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女性活躍推進に向けた行動変容のステップ|誰もが取り組める方法3選

2024.11.27

女性活躍推進は、企業の成長と持続可能な社会の実現に不可欠です。しかし、その実現には従業員の意識や行動の変革が重要な鍵となります。

本記事では、「フェムテックの活用」「ワークライフバランスの推進」「アンコンシャス・バイアスの克服」という3つのステップを通じて、誰もが取り組める女性活躍推進のための行動変容の方法を紹介します。

女性活躍推進法の概要

女性活躍推進法は2015年に制定され、従業員数301人以上の企業に対し、「女性活躍に関する行動計画の策定と情報公開」を義務付けています。
2022年4月からは、この対象が101人以上の企業まで拡大されました。同法では、企業に「行動計画の策定・届出」と「女性活躍状況の情報公表」が求められています。また、2022年に情報公表項目が追加され、より詳細な状況把握が必要となりました。

期待される成果として、女性の管理職比率の向上、男女間賃金格差の縮小、ワークライフバランスの改善などが挙げられます。また、注意すべき点として、「常時雇用する労働者」には正社員だけでなく、条件を満たす契約社員やパート、アルバイトも含まれます。

政府は女性活躍推進法に基づき、一般事業主行動計画の策定・届出等を行った事業主のうち、優れた取り組みを行う企業を評価する「えるぼし認定」制度を設けました。また、経済産業省は従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する「健康経営」の取り組みを評価し、特に優良な健康経営を実践している法人を「健康経営優良法人」として認定しています。この認定制度は、大規模法人部門と中小規模法人部門があり、認定された企業は社会的評価を受けることができます。これらの施策を通じて、日本社会全体で女性の活躍を後押しし、持続可能な経済成長の一助となることが期待されています。

行動変容の重要性:女性活躍推進の鍵

女性活躍推進において、従業員の行動変容は不可欠です。行動変容とは、個人や組織の考え方や慣習を意識的に変えるプロセスを指します。

例えば、女性社員がより積極的に自身の意見を発言するようになったり、男性社員が育児休業を取得するようになったりするなど、性別に関わらず全ての従業員の小さな変化から行動変容は始まります。これらが積み重なることで、組織全体の意識が徐々に変わり、より多様性を尊重する職場環境の整備が期待されます。

女性活躍推進に向けた行動変容のステップ1: フェムテックの活用

フェムテックは、テクノロジーを活用して女性特有の健康課題に対応するアプローチです。女性の健康管理を支援し、働きやすい環境づくりに貢献することで、職場における女性の活躍を促進します。以下で解説していきます。

フェムテックの定義と重要性

フェムテックとは、Female(女性)とTechnology(技術)を組み合わせた造語で、女性特有の健康課題をテクノロジーで解決する製品やサービスのことです。月経(生理)、妊活、更年期などのさまざまな課題に対応し、女性のウェルビーイング向上に貢献します。

フェムテックの活用は、女性の健康管理の質を高めることで行動変容を促し、労働参加を促進します。従来タブー視されてきた女性の健康問題を可視化して職場での理解を深めることで、より働きやすい環境づくりにつながります。企業にとっても、女性の活躍を支援することで生産性向上やアイデアの創出などのメリットが期待できるでしょう。

フェムテックによる課題解決の実例

フェムテックの具体例として、女性の健康管理をサポートするさまざまなアプリやデバイスが挙げられます。これらは月経や妊活、更年期などの女性特有の健康課題に対応し、日々の体調管理や症状記録をサポートします。これらのツールを活用することで、女性社員は自身の健康状態を把握し、適切なタイミングで休養を取ったり医療機関を受診したりする行動変容が期待できます。

職場での実践方法

具体的なフェムテックの職場での実践方法としては、先述したアプリの提供に加え、妊活や更年期に関する専門家相談サービスの導入などがあります。また、月経休暇制度の整備や、女性専用の休憩スペースの設置なども有効です。これらの取り組みにより、従業員の健康意識向上と働きやすい環境づくりを実現できるでしょう。

社会全体への波及効果

フェムテックの普及は、女性の労働参加促進、経済活動の活性化、ジェンダー平等の実現に貢献します。ひいてはSDGsの達成にも寄与し、「すべての人に健康と福祉を」「ジェンダー平等を実現」などの目標の実現を後押しします。フェムテックの発展により、より公平で活力ある社会の構築が期待できます。

女性活躍推進に向けた行動変容のステップ2: ワークライフバランスの推進

ワークライフバランスの推進は、女性の活躍を後押しする重要な要素です。育児支援制度の充実や柔軟な労働環境の実現により、女性が仕事と家庭生活を両立しやすくなります。また、企業が「次世代育成支援対策推進法」に基づく「くるみん認定」を取得することで、従業員の仕事と子育ての両立支援に積極的に取り組む姿勢が評価されるでしょう。「くるみん認定」は、企業イメージの向上や優秀な人材の確保にもつながります。
参照:くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークとは|厚生労働省

育児支援制度の重要性

充実した育児支援制度は、働き手の定着率を高め、企業は優秀な人材を長期的に確保できます。また、「家族に優しい企業」としてのブランドイメージ向上にもつながります。制度の存在だけでなく、実際に取得しやすい環境づくりが重要です。

