ホワイト500とは?健康経営優良法人とブライト500との違い

2025.02.24

健康経営有料法人認定制度によって大企業に与えられるホワイト500は、認定されることでさまざまなメリットが得られます。本記事では、ホワイト500とはどういったものなのか、ブライト500との違いを解説します。
特に大企業では女性の健康管理も注目されています。女性の健康を守るためのフェムテックについても併せて解説しますので、参考にご覧ください。

ホワイト500とは?

ホワイト500とは、経済産業省が推進する健康経営優良法人認定制度において、大規模法人部門の上位500法人に与えられる称号です。大企業が対象となるため、より厳しい基準が設けられている点が特徴です。
ホワイト500がどのように認定されるのか、認定基準について詳しく解説します。

ホワイト500の目的と認定基準

ホワイト500は健康経営において優良な取り組みを実践している企業の価値を社内外に知ってもらい、評価を得ることを目的としています。

ホワイト500の認定基準は次の通りです。

• 経営理念·方針
• 体制
• 制度·施策実行
• 評価·改善
• 法令遵守·リスクマネジメント

これら5つの基準を細分化して15項目設けてチェックをしていきます。
なお、認定基準等については年によって変わることがあり、2024年度の申請においては従業員のパフォーマンス指標の開示が求められました。

健康経営優良法人・ブライト500との違いは?

ホワイト500と類似している言葉に健康経営優良法人・ブライト500というものがあります。これら2つとホワイト500の違いについて解説します。

健康経営の取り組みを評価する「健康経営優良法人」

健康経営優良法人とは健康経営の普及の観点から、一定の要件を満たした法人全てのことを指します。このなかでも、調査の結果上位500にあたる法人がホワイト500として認定されます。
つまり、ホワイト500は健康経営優良法人の一部に含まれるのです。

特に優れた取組を行う中小企業部門「ブライト500」

ブライト500とホワイト500の違いは企業規模です。ブライト500もホワイト500と同様に健康経営優良法人に認定された上位500の企業に付与されるものですが、ブライト500は中小企業に与えられます。

以下に該当する企業は大規模企業としてホワイト500が認定され、当てはまらない企業が中小規模企業としてブライト500となります。

• 卸売業:101人以上
• 小売業:51人以上
• サービス業:101人以上
• 製造業·その他:301人以上
• 特定非営利活動法人:101人以上
• 医療法人·社会福祉法人·健保組合等保険者:101人以上
• 商工会議所·商工会·財団法人·社団法人:101人以上
• 公法人、特殊法人(地方公共団体、公団等):301人以上

また、ブライト500とホワイト500の認定条件はほぼ同じですが、1つだけホワイト500にしかない認定条件があります。
それは「トップランナーとして健康経営の普及に取り組んでいること」です。大規模企業は国内外から注目されるので、トップランナーとして見本になる企業がホワイト500に認定される傾向にあります。

ホワイト500のメリットと社会的意義

ホワイト500に認定されるための条件を満たすには費用がかかるため、負担を心配する企業があるのも事実です。しかし、ホワイト500に認定されることで多くのメリットが得られ、社会的にも意義のある取り組みです。
ここからは、ホワイト500に認定されるメリットと社会的意義について解説します。

認定されることで得られる企業の効果とは

ホワイト500に認定されると、企業には専用のロゴが付与されます。このロゴがあることで、社内だけでなく社外の多くの人にも、健康経営に優れた企業であることが伝わります。
その結果、企業への信頼が高まり、製品やサービスを利用したいと考える消費者が増えます。さらに、優良企業への投資を望む投資家や金融機関、そして情報提供を希望する企業も増加するでしょう。
また、優れた企業で働きたいと考える優秀な人材も集まりやすくなり、より良い会社づくりにつながります。さらに、健康経営の実践により、従業員が働き続けたいと感じやすくなり、離職率の低下にも貢献します。
実際にホワイト 500に選ばれている企業は、離職率も低い傾向が見られています。これは、単に会社が嫌で辞める人が少ないだけでなく、従業員の健康状態や生活習慣が比較的良いため、病気で退職する人も少ないことが理由の一つです。
ホワイト500に認定されることで、経営をしていくために重要な従業員、お金、情報が集まりやすくなるため、経営により良い影響をもたらすのです。

