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女性管理職登用の割合は?阻む課題・促進のための取り組みも紹介!

2025.05.20

近年、女性の社会進出が進む一方で、管理職として活躍する女性は依然として少ないのが現状です。企業のダイバーシティ推進が求められる中、女性管理職の割合を増やすのが課題となっています。
しかし、昇進を希望する女性の割合が低いことや、性別役割の固定観念、家事・育児負担の偏りなどが影響し、登用のハードルは高いと言えます。
本記事では、女性管理職登用の現状と課題を整理し、企業が進めるべき具体策を紹介します。

女性管理職登用の現状

女性の社会進出が進む中で、企業における女性管理職の登用が求められていますが、現状では女性の管理職割合は依然として低い状況です。
その背景には、管理職に昇進する機会が少ないだけでなく、そもそも「管理職になりたい」と考える女性が少ないという現状もあります。
本章では、最新のデータをもとに女性管理職登用の現状を解説します。

女性管理職の登用率は低い

厚生労働省の「令和5年度雇用均等基本調査」によると、日本企業における課長相当職以上の女性管理職の割合は12.7%でした。諸外国ではおおむね30%以上が女性管理職の割合となっており、日本は低い水準にあります。
この数値は改善傾向にあるものの、依然として男性が多数を占めています。世界経済フォーラム(WEF)の「ジェンダーギャップ指数」(2024年)でも、日本の経済分野における男女平等の順位146カ国中118位と低迷しており、女性が管理職として活躍しづらい環境であることが示されています。
要因として、以下のことが考えられます。

● 昇進の機会や管理職に必要な経験を積む場が限られている
● 企業によっては、登用に向けた具体的な目標や支援制度が整備されていない

女性管理職を増やすには、昇進の公平性を高めるとともに、研修やメンター制度を充実させること、さらに、育児や介護と両立しやすい環境の整備も必要でしょう。

出典:「令和5年度雇用均等基本調査」結果を公表します」
   「令和5年度雇用均等基本調査
   「男女共同参画に関する国際的な指数
   「諸外国の就業者及び管理的職業従事者に占める女性の割合

管理職に登用されたいと考える女性は少ない

女性管理職の登用率が低い背景には、管理職への昇進を希望する女性が少ないという問題もあります。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の「男女正社員のキャリアと両立支援に関する調査」(厚生労働省発表)によると、課長以上への昇進を希望する割合は、男性が一般従業員で5~6割、係長・主任クラスで約7割です。
一方、女性は一般従業員で1割程度、係長・主任クラスでも3割弱にとどまり、男性との差が顕著です。
この背景には、管理職の業務負担の大きさや、ワークライフバランスの維持が難しいことが挙げられます。特に日本では、長時間労働が管理職の前提とされる傾向が強く、育児や家事との両立が難しいという現実があります。
また、管理職向けの研修やキャリア支援が十分に提供されていない企業も多く、昇進の機会が限られるケースも少なくありません。そのため、企業が女性の管理職登用を促進するには、キャリア支援の強化や、柔軟な働き方を可能にする環境整備が必要です。

出典:「男女正社員のキャリアと両立支援に関する調査

女性の管理職登用を阻む課題

女性管理職の登用を進めるには、企業が直面する課題を明確にし、解決策を講じる必要があります。
前述のとおり、日本では女性管理職の割合が低く、管理職を目指す女性も少ないのが現状ですが、個人の意識だけでなく、企業文化や社会全体の環境が大きく影響しています。
特に、性別役割に関する固定観念や育児・家事負担の偏りは、女性が管理職に就くことを難しくしています。
本章では、女性の管理職登用を阻む主要な課題について解説します。

性別役割の思い込みがある

女性の管理職登用が進まない背景には、性別に関する無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)が影響していると考えられます。
令和4年度の男女共同参画局の調査によると、男女それぞれ、以下のような性別に関する固定観念を持っています。

順位 男性 女性
1 男性は仕事をして家計を支えるべきだ(48.7%) 男性は仕事をして家計を支えるべきだ(44.9%)
2 女性には女性らしい感性があるものだ(45.7%) 女性には女性らしい感性があるものだ(43.1%)
3 女性は感情的になりやすい(35.3%) 女性は感情的になりやすい(37.0%)
4 デートや食事のお金は男性が負担すべきだ(34.0%) 育児期間中の女性は重要な仕事を担当すべきでない(33.2%)
5 育児期間中の女性は重要な仕事を担当すべきでない(33.8%) 女性は結婚によって、経済的に安定を得る方が良い(27.2%)

出典:令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究
   アンコンシャス・バイアスについて留意事項

この結果から「男性は仕事、女性は家庭を支えるべき」という考えが依然として根強いことがわかります。
このような意識が職場にあると、「女性はリーダー職よりサポート役が向いている」といった固定観念が生まれ、昇進に影響をおよぼします。
企業が女性管理職を増やすには、性別による固定観念を払拭し、公平な評価基準を設けるとよいでしょう。たとえば、管理職向けの意識変容研修を実施し、スキルや実績に基づいた昇進を徹底することで、性別に関わらず活躍できる環境を整えられます。