育児支援の具体例

育児支援の具体的な施策としては、育児休暇の拡充、企業内保育所の設置、一時保育サービスの提供、育児に関する相談窓口の設置などがあります。これらの施策により、育児中の社員のサポートが強化されます。

また、育児に関する相談窓口の設置も重要です。仕事と育児の両立に関する悩みに専門で対応するカウンセラーを招くことで、育児中の社員のサポートが手厚くなることが期待できます。

柔軟な労働環境の実現

リモートワークやフレックスタイム制の導入は、ワークライフバランスの推進に不可欠です。リモートワークにより、通勤時間の削減や育児・介護との両立が容易になります。一方、フレックスタイム制は、個人の生活リズムに合わせた勤務時間の調整を可能にします。

これらの制度により、働き方の幅が大きく広がり、一人ひとりの多様なニーズに応じた働き方が可能になります。結果として、社員の満足度向上や生産性の向上、さらには優秀な人材の確保にもつながる可能性があります。

成功事例の紹介

あるIT企業では、月経周期管理アプリを全女性社員に提供し、併せて柔軟な勤務体制を導入しました。その結果、女性社員の体調管理意識が向上し、適切なタイミングでの休暇取得や生産性の向上につながりました。

また、製造業の企業では、工場内に保育施設を設置し、シフト制勤務を柔軟に調整できるシステムを導入しました。これにより、子育て中の社員の就業継続率が上昇し、熟練工の確保にも成功しています。

女性活躍推進に向けた行動変容のステップ3: アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)の克服

アンコンシャス・バイアスは、女性の活躍を阻む大きな障壁です。例えば、「リーダーは男性向き」という思い込みや、育児中の女性社員を重要プロジェクトから外すなどの行動が該当します。このような偏見を認識し、克服するための行動変容が不可欠です。全社員向けの研修やワークショップを通じて、自身のバイアス(偏見)に気づき、意識的に公平な判断を心がける習慣をつけることが重要です。また、採用や昇進の基準を客観的に設定し、多様性を重視した人事評価を行うことで、組織全体の行動変容を促進できます。

全社員向けの研修実施

全社員を対象とした体系的な研修が効果的です。人事部門が主導し、外部講師を招いてeラーニングや啓発動画の視聴、グループディスカッション、ロールプレイングなどを実施します。これにより、バイアスへの理解を深め、日常的な行動変容につなげます。研修後は、部門長がチームメンバーの行動変容をフォローアップし、定期的な振り返りセッションを設ける取り組みが効果的です。

日常的な気づきの促進

部署ごとの会議や意思決定の場でバイアスチェックを実施します。例えば、「女性社員の意見を十分に聞いているか」「昇進候補者に女性が含まれているか」などのチェックリストを用意し、毎回の会議で確認します。

また、すでに行っている企業もありますが、「アンコンシャス・バイアス気づきの日」を設定し、定期的に全社員が自身の言動を振り返る機会を設けるのも効果的です。他にも、社内ポータルサイトにバイアスに関する情報や事例を折に触れて掲載し、従業員の意識向上を図ります。これらの取り組みを通じて、各自が無意識の偏見に気づくことで、自発的な行動変容が期待できます。

人事制度の見直し

採用、評価、昇進のプロセスにおいて、客観的かつ公平な基準を設定し、多様性を重視した判断を行う必要があります。例えば、「面接官に必ず女性を含める」「評価基準に多様性への貢献度を加える」「昇進候補者リストに一定比率の女性を入れることを義務付ける」などの施策が考えられます。また、ブラインド採用の導入や、業績評価で長時間労働ではなく生産性を重視すること、リーダーシップ評価に包括的な行動のランク付けを加えることも効果的です。

リーダーシップ開発プログラムの実施

女性リーダー育成に特化したプログラムを導入し、潜在的な能力を引き出します。リーダーシップスキル向上のためのワークショップやロールモデルとの交流会なども効果的です。

ほかに、メンタリングやスポンサーシップ制度を定め、経験豊富な上司や役員が女性社員のキャリア形成を支援するシステムも有効でしょう。次世代育成委員会を設置し、女性を含む後継者育成計画を策定・実行することで、継続的なリーダーシップ開発を推進します。

まとめ|女性活躍推進の未来へ 持続的な成長を目指して

女性活躍推進は、企業の持続的成長と競争力強化のための重要戦略です。本記事で紹介した以下の3つのステップを通じて、従業員一人ひとりの行動変容を促すことが重要です。

• フェムテックの活用による健康管理意識の向上
• ワークライフバランスの推進による働き方の変革
• アンコンシャス・バイアスの克服による公平な評価と機会提供

これらの取り組みを通じて、多様な人材が活躍できる環境整備につながります。結果として、企業成長の一助にもなることでしょう。

小さな行動変容から始めることで、大きな組織変革を生み出せます。女性の活躍推進に関するより詳しい情報をご覧になりたい方は、フェムナレッジの動画コンテンツをご覧ください。
「女性の活躍推進に関する動画」|Mint+フェムナレッジ

フェムテックという分野が、女性(Female)が抱える問題をテクノロジー(Technology)で解決するために作られたように、あすか製薬は、女性(Female)が抱える問題を知識(knowledge)として世に広める活動に力を入れています。そして、私たちが伝えた知識を生かして、より良い明日のために行動変容することに対しても貢献したいと考えています。

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