことを考えると、少しずつ男性にも育児休暇の取得が浸透してきていると考えられます。

育児休暇期間の延長について

育児休暇は、基本的に子どもが1歳になるまで取得できます。しかし、さまざまな事情により1歳まででは期間が足りない場合もあるでしょう。
保育所不足が問題となっている現在、育児休暇の延長制度について知っておくことは大切です。

育児休暇期間の延長の可能性

育児休暇は、原則として子どもが1歳になるまでの間に取得できます。理由がある場合、延長により1歳6か月、再延長によって2歳まで延長が可能です。基本的に、保育所への入所を希望しているにもかかわらず入所先が決まらない場合に延長ができます。
ただし、育児休暇の期間を延長するためにわざと保育所に入所を申し込み、落ちたからといって延長を申し出た場合は、要件を満たさないと見なされ延長ができません。
この他、第一次申し込みの内定を断り、第二次申し込みで落選した場合、第一次申し込みの内定を辞退したやむを得ない理由がない限り、育児休暇の延長の申し出は不可能です。
やむを得ない理由としては、内定が決まった時点で引っ越しをしたり勤務先の変更があったりした場合が挙げられます。このように、育児休暇は延長できる制度が整っているものの、誰でも延長できるわけではないことに注意しましょう。
もし育児休暇に関して分からないことがあれば、近くの労働局やハローワークへ問い合わせてみてください。

出典:「育児休業の取得は、子どもが1歳になるまでです

育児休暇期間の延長への対応

育児休暇の期間の延長に対応するためには、企業は柔軟な勤務形態を整えておくことが望まれます。延長を希望する社員のニーズに合わせた働き方を用意しておけば、育児をしながらでも仕事を続けやすくなります。
フルタイムでの復職が難しいようであれば、パートタイム勤務やフレックスタイム制度の導入を検討しましょう。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」(事業所規模5人以上)によると、2022年の女性常用労働者1人当たりの1か月の労働時間は112.9時間でした。週に5日、1日8時間フルタイムで働いた場合の労働時間が160時間であることを考えると、女性の労働時間は短いことが分かります。
また、1か月あたりの平均出勤日数は16.6日でした。これらのことを考えると、フルタイムで出勤するのは、育児中の女性にとっては負担が大きいことが分かるでしょう。
企業は、育児に配慮した業務の調整や負担軽減、テレワークなどの導入により、男女を問わず、育児をしながらでも働きやすい環境を整える必要があります。さらに、スムーズに職場へ復帰するための復帰プログラムがあると、従業員も安心でしょう。
なお、2025年4月1日から育児・介護休業法が改正され、短時間勤務制度(3歳未満)の代替措置としてテレワークが追加されました。国がテレワークを推進する形となるため、今後はこれまでよりも働きやすい環境が整っていくと考えられます。
また、この法改正により残業免除の対象も「3歳未満の子を養育する労働者」から「小学校就学前の子を養育する労働者」へと変更になりました。

出典:「毎月勤労統計調査
   「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内

育児休暇とは別に取得できる!産後パパ休暇とは

育児休暇とは別に取得できる「産後パパ育休(出生時育児休業)」をご存じでしょうか。産後パパ育休とは、改正育児・介護休業法により2022年10月に施行された制度です。男性の育児参加を促進するために施行されました。
この制度により、男性の育児参加の選択肢が広がり、結果として育児休暇の取得率も増加しています。では、産後パパ育休とは具体的にどのような制度なのか詳しく見ていきましょう。

産後パパ育休とは?

産後パパ育休は、以前は「産後パパ休暇」と呼ばれていました。2022年10月の育児・介護休業法の改正により産後パパ休暇が廃止され、産後パパ育休の制度が作られました。
産後パパ休暇は、子どもの出生から8週間以内に育児休暇を1回取得できる制度でした。一方で産後パパ育休では、子どもの出生から8週間以内に育児休暇を2回取得できます。そのため、途中で仕事に復帰しても、再度休暇を取得できます。
産後パパ育休は、男性の子育てへの参加を促進するために作られました。「女性が家にこもり、男性が外で働く」という考え方はいまや古く、現在は「女性も男性も育児を行うべき」という考え方が浸透しつつあります。

産後パパ育休の期間

産後パパ育休では、産後8週間以内に2回に分けて育児休暇を取得できます。
例えば、出産直後に2週間、子どもが1か月になってからさらに2週間取得することも可能です。分割して取得する場合でも、休暇の合計日数は最大で4週間となっています。産後8週間以内となっているのは、この時期に休みたいと考える男性が多かったためです。
生まれてしばらくは、昼夜問わず育児を行う必要があり、夫婦に大きな負担がかかります。どちらか一方に育児の負担が偏っている状態が続くと、夫婦仲が険悪になったり、片方が体調を崩したりしてしまうことが珍しくありません。
そういった状況を少しでも防ぐために、男性は産後パパ育休を活用することが有用。産後の母体回復期間に、夫の協力があるのは、非常に心強いものです。
産後パパ育休を取得するためには、原則として休業の2週間前までに届け出る必要があります。企業によっては1か月前を期限としていることもあるため、詳しくは会社に確認しましょう。
なお、産後パパ育休制度の利用中も、一定の条件を満たした場合は育児休業給付金が支給されます。「休業開始前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あること」「休業期間中の就業日数が最大10日以下であること」などが条件です。

出典:「令和3(2021)年法改正のポイント
   「育児休業、産後パパ育休や介護休業をする方を経済的に支援します

育児休暇期間をしっかり取るために

社員が育児休暇期間をしっかり取れるようにするためには、休暇を取りやすい雰囲気づくりや育児休暇制度の周知徹底が重要です。特に男性は女性よりも育児休暇の期間が短い傾向にあるため、必要な日数を取れるよう会社側で調整する必要があります。
育児休暇を取れること、男性でも取得できることをポスターなどで掲示すると、社内に周知できます。実際にポスターを掲示したことで「育児休暇を取りたい」という声が多く挙がるようになった企業もあります。
また、管理職に意識を改めてもらう施策も有効です。管理職が育児休暇について理解がなければ、社員が気軽に休暇を取ることはできません。理解がない管理職の方に「育児休暇よりも仕事を優先するように」と言われる事例が発生している企業もあります。
社内の広報などを利用して育児休暇について周知し、会社全体で休暇を取得しやすい環境づくりを行いましょう。
この他、育児休暇で不在になる期間のサポートを行う仕組みづくりをしたり、育児休暇を取得した経験がある従業員のインタビュー記事を広報に掲載するなどの取り組みも効果的です。
育児休暇は、社内の環境が整っていなければ気軽に取得できません。休暇を取れず育児に悩む従業員が一人でも減るよう、体制を整えましょう。

出典:「令和5年度 育児休業 取得企業 好事例集

まとめ

育児休暇を取得する期間は、2023年度のデータによると女性では「12か月~18か月未満」、男性では「1か月~3か月未満」が最多でした。
女性、男性共に育児休暇期間をしっかり取れる環境をつくり、社員が活躍できる企業にしていくことが今後は重要視されます。そのためにおすすめなのが、フェムナレッジです。

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