家事・育児の女性負担が大きい

女性の管理職登用が進まない要因のひとつに、家事・育児の負担が女性に偏っていることが挙げられます。
男女共同参画白書によると、6歳未満の子どもを持つ日本の男性が家事・育児に費やす時間は1時間程度です。一方、アメリカやドイツは3時間以上とされ、日本は国際的に見ても低水準と言えます。
また、日本の男性の家事・育児時間は他国と比べて短いものの、日本全体の育児時間は長くなっています。これは、女性が育児を担う割合が特に高いため、夫婦全体の育児時間が長くなっているといえます。
このような状況では、育児や家事を担う割合が圧倒的に女性に偏り、仕事と家庭の両立が困難になりがちです。特に、管理職は業務量が多く、長時間労働になりやすいため、育児と両立するのが難しいと感じる女性が多いのが現状です。
また、日本では「育児を理由に残業ができない」ことをネガティブに捉える風潮が根強く、女性が管理職を目指しにくい環境になっています。さらに、育児休暇を取得する男性が少ないことも、女性の負担を増やす要因となっています。
以上のような状況を改善し、女性が管理職として活躍できる環境を整えるには、企業側がワークライフバランスを重視し、家事・育児の負担を男女ともに分担できる社会へと変えていく必要があります。

女性管理職登用を促進するには「休暇制度」が重要

女性の管理職登用を進めるためには、休暇制度を充実させるのが重要です。
男女共同参画白書によると、管理職として働くうえで最も重視される条件として「管理職でもきちんと休暇がとれること」が挙げられています。
これは、性別や年代を問わず共通しており、特に育児や介護と仕事を両立させたいと考える人にとっては、管理職としてのキャリア継続の肝となる部分です。

女性管理職登用の促進に向けて整備したい休暇制度

女性が管理職として活躍し続けるためには、仕事と家庭の両立にむけた休暇制度の整備が必要です。
多くの企業では、法定の育児・介護休業制度を導入していますが、それだけでは不十分なケースも少なくありません。
特に、管理職になる条件として「育児や家庭と両立できる環境」が重視されており、企業が休暇制度を充実させることで、女性の昇進意欲を高められます。
本章では、女性の管理職登用を促進するために企業が整備すべき主要な休暇制度について解説します。

育児休暇制度

一般的に「育児休業」と「育児休暇」は混同されがちですが、法的には異なる制度です。育児休業は育児・介護休業法に基づくもので、1歳未満の子どもを持つ親が取得できる法定休業ですが、育児休暇は未就学児を持つ親を対象にした法定外の福利厚生で、企業の裁量で柔軟に設けられます。
特に20~39歳の女性の間では、管理職になる条件として「出産・子育てとの両立支援」が重要視されており、育児休暇制度を充実させることが女性の昇進意欲の向上につながると考えられます。
企業が実施できる取り組みとして、以下のものが挙げられます。

● 長期間の育児休暇を取得しやすい制度の導入
● 職場復帰支援の強化
● 管理職向けの研修の実施 など

これらを整備すると、女性が管理職になった後も安心してキャリアを継続できる環境が実現できるでしょう。

ファミリーサポート休暇

女性が管理職として活躍し続けるためには、育児や介護などのライフイベントに対応できる「ファミリーサポート休暇」の導入が有効です。
ファミリーサポート休暇とは、以下のような家族の事情に応じて取得できる休暇制度です。

● 育児
● 介護
● 看護
● 冠婚葬祭
● 不妊治療
● 災害復旧 など

法定の休暇制度ではカバーしきれない場面でも活用できるため、従業員が安心して仕事と家庭を両立できます。
特に管理職は、責任のある立場でありながら、家庭の事情で突発的に休まざるを得ないケースも少なくありません。このような状況で休暇を取得しやすい環境が整っていれば、女性が管理職としてのキャリアを継続しやすくなります。
企業がこの制度を導入する際は、短時間勤務や在宅勤務との併用を可能にする、申請手続きを簡略化するなどの工夫が求められます。
ファミリーサポート休暇の導入は、女性だけでなく全従業員のワークライフバランスの向上にもつながるため、企業全体の生産性向上にも貢献するでしょう。

リフレッシュ休暇

リフレッシュ休暇とは、従業員の心身の疲労を回復させ、業務パフォーマンスの向上を目的とした特別休暇です。
企業によっては、一定の勤続年数を経過した従業員に長期休暇を付与する制度や、年に数日間取得できる仕組みを整えているケースもあります。
特に管理職は業務の責任が大きく、休暇を取りにくいと感じる傾向にありますが、企業が積極的にリフレッシュ休暇の取得を推奨することで、健康的に働き続けられる環境を整えられます。
また、リフレッシュ休暇は管理職だけでなく、すべての女性従業員がいきいきと働くためにも重要です。
特に、女性は育児や介護など家庭の負担を抱えながら働くケースも多く、定期的に休息を取れる環境があることで、仕事との両立がしやすくなります。
企業がリフレッシュ休暇制度を導入する際は、休暇の取得率を向上させるための周知活動や、業務が滞らないようチームでサポートする仕組みを整える必要があります。休暇を取得しやすい環境を整えることで、従業員の満足度向上や定着率の改善にもつながるでしょう。

まとめ

女性管理職の登用を促進するためには、昇進の機会を増やすだけでなく、働きやすい環境を整える必要があります。
企業が取り組むべき施策として、育児休暇やファミリーサポート休暇などの休暇制度の充実が重要です。
企業が制度を整備し、管理職になっても安心して働ける環境を作ることで、女性の昇進意欲を高め、管理職としての定着率向上につながります。

また、女性がキャリアを形成していく上で、最新の知識や適切な情報を得ることも重要です。フェムナレッジで女性特有の健康課題について学習することで 、働く女性の支援を強化し、より多くの女性が管理職として活躍できる社会を目指しましょう。

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