2025.02.24
企業の成長を考えるうえで、従業員の健康は非常に重要な要素です。健康的な環境で働くことができる従業員は、高いパフォーマンスを発揮し、企業全体の生産性向上につながります。「健康経営」を企業戦略に組み込み、従業員の健康を支援する福利厚生を導入する企業もあります。
本記事では、健康経営を促進させる福利厚生サービスとメリットについて解説し、女性の健康課題に対するフェムテックを活用した取り組みを紹介します。
働き方の多様化が進む現代において、企業が競争力を維持し、高めるためには「健康経営」が欠かせません。
以下では、健康経営のメリットや福利厚生に関して記載します。
健康経営とは、従業員の健康管理を経営的な課題として捉え、戦略的に取り組む企業活動を指します。
健康経営の主なメリットとして、生産性の向上による企業の競争力強化だけでなく、従業員一人ひとりが健康で活力ある生活を送ることで、医療費の適正化や企業イメージの向上につながることが挙げられます。
企業が、従業員やその家族に提供する報酬のひとつである福利厚生を整えることで、従業員の身体的健康のみではなく、精神的健康にも良い影響を与えることができます。
例を挙げると、健康診断や予防接種を定期的に受けられる仕組みは「病気の早期発見・治療」につながります。また、従業員に運動機会を提供することで生活習慣病の予防やストレスの軽減を図ることも可能です。これらの福利厚生を導入することで従業員の健康を高めるだけでなく、企業全体の生産性を向上させる効果が期待できます。
健康経営の一環としての福利厚生にかかる経費は単なる「コスト」ではなく、将来に向けた「投資」であると捉えることができます。従業員が健康で生産性の高い状態であることは、企業の競争力を高める資産になります。
また従業員が働きやすく充実感を持てる環境を福利厚生で整えることで、結果的に優れた人材の確保や育成にも寄与します。これにより、企業の持続的成長と利益向上に繋がると考えられます。
福利厚生は、法令によって義務づけられている法定福利厚生と、企業が任意で行う法定外福利厚生に大別されています。現代の健康経営における福利厚生は、従来の制度に加えて新しい取り組みが注目されています。
以下では、具体的な福利厚生制度の例を紹介します。
定期的な健康診断やインフルエンザワクチンの予防接種は、多くの企業が導入している代表的な健康支援策です。特に健康診断は、労働安全衛生法に基づき法定で実施が義務付けられており、疾病の早期発見が可能となり、従業員の重大な健康問題を未然に防ぎます。予防接種は感染症対策にも効果的で、全職員ならびに職場の健康を守ることができます。
従業員が無料または割引料金で利用できる運動施設の提供は、法定外福利厚生制度の一つです。
スポーツジムやヨガの利用をサポートする企業も増えており、運動不足解消やストレス軽減に効果的です。その他にも、社内で定期的に行われるフィットネスイベントは、従業員間の交流促進にもつながります。
喫煙は肺がん、心臓疾患、脳血管疾患(脳梗塞など)といった、多くの病気のリスクを高めます。
近年、日本国内の喫煙者数は年々減少しており、健康志向の高まりや禁煙支援の普及がその背景にあります。この流れを受け、多様化する健康経営の一環として、禁煙支援を福利厚生に取り入れる企業が増えています。
具体的には、禁煙外来の費用補助や職場内禁煙エリアの拡大などが挙げられます。これらの取り組みは従業員の健康を守るだけでなく、生産性向上や医療費の削減にも寄与します。健康経営の観点から、禁煙支援は今後も重要な施策として注目され続けるでしょう。
福利厚生制度を充実させることによって、従業員の健康に寄与することが期待されます。以下では、健康経営を重視した福利厚生におけるメリットについて詳しく解説します。
健康を重視した福利厚生があると、従業員は会社から自分の健康を大切にされていると感じ、会社への信頼が深まり、満足度が高まります。
福利厚生が充実している企業は、採用市場でも競争力を高めることができ、より優秀な人材の採用をすることに近づくでしょう。
健康経営の取り組みは、企業文化にポジティブな影響を与えます。従業員が心身ともに健康であると、活気や前向きな姿勢が生まれやすくなり、職場全体の雰囲気も自然とポジティブになります。ポジティブな職場環境は従業員同士のコミュニケーションを活性化させ、お互いに助けあう風土が形成しやすくなるでしょう。
さらに、チームワークの強いポジティブな職場環境は離職率を低下させることも期待できます。
「フェムテック」は、女性が抱く健康上やライフスタイルの悩みを解決する商品やサービスのことを指します。女性(Female)とテクノロジー(Technology)をかけ合わせてその名前Femtechが付けられました。フェムテック製品やサービスを活用することで、女性従業員の健康をサポートできます。
女性はそれぞれのライフステージで妊娠・出産、ホルモンバランスの変化、更年期症状など、女性特有の健康課題を抱えやすい傾向にあります。
女性従業員が抱える特有の健康問題に対応するフェムテックの導入は、企業にとって以下のようなメリットがあります。
フェムテックを活用することで、月経管理、不妊治療支援、更年期症状のケア、妊娠・出産後のケアといった女性特有の課題に対応できます。この対策によって女性従業員はライフステージごとの健康管理をしやすくなり、仕事とプライベートのバランスが向上します。
このような環境は、女性従業員の仕事への意欲を高め、離職率の低下にもつながるでしょう。
フェムテックを取り入れることは、多様性のある人材を受け入れ、個人が尊重され、それぞれの能力を存分に発揮できる状態であるダイバーシティやインクルージョンを重視する企業姿勢の表れです。
フェムテックによって女性従業員に対する配慮が評価され、企業のブランド価値が向上するでしょう。こうした取り組みは、女性求職者に対するアピールポイントともなり、優秀な人材確保につながります。
健康経営を推進するための福利厚生は、将来に向けた「投資」であると捉えることができます。期待されるメリットとして従業員の健康を守り生産性向上だけではなく企業文化へポジティブな影響を与え離職率を減少させることが可能です。その結果として企業全体の成長を支える重要な取り組みとなるでしょう。
特に、女性従業員の健康課題に対応するフェムテックを取り入れることは、ダイバーシティやインクルージョンに取り組む企業として認知されやすく、働きやすい職場環境の整備や企業イメージ向上に直結します。
今後、健康経営を実現するためには、従業員一人ひとりのニーズに応じた柔軟な福利厚生の提供が不可欠です。フェムテックを活用した福利厚生を通じて、従業員の健康と企業の成長を促すための「投資」をしてみてはいかがでしょうか。
監修者
大迫 鑑顕
千葉大学大学院医学研究院精神医学 特任助教
Bellvitge University Hospital, Barcelona, Spain
医学博士、精神保健指定医、日本精神神経学会認定精神科専門医・指導医、日本医師会認定産業医、公認心理師
あすか製薬 フェムナレッジでは、女性従業員の活躍を推進するサービスを導入したい企業の皆さまや今後女性特有の健康課題に関する取り組みを検討されている企業の皆さま向けに動画研修サービスをご提供しております。
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