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健康診断で再検査の結果が・・・二次健診の費用や給付など詳しく解説

2025.01.22

職場の健康診断の結果で、異常所見がみられたときに受ける必要がある二次健診。健康管理のために受診が必要ですが、費用について気になっている人もいるのではないでしょうか。
本記事では、健康診断の二次健診にかかる費用や給付金、検査後の報告について解説します。健診で異常を指摘され、再検査や精密検査を受ける必要がある人は参考にしてみてください。

健康診断で二次健診になる人はどれくらい?

1年に1回は受けることが義務付けられている企業の定期健康診断(特殊健康診断は6か月に1回)。検査項目で異常所見がみられると、二次健診の受診を勧められます。ここでは二次健診に関するデータについて紹介します。

有所見率は6割!?年齢と共に増加する二次健診

2022年度のデータでは、定期健康診断で異常所見がみられる割合は、年齢とともに高くなり、40代前半で6割を超え、50代では8割、60代では9割近くが何かしらの所見を認め、年代ごとに有所見率が上がります。

出典:2022年度 日本健診財団事業年報/集計・統計(日本健診財団)

全体の有所見率は、男性では、内臓脂肪蓄積、肥満、高コレステロール、女性では、やせ、高コレステロール、肥満の順で高い傾向がありました。とくに血圧、血糖値、腎機能、胸部レントゲン、心電図の異常の項目は、男女問わず年齢とともに有所見率が高くなる傾向があります。

女性は年代ごとに有所見率の傾向が違う

女性はライフステージごとで有所見率に特徴があります。例えば、男性はコレステロールの所見を含む多くの項目が40~50代をピークとし有所見率が高くなるのに対し、女性では、更年期前後にみられるホルモンバランスの変化を背景として、50~60代でコレステロールの異常所見がピークになります。
また、20~30代の若い女性では、やせが問題としてよくみられます。若い世代を中心に広まる、極端なやせ志向による無理なダイエットが、標準体重を下回りやすくなるためです。
40代の女性では貧血の割合が増えてきます。貧血は生理や妊娠・出産により起こりやすくなるものです。とくに40代の貧血は、鉄分不足のほかにも、子宮筋腫・子宮腺筋症など他の病気が隠れている可能性もあります。
このように、女性は年代ごとに注意すべき健康リスクがあることを知っておきましょう。

二次健診を受けた場合の費用はどうなる?

職場の一次健康診断は企業側の全額負担ですが、二次健診はどうなのでしょうか。ここでは二次健診の費用について説明します。

企業側の負担義務はない

二次健診診断を受ける場合、企業による費用負担はありません。一次検査の実施は企業に義務がありますが、二次検査は従業員が任意で受けるためです。
実際にかかる検査費用は、健康状態や検査で異常所見がみられた項目によって異なります。精密検査を受ける必要があれば、一次健診よりも費用がかかることもあるでしょう。
ただ、二次健診は病気の診断を目的としているため、健康保険が適用されます。働き世代の保険診療の自己負担額は3割で、全額を支払う必要はありません。

出典:健康診断Q&A(厚生労働省)

一定の条件を満たすと国の給付金が請求できる

健康診断の二次健診を受ける場合、条件を満たせば「労災保険二次健康診断給付」を利用できます。給付を受けられるのは、以下の条件を満たしたときです。

1. 血圧・血中脂質・血糖値・腹囲またはBMIのすべての項目で異常の結果が出たとき
(または、上記の検査項目で「異常なし」と出ても、産業医が異常所見を認めたとき)
2. 脳や心臓疾患の症状がみられていない
3. 労災保険の特別加入者でない

二次健診給付は労災法によって定められており、過労死の直接の原因を助けるものです。そのため給付は、脳血管や心臓の状態を調べる検査、脳や心臓疾患の予防に対する特定保健指導に限定して行われます。また、給付を受けられるのは年度内に1回までで、一次健診から3か月以内に二次健診を受ける必要があります。
二次健康診断等給付を利用して健診を受けられる医療機関は、健診給付病院などにかぎられておりますので、給付金の請求を希望される際は、まずは企業の担当者に確認しましょう。

出典:労災保険二次健康診断給付(厚生労働省)

二次健診を受診するには?結果は会社に報告するべき?

厚生労働省の指針では、企業が二次健診の受診を勧め、結果の提出を働きかけることが適当とされています。職場によっては二次健診の結果報告を求められることもあるでしょう。
ここでは、健康診断の二次健診を受ける場所や結果報告について説明します。

二次健診を受ける場所はどう選ぶ?

