2026.07.29
少子高齢化による労働力不足や多様な価値観の広がりを背景に、多くの企業で女性活躍推進が極めて重要な経営課題として位置づけられています。
出典:「第1節 働く女性の活躍の現状と課題」
女性管理職の比率向上や、ライフイベントによる予期せぬ離職の防止を目指し、女性活躍推進研修の導入を検討している人事担当者の方も多いのではないでしょうか。しかし、数多く存在する研修会社の中から、自社の課題に最も適したパートナーを選ぶことは決して容易なことではありません。この記事では、女性活躍推進を、社内研修を通して促進するためのヒントやポイントを解説します。自社の課題解決に役立つ研修プログラムを見つけるための参考にしてください。
女性活躍推進に関する課題は、企業の状況やフェーズによって多様です。たとえば、若手社員のキャリア意識の醸成、管理職候補層のスキル強化、あるいは上司層の理解促進など、重視したいテーマは一つに限られるものではなく、複数が重なり合っているケースも少なくありません。
そのため、特定の課題に“完全に一致する”プログラムかどうかだけで判断するのではなく、自社の課題に対してどのような示唆や気づきを得られるか、複数のテーマに横断的にアプローチできる内容かといった観点で捉えることも大切です。
研修を通じて得られる学びの質には、講師の力量や経験も一つの要素として関わってきます。実際に企業で役員や管理職として厳しいビジネス環境を経験した女性講師であれば、受講生はよりリアリティを持って実践的な内容を学ぶことができます。また、ダイバーシティ推進やアンコンシャス・バイアスに関する学術的かつ実践的な専門知識を豊富に持っている講師が在籍しているかどうかを事前にしっかりと確認するようにしてください。
パッケージ化された既成の研修プログラムだけでは、自社が持つ特殊な事情や独自の風土に完全に対応できない場合も考えられます。自社の業界特性や独特の社内制度、これまでに培ってきた組織文化に合わせて研修内容を柔軟にカスタマイズできる研修プログラムを選ぶことが望ましいです。自社の状況に寄り添ったカスタマイズが行われることで、受講者にとってより実践的で、明日からすぐに使える効果的な研修となることが期待できます。
女性活躍推進研修の対象者は、決して女性社員本人だけとは限りません。むしろ、女性社員を適切に評価し育成する立場にある管理職や経営層向けの研修が充実しているかどうかが重要な確認事項となります。
出典:「⼥性活躍に関する基礎データ」
「女性の職業生活における活躍推進プロジェクトチーム参考資料集」
女性本人へのアプローチと、周囲の環境を作る上司へのアプローチの両方を同時並行で行うことによってのみ、組織全体の意識改革を効果的かつスムーズに進めることができます。
自身の価値観を振り返り、将来のキャリアビジョンを描くためのプログラムです。キャリアに対する考え方や自己認識を見つめ直す機会を提供し、前向きに仕事へ向き合う意識の醸成を目的としています。社内で活躍する先輩社員の具体的な事例に触れることで、無理のない形で自分自身のキャリアのあり方を考え、現実的にキャリアを構築していくための視点を養います。
次世代の管理職候補となる女性社員に向けて、チーム運営や意思決定の進め方について学ぶ実践的な研修です。従来のリーダー像に無理に自分を当てはめるのではなく、自身の個性や強みを生かしたリーダーシップのあり方を考えることを支援します。また、論理的思考力や複雑な状況での調整・交渉の進め方など、管理職として求められるビジネススキルについて理解を深める内容が含まれる場合もあります。
女性活躍を社内で推進していくためには、周囲の環境づくりも重要な要素の一つです。性別に基づく無意識の偏見が、日常的な部下育成や人事評価にどのような影響を及ぼし得るかについて、管理職自身の理解を深めることを目的とした研修です。多様な価値観を持つメンバーそれぞれの状況に応じたコミュニケーションの取り方を学び、性別にかかわらず適切なマネジメントを行うための視点を養います。
育児や介護といったライフイベントと両立しながら、キャリアを継続していくための考え方やスキルを学ぶプログラムです。限られた時間の中で仕事を進めるためのタイムマネジメントの工夫や、周囲のチームメンバーと連携するためのコミュニケーションの取り方について理解を深めます。復職前後に感じやすい不安に向き合いながら、無理のない形で業務へ復帰していくための準備を支援します。
