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「女性の離職理由は?ランキングで紹介!男性との違いも見てみよう

2025.05.20

女性の離職は、企業にとって大きな損失です。
貴重な人材を失うだけでなく、企業の成長やイメージにも影響を与えます。
本記事では、以下について解説します。

● 女性の離職理由と背景
● 男性の離職理由との比較
● 女性の離職率が高いことによるリスク
● 企業ができる具体的な対策

女性が安心して働ける職場は、企業の成長を後押しします。より良い企業の環境づくりのヒントを得るためにも、ぜひ最後までご覧ください。

女性の離職理由は?男性との違いも

女性の離職理由は、主にライフスタイルに関わるものですが、一方の男性は会社に対する不満が目立ちます。
本章では、女性の離職理由と背景について、男性の離職理由とその違いについて詳しく解説します。

女性の離職理由ランキング

厚生労働省の「第6回21世紀成年者縦断調査」によると、女性の主な退職理由は以下のとおりです。

1. 会社の経営方針に不満を感じたから
2. 給与・報酬が少なかったから
3. 労働時間が長かった・休暇が少なかったから
4. 事業または会社の将来に不安を感じたから
5. 人間関係がうまくいかなかったから

出典:「第6回21世紀成年者縦断調査(国民の生活に関する継続調査)結果の概況.5 仕事をやめた者の退職理由」(2009年)

以上の結果から、女性は会社の経営方針や労働条件など、さまざまな要因によって離職を決断しています。
特に「会社の経営方針に不満を感じたから」が最も多く、働き方の柔軟性や企業の姿勢が従業員の定着率に関わっていると考えられます。
また、労働時間や休暇に関する不満も上位に上がっており、長時間労働や休暇の取りづらさが女性のキャリア継続を難しくする一因となっている可能性があります。
このように、女性の退職にはさまざまな理由があるため、企業側は給与や労働環境の見直しだけでなく、経営方針や職場環境の改善にも取り組むことが求められます。

男性の離職理由とどう違う?

女性の場合は、ライフスタイルに関わるような離職理由が目立ちますが、一方の男性は、主に会社に対する不満による退職理由が目立ちます。
具体的には下表のとおりです。

順位 女性の離職理由 男性の離職理由
1 会社の経営方針に不満を感じたから 給与報酬が少なかったから
2 給与報酬が少なかったから 事業または会社の将来に不安を感じたから
3 労働時間が長かった・休暇が少なかったから 労働時間が長かった・休暇が少なかったから
4 事業または会社の将来に不安を感じたから 会社の経営方針に不満を感じたから
5 人間関係がうまくいかなかったから 能力・実績が正当に評価されなかったから

出典:「第6回21世紀成年者縦断調査(国民の生活に関する継続調査)結果の概況.5 仕事をやめた者の退職理由)」(2009年)

また、ランキングには現れていませんが、女性の場合、結婚や出産、介護などのライフイベントや家族の事情が離職理由となるケースが少なくない一方、男性でこれらの理由を挙げる人はほとんどいません。
さらに、厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果の概況」によると、男性の離職率が13.8%、女性の離職率が17.3%と女性の方が高い状況です。
これらのデータからも、女性の離職には女性特有の事情が関係していることがわかります。

女性の離職理由から何が見える?

女性の離職理由を掘り下げると、単なる個人的な問題ではなく、企業が抱える課題や社会全体の構造的な問題が見えてきます。企業においては、働き方改革やジェンダー平等の見直しなども重要な課題といえるでしょう。
ここでは、女性の離職理由ランキング上位5つをさらに解説していきます。

会社の経営方針への不満

経営層のビジョンや戦略が不明確だったり、現場の意見が反映されなかったりすると、従業員は不満を抱きやすくなります。
特に女性は、共感性や納得感を重視する傾向があるため、経営方針への不満が離職につながりやすいと考えられます。
「会社の方向性が見えない」「自分の仕事がどのように貢献しているのかわからない」といった状況は、モチベーションの低下を招いてしまい、離職につながる可能性があります。

給与・報酬への不満

同じ仕事をしているのに男性よりも給与が低い、昇進・昇格の機会が少ないといった不公平感は、女性のモチベーションを低下させます。
経済的な自立を求める女性が増えている現代において、給与や報酬への不満は大きな離職要因となるでしょう。単に金額の問題だけでなく、評価制度の透明性や公平性についても考える必要があります。
出典:「就労志向の女性に聞く、男女の賃金差で不公平を感じたことある? 「ある」62.0%、「男性の方が賃金が高く、女性は低い」81.3%、男女賃金差公表で「何も変わらない」:45.5%」

長時間労働・休暇不足

長時間労働や休暇の取りにくさは、仕事と家庭の両立を難しくします。育児や介護など、家庭での役割を担うことが多い女性にとって、労働時間や休暇は重要な問題です。
仕事以外の時間が確保できず、将来のキャリア形成や生活に支障が出るため、離職に至る原因となる可能性があります。たとえば、子どもの急な発熱で早退や欠勤が必要になった場合、周囲の理解が得られず肩身の狭い思いをしたり、充分な休息が取れず疲労が蓄積したりすることも考えられます。
また、長時間労働が常態化している職場では、自己啓発やスキルアップのための時間が取れず、キャリアアップへの意欲が削がれてしまうかもしれません。
企業は、労働時間管理の徹底や有給休暇取得の促進など、具体的な対策を講じる必要があります。