健康診断の二次健診は以下の医療機関で受けられます。

一次健診を受けた医療機関

健康診断の項目で再検査が必要な場合は、可能であれば一次健診を受けた医療機関を選ぶとよいでしょう。すでに患者情報や検査データがあるため、スムーズに検査を受けられ、初診料もかかりません。ただCTやMRIなど精密検査が必要な場合、規模の小さい施設では対応できないことがあります。

かかりつけ医のいる医療機関

健康診断の二次検査を受けるのであれば、かかりつけ医も選択肢のひとつです。疑われる病気によっては初診料がかかりますが、病気が発覚したとき、継続的に治療を受けやすくなります。
ただ、かかりつけ医がクリニックの場合、一部の精密検査に対応していなかったり、必要な治療を受けられないことがあります。

一般病院

健康診断の二次健診で、精密検査が必要な場合は、一般病院を受診できます。規模の大きい病院は、医療機器が揃っていることが多く、必要な検査を受けられ、その後の適切な治療を受けやすくなります。

企業側に結果を報告するべき3つの理由

一次健診については50名以上の従業員がいる企業の義務として、管轄の労働基準監督署に健診結果を報告しなければならず、企業側も結果を把握する必要があります。二次健診にこのような義務はありませんが、職場に報告することで、次のようなメリットがあります。

就業場所や業務内容の見直し

健康診断の結果に異常所見がみられる場合、勤務による負担軽減のために、配置替えや業務内容の見直しが行われることがあります。

二次健診への促進・健康サポート

従業員の健康管理のために、企業は二次検査の受診を勧めるべき立場です。二次健診がすみやかに受けられるよう、休業にも配慮してもらえるでしょう。

従業員のメンタルケア

健康診断の異常所見がみられると、自身の健康状態に不安を抱く人も少なくありません。健診結果を職場に報告し、健康サポートを受けられれば、精神的な支えとなります。

出典:労働安全衛生法に基づく健康診断実施後の措置について(厚生労働省)(2024年12月27日利用)

女性特有の健康課題は若いうちから配慮が必要

女性は月経、妊娠・不妊、更年期などライフステージごとに異なる健康課題を持ちます。女性特有の健康課題にアプローチを目指したのが「フェムテック」です。

女性の疾患に寄り添う 企業が注目する「フェムテック」

フェムテック(Femtech)とは、女性(Female)とテクノロジー(Technology)をかけ合わせた造語です。主に、女性が持つ健康課題をテクノロジーで解決を目指す商品やサービスを指します。
フェムテックで扱う分野は、月経、妊娠や出産、更年期、婦人科系疾患といった女性のライフステージごとの健康課題に加え、育児、性教育など多岐にわたります。月経周期アプリや医療従事者へのオンライン相談、体質チェックなど、フェムテックにまつわる多くの商品・サービスが存在します。

出典:フェムテックとは?注目される理由や解決できる問題を紹介(フェムナレッジ)

フェムテックの導入で企業ができることとは

女性の健康課題には個人差があり、他人に相談できずに悩んでいる女性が多くいます。例えば月経の場合、それ以前から仕事における能率の低下を感じたり、月経と関連性のある婦人科系疾患を抱えていれば、昇進をあきらめて、離職を選択することもあるでしょう。

フェムテックを導入することで、女性社員の健康課題を見える化し、月経や婦人科系疾患に伴う不調に配慮することが可能です。例えば、生理管理や妊活サポートに役立つスマートフォンアプリ、経血漏れの不安を軽減する月経カップ、健康相談の機会などが挙げられます。これらのサービスを企業の福利厚生として取り入れることで、女性社員の負担を軽減し、離職やキャリア断念の防止、生産性向上、そして社員満足度の向上が期待できます。

まとめ

定期健康診断では、性別や年代に応じて様々な健康問題が見つかるきっかけとなります。二次健診を受けることは、従業員一人一人の健康を維持し、就労継続につながるために、とても大切なことと言えます。
とくに女性社員の仕事のパフォーマンスの維持や向上を目指すのであれば、フェムテックを活用してみるのもよいでしょう。女性社員の健康サポートに取り組むことで、企業の業績改善や経営安定にもつながるでしょう。現代は女性の社会進出がますます進んでいる時代です。女性社員の健康課題をサポートするために、組織でフェムテックの導入を検討してみるのはいかがでしょうか。

監修者

profile

大迫 鑑顕

千葉大学大学院医学研究院精神医学 特任助教
Bellvitge University Hospital, Barcelona, Spain
医学博士、精神保健指定医、日本精神神経学会認定精神科専門医・指導医、日本医師会認定産業医、公認心理師

あすか製薬 フェムナレッジでは、女性従業員の活躍を推進するサービスを導入したい企業の皆さまや今後女性特有の健康課題に関する取り組みを検討されている企業の皆さま向けに動画研修サービスをご提供しております。

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