社会全体への影響

ホワイト500に認定される企業は、大規模企業ということもあり社会全体へ大きく影響します。ホワイト500では「トップランナーとして健康経営の普及に取り組んでいること」を認定の条件に挙げていることもあり、ホワイト500が行っている取り組みは多くの企業へ発信されます。これに影響されて、ほかの企業も健康経営に取り組めばより社会全体の健康意識が高まり、健やかに働ける人材が増えるでしょう。
また、ホワイト500は、他の業態へも影響を及ぼします。そのため、新たなヘルスケア事業を誕生させるなど市場をさらに発展させることに寄与するでしょう。

ホワイト500企業の取り組み事例

ホワイト500企業の行った取り組みは、フィードバックシートとともに健康経営優良法人認定事務局ポータルサイトで一括開示されているため、誰でも簡単に知ることができます。
ここでは、ホワイト500企業の取り組みの一部を紹介します。

生活習慣病の予防に関する取り組み

ある食品関係の企業では、健康経営の一環として、社員のパフォーマンス向上と幸福実現を目指し、生活習慣病の予防に取り組んでいます。平均年齢の上昇に伴う生産性低下リスクへの対応として、肥満者や血圧・血糖・脂質異常のリスクがある社員の割合低減や、ヘルスリテラシーの向上を重視しています。
MCT製品の活用やウォーキング企画の実施、社員食堂でのスマートミール提供と費用補助を行い、施策への参加率向上を図りました。その結果、健康施策の参加者や社員食堂の利用者が増加し、2019年と比較して、肥満・高血圧・糖尿病・脂質に関するリスクを持つ社員の割合が減少し、生活習慣病の予防に寄与しています。

女性の健康課題に関する取り組み

ある水産企業では、健康診断で貧血の有所見率が増加したことを受け、女性の健康課題へのリテラシー向上に取り組みました。具体的には、産婦人科医によるセミナーを実施し、鉄分やタンパク質を補う食品を提供しました。約150名が受講し、約70%が健康課題の相互理解の重要性を認識し、約70%が月経・PMS・更年期対策に役立ったと回答しています。
また、「婦人科受診を躊躇しない」「周囲への配慮を意識する」といった行動変容も見られ、2023年度の貧血有所見率は改善しました。さらに、女性管理職比率も向上し、女性活躍推進が進展しています。

出典:ACTION!健康経営(日本経済新聞社)(2025年2月7日利用)

健康経営をさらに推進する「フェムテック」の活用

上述したように健康経営をさらに推進していくためには女性の健康問題に着目していくことが非常に大切です。
女性特有の健康問題に着目しながら健康経営を推進するならばフェムテックの活用がおすすめです。
ここからは、フェムテックの活用で得られる効果について解説します。

女性特有の健康課題への配慮を強化

女性特有の健康課題にはさまざまなものが挙げられますが、フェムテックを使うことで解決できると考えられている健康課題は、「生理(月経)・不妊・更年期症状・妊娠中や産後の問題です。
企業では、福利厚生の一環として、女性特有の健康課題に対応するアプリの導入や、検査費・治療費の助成を行うことで、女性の健康への配慮を強化できると考えられています。

従業員満足度の向上

フェムテックの活用は従業員満足度の向上へとつながります。ホワイト500認定企業は女性従業員の比率が多く、女性従業員の勤続年数が長い企業も多く、女性特有の健康課題に対するリテラシーは極めて重要視されています。 そのため、フェムテックの導入・活用は従業員の満足度向上へと繋がり、仕事のパフォーマンス向上へとつながるのです。

まとめ

ホワイト500は経済産業省が推進する健康経営優良法人認定制度において、大規模法人の上位500に与えられるものです。
大規模法人は国内でもトップランナーとして走り続けることが求められており、トップランナーが健康経営に取り組むことで社会的にも良い影響をもたらします。
特に近年女性の社会進出が増えたことで健康経営をするためには女性特有の健康課題への解決が重要であり、ホワイト500には女性の健康課題へ取り組む姿勢も求められています。
フェムテックを活用し、女性特有の健康課題解決へ取り組んでみてはいかがでしょうか。

監修者

profile

大迫 鑑顕

千葉大学大学院医学研究院精神医学 特任助教
Bellvitge University Hospital, Barcelona, Spain
医学博士、精神保健指定医、日本精神神経学会認定精神科専門医・指導医、日本医師会認定産業医、公認心理師

あすか製薬 フェムナレッジでは、女性従業員の活躍を推進するサービスを導入したい企業の皆さまや今後女性特有の健康課題に関する取り組みを検討されている企業の皆さま向けに動画研修サービスをご提供しております。

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