| メリットを受ける対象 | 研修を通じて期待される変化や気づき | 企業全体に期待される変化 |
|---|---|---|
| 女性社員本人 | 自身の可能性への気づきや、キャリアに対する前向きな意識の変化 | 次世代リーダー候補層の広がりにつながる可能性 |
| 管理職と経営層 | 無意識の思い込みへの気づきや、育成や関わり方の見直し | 安心して発言しやすい環境づくりや、業務の進めやすさへの影響 |
| 組織全体 | 多様な人材が働きやすいと感じられる環境づくりへの意識の変化 | 人材の定着や採用における印象への影響、組織としての魅力向上につながる可能性 |
研修を通じて、女性社員がこれまで意識していなかった自身の能力や可能性に気づき、将来のキャリアについて主体的に考えるきっかけを得ることが期待されます。自分なりの役割や働き方を前向きに捉えることで、日々の業務への向き合い方に変化が見られる場合もあります。このような自律的に成長しようとする姿勢は、業務の進め方や質の向上に影響することも考えられます。
管理職が自身の中にあるアンコンシャス・バイアスに気づき、マネジメントのあり方を見直すことで、社員それぞれが持つ力を発揮しやすい環境づくりにつながることが期待されます。多様な意見を取り入れやすい職場環境が整うことで、組織内のコミュニケーションや情報共有のあり方に変化が見られる場合もあります。その結果として、新しい発想や改善の取り組みが生まれやすくなるなど、組織運営にさまざまな影響をもたらす可能性があります。
仕事とライフイベントの両立に対する不安に向き合う機会を提供することで、社員が長期的なキャリアを描きやすくなり、結果として離職の抑制につながる可能性があります。多様な人材が働きやすい環境づくりに取り組む企業として社内外に認識されることは、従業員のエンゲージメントや満足度に影響を与える場合もあります。こうした取り組みは、人材の定着や組織の持続的な成長を支える基盤づくりにつながることが期待されます。
女性活躍推進は、人事部門だけで完結する取り組みではなく、企業全体で共有していきたいテーマの一つです。経営層が自らの言葉で、その意義や目的を継続的に発信していくことで、取り組みの背景や方向性に対する理解が社内で広がることが期待されます。経営層の姿勢が示されることで、現場の管理職や社員の関心や参加意識にも変化が見られる場合があり、組織として取り組みを進めやすくなるきっかけにつながります。
外部研修の実施だけで、組織の風土や社員の意識が大きく変化するとは限りません。研修で得た気づきや学びを職場で生かしやすくするために、評価制度の見直しや柔軟な働き方に関する制度の整備をあわせて検討することが考えられます。中長期的な視点で、教育研修と制度の見直しを組み合わせていくことで、働きやすい環境づくりに向けた取り組みが進みやすくなることが期待されます。
| 進め方のステップ | 担当者が具体的に取り組む内容 |
|---|---|
| 多角的な情報収集 | 複数の研修会社から資料を取り寄せ、内容や特徴を比較しながら検討を進める |
| 社内での調整 | 経営層や対象部門と、研修の目的や期待する効果についてすり合わせを行う |
| 導入の検討と決定 | 自社の課題や目的に照らし、適した研修プログラムを選定する |
自社が直面している課題を整理し、それに応じた研修やサービスを検討していくことは、女性活躍推進の取り組みを進めるうえでの一つの重要な視点といえます。研修を通じて、女性社員のキャリアに対する意識の変化や、管理職のマネジメントへの理解が深まることで、組織全体の働き方やコミュニケーションにも変化が見られることが期待されます。こうした取り組みは、中長期的に見て企業の生産性や組織としての価値にも影響を与える可能性があります。
本記事で紹介した選び方のポイントを参考に、自社の状況に合ったプログラムを検討してみてください。あすか製薬のフェムナレッジでは、女性の健康課題に加えて、男性更年期やワーキングシニアなどのテーマを通じて多様な働き方やキャリア形成を支援する研修コンテンツを提供しています。複数の観点から課題にアプローチしたい場合の選択肢の一つとして、ご検討ください。
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