• TOP
  • 企業向けcolumn
  • 女性活躍推進で管理職を増やすには?現状の課題と登用を進めるポイント

女性活躍推進で管理職を増やすには?現状の課題と登用を進めるポイント

2026.07.29

女性活躍推進において、管理職への登用は多くの企業で検討が進められているテーマの一つです。
多様な視点を経営に取り入れることは、企業運営において重要な要素と考えられる場合もあります。
一方で、女性社員の登用に向けては、現場でさまざまな課題が挙げられることもあり、比率の向上に難しさを感じている企業も見られます。
本記事では、女性管理職が増えにくい背景や現場で指摘されている課題を整理しながら、考えられるメリットや取り組みの方向性を解説します。
あわせて、育成から登用に向けた具体的な視点や事例も紹介します。
自社の組織課題を見つめ直す際の参考としてご活用ください。

管理職登用の現状とは?

現在の日本における女性管理職の登用状況は、国際的に見ると差があると指摘されています。
ここでは、日本国内の具体的なデータと政府が掲げている目標について整理していきます。
日本の現状を把握することは、自社の課題を検討する際の出発点の一つとなります。
以下の表では、管理職登用に関する現状のポイントを整理しています。

項目 内容の概要
日本の現状 国際的な指標と比較すると、女性管理職の割合には差が見られるとされています。
政府の目標 女性管理職比率を30%程度とする目標が掲げられています。
企業の課題 目標に向けて、育成計画や制度整備について検討が求められるケースもあります。

日本の現状比率を把握する

日本の企業における女性管理職の割合は、依然として高いとは言えない水準で推移しています。
内閣府が公表している男女共同参画白書のデータからも、その傾向がうかがえます。
外国では女性管理職比率が30%から40%台とされる例もあり、それらと比較すると、日本との間に差が見られるという指摘もあります。
多くの企業では、一般社員の層には女性が多く在籍している一方で、係長や課長といった役職が上がるにつれて割合が低下する傾向が見られます。
こうした状況から、昇進の過程においていくつかの課題が存在している可能性も考えられます。

出典:内閣府 男女共同参画白書「1-15図 諸外国の就業者及び管理的職業従事者に占める女性の割合
管理的職業従事者に占める女性割合は、日本では16.3%であり、諸外国と比べて低い水準となっている。

e-Stat(政府統計)「雇用均等基本調査(女性雇用管理基本調査)

政府の掲げる目標を知る

日本政府は、社会全体の多様性を高める観点から、数値目標を設定しています。
具体的には、企業における女性管理職の割合を30%程度とする目標が掲げられています。
この目標は、意思決定の場に多様な視点を取り入れることを通じて、日本経済の活性化にもつながると考えられています。
多くの大企業では、女性活躍推進法に基づき、自社の現状分析や行動計画の策定が求められています。
企業においては、数値目標への対応に加えて、実際に女性が働きやすく活躍しやすい環境づくりについてもあわせて検討していくことが重要とされています。
目標の実現に向けては、中長期的かつ継続的な取り組みが求められる場面もあります。

出典:内閣府 男女共同参画局「女性活躍・男女共同参画の重点方針2026 (女性版骨太の方針2026)

厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース
常時雇用する労働者101人以上の企業には女性活躍に関する情報公表が義務付けられている。

両立に対する不安を解消する

多くの女性社員は、管理職になることで業務量や責任が増すことを想定し、プライベートとの両立に不安を感じる場合があります。
特に、育児や介護を担う割合には偏りが見られることもあり、長時間労働を前提とした働き方では管理職を引き受けにくいと考える人もいます。
こうした不安に対応するためには、企業側で業務の効率化を進めたり、時間当たりの生産性を踏まえた評価のあり方を検討したりすることが考えられます。
また、残業を前提としないマネジメントの実践や、周囲のサポート体制を明確にすることも、不安の軽減につながる可能性があります。

出典:厚生労働省 女性活躍推進法特集ページ
「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備」が女性活躍推進法の重要項目として位置付けられている。