会社の将来性への不安

会社の業績不振や業界の先行きに対する不安は、従業員の雇用不安を高めます。
女性は将来のライフプランを見据えて働く傾向があるため、会社の将来性に不安を感じると、より安定した職場を求めるようになり、離職が加速します。
このような状況を防ぐために、企業は明確な成長戦略を示し、変化に柔軟に対応していくことが求められます。

職場の人間関係

職場の人間関係は、仕事の満足度やストレスに大きく影響します。
上司や同僚とのコミュニケーションがうまくいかない、ハラスメント(嫌がらせ)があるといった問題は、女性の働く意欲を削ぎ、離職につながる要因のひとつとなります。
たとえば、上司との関係が悪ければ仕事の相談や報告がしにくくなり、業務に支障が出たり、精神的な負担が増えたりします。同僚との関係がうまくいかないと、孤立感を感じたり、チームワークが低下したりするでしょう。
良好な人間関係を築くためのコミュニケーション研修や、ハラスメント対策の徹底が必要です。
ハラスメントは、被害者の尊厳を傷つけ、職場環境を悪化させる重要な問題です。企業は、ハラスメント相談窓口の設置、加害者への厳正な処分といったハラスメントを許さない組織風土を作る必要があります。

女性の離職率が高いことによるリスク

女性の離職率が高い状態を放置すると、企業の競争力や持続可能性に深刻な影響を与える以下のようなリスクを被ります。

女性のキャリア支援に対する評価低下

現在、企業では女性活躍の推進が重視されています。
女性の離職率が高いと「企業が女性従業員のキャリア成長を支援していない」「女性活躍に積極的でない」という印象を社会に与える可能性があるためです。
企業イメージの悪化は、採用活動や顧客からの信頼にも影響を及ぼしかねません。

優秀な人材を失う

専門知識や経験を持った女性従業員が離職した場合、同等のスキルを持つ人材を新たに見つけるのは容易ではありません。特に、長年培ってきた専門性や、社内独自のノウハウを持つ人材の流出は、企業にとって大きな痛手です。
優秀な人材が流出すると、企業の生産性や業績の低下を招く可能性があります。たとえば、重要なプロジェクトを任せていた従業員の離職は、プロジェクトの遅延や質の低下につながります。また、顧客との良好な関係を築いていた従業員が辞めてしまうと、顧客満足度が低下し、最悪の場合、顧客離れを引き起こしかねません。
企業は、人材育成への投資や働きやすい環境づくりを通じて、優秀な人材の定着を図る必要があります。

従業員のモチベーション低下

離職した女性従業員の同僚や部下は「働きづらい会社」という印象を持ち、モチベーションが低下する恐れがあります。
特に、管理職の女性が離職した場合、後に続く女性従業員がキャリアアップへの意欲を失うケースもあるでしょう。
結果として、女性のキャリアが形成されづらい文化が生まれてしまう可能性があります。

女性の離職を防ぐために企業ができること

女性の離職を防ぎ、定着率を向上させるために、企業は積極的に以下の対策を講じる必要があります。

柔軟な働き方を叶える

企業は、育児や介護など、家庭の事情に合わせて柔軟な働き方ができる環境を整える必要があります。
たとえば、テレワーク制度やフレックスタイム制度を導入することで、従業員の負担が軽減し離職を防げます。テレワークであれば通勤時間を削減でき、その分、家事や育児に時間を使えます。一方、フレックスタイム制度は、子どもの送り迎えや通院などに合わせて勤務時間を調整可能です。
これらの制度を導入するだけでなく、実際に利用しやすい雰囲気をつくることも大切です。
管理職が率先して制度を利用したり、制度利用に関する情報を積極的に発信したりすることで、従業員も安心して制度を利用できるようになるでしょう。

制度の拡充

育児休暇や介護休暇制度を整備し、利用しやすい雰囲気を作ります。そのためには、制度の利用をためらうような空気感をなくし、管理職が積極的に制度を利用する姿勢を見せることが重要です。
また、復職後のサポート体制を整える必要もあるでしょう。たとえば、育児中の従業員に対しては、短時間勤務制度やフレックスタイム制度を柔軟に運用したり、事業所内保育所の設置を検討したりする手法が有効です。
さらに、「子どもの看護休暇や介護休暇を有給とする」「法定以上の育児休業期間を設ける」など、企業独自の制度を設けても良いでしょう。

キャリアアップ支援と女性リーダーの育成

女性従業員向けのキャリアアップ支援プログラムを導入し、継続的なキャリアを築ける環境を整えるのも有効です。女性のリーダーシップを育む研修や管理職への昇進機会を提供することで、モチベーション向上が期待できます。
具体的には、リーダーシップ研修ではマネジメントスキルだけでなく、女性特有の課題(アンコンシャス・バイアスなど)への対処法も学ぶ機会を設けると良いでしょう。また、メンター制度を導入し、経験豊富な女性リーダーが若手女性従業員のキャリア形成をサポートする体制も効果的です。

まとめ

女性の離職は、企業にとってさまざまなリスクをもたらします。離職理由をしっかりと把握したうえで、女性が働きやすい環境を整備しキャリアアップを支援できるようになれば、女性の定着率を高め、企業の成長につながります。

女性活躍を推進するには「フェムナレッジ」の活用も効果的です。女性特有の健康課題に配慮した職場環境づくりや従業員への情報提供を通じて、女性がより安心して活躍できる企業を目指しましょう。

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