厚生労働省「企業向け女性の活躍推進セミナー資料
女性特有の健康課題により「昇進や責任の重い仕事につくこと」をあきらめた経験があるという回答がみられる。

ロールモデルの不在を補う

身近に目標となる女性管理職がいないことは、昇進に対する意欲やキャリア形成への考え方に影響を与える要因の一つと考えられます。男性中心の組織では、管理職として活躍する女性の事例が限られている場合もあり、そのような環境では、自分自身の将来像を具体的にイメージしにくいと感じる社員もいます。また、多様な働き方を取り入れながら管理職を務めているロールモデルに触れる機会が少ないと、キャリアパスを描きづらくなることもあります。そのため、企業では社内外のネットワークを活用し、多様な経験を持つ女性リーダーと交流できる機会を設けることが一つの方法として考えられます。
必ずしも特別な経歴を持つリーダーだけでなく、試行錯誤しながらマネジメントに取り組む事例を共有することで、管理職への理解や関心が深まる可能性もあります。

出典:厚生労働省広報資料
女性活躍推進施策として「メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル」を提供している。

内閣府 女性リーダー ロールモデル集
女性管理職や役員のキャリアパスを可視化し、次世代の女性リーダー育成を目的としている。

無意識の偏見を排除する

アンコンシャス・バイアスと呼ばれる無意識の偏見が、女性の登用やキャリア形成に影響を与えている可能性も指摘されています。例えば、「女性には責任の重い業務は負担が大きいだろう」と上司が判断し、本人の意向を確認しないまま挑戦の機会を与えないといったケースです。こうした偏見は、評価や育成のプロセスに影響を及ぼし、人材の能力発揮や成長の機会を狭める要因となる場合があります。
そのため、経営層や評価者を対象としたアンコンシャス・バイアス研修を実施し、自身の考え方や判断の傾向を見直す機会を設けることも一つの方法です。また、性別にかかわらず、本人の意欲や能力に基づいて挑戦の機会を提供できる環境づくりが求められています。

出典:内閣府 男女共同参画局「令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究
アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)は、誰もが持ちうるものであり、固定的な性別役割分担意識につながる場合がある。

政府広報オンライン「アンコンシャス・バイアスを減らす3つのポイント
「組織のリーダーは男性の方が向いている」などの思い込みが、無意識の偏見の例として紹介されている。

女性管理職を増やす利点とは?

女性管理職を増やす取り組みは、社会的な要請への対応という側面だけでなく、企業経営や組織運営にもさまざまな影響をもたらす可能性があります。
多様な人材が活躍できる環境づくりが、組織にどのような変化をもたらすのかを理解することは、取り組みを進めるうえでの参考になります。

新たな価値を創出する

意思決定の場に女性が加わることで、これまで十分に取り上げられてこなかった視点やアイデアが経営に反映される可能性があります。
市場には多様な消費者が存在しており、そのニーズを理解するうえで、さまざまな属性や経験を持つ人材の意見を意思決定プロセスに取り入れることは重要な視点の一つです。
経済産業省のダイバーシティ経営に関するレポートでも、多様な人材が活躍する企業ほどイノベーションを創出しやすい傾向にあることが示されています。

出典:経済産業省「ダイバーシティ経営

優秀な人材を確保する

女性管理職が活躍している企業は、性別にかかわらず多様な人材が活躍できる環境づくりに取り組んでいる企業として認識される場合があります。
こうした取り組みは、企業の価値観や組織文化を社内外に伝える要素の一つとなり、採用活動においても一定の影響を与える可能性があります。
また、働きやすい環境づくりが進むことで、既存社員のエンゲージメントや満足度、定着に良い影響をもたらす場合もあります。
近年では、就職先を選ぶ際に、企業のダイバーシティ推進や働きやすさに関する取り組みを重視する求職者も見られます。
人材確保が課題となる企業もある中、多様な人材が能力を発揮しやすい環境を整えることは、組織の持続的な成長を支える取り組みの一つと考えられます。

ESG投資の評価を高める

近年、環境や社会への配慮を重視するESG投資への関心が高まっており、企業のダイバーシティ推進に関する取り組みは、投資家が注目する要素の一つとされています。
女性管理職比率を含む多様性に関する指標は、コーポレートガバナンスや人材活用の状況を把握するための参考情報として活用される場合があります。
実際に、国内外の機関投資家の中には、役員や管理職の多様性に関する情報を投資判断の材料の一つとしているケースも見られます。
また、女性活躍推進に継続的に取り組むことは、企業のブランドイメージや社会的評価に影響を与える可能性があります。その結果として、企業価値の向上や投資家との対話の充実につながることも期待されています。
こうした取り組みを進めるうえでは、透明性のある情報開示や継続的な実績の積み重ねが重要な要素の一つと考えられます。

出典:経済産業省「人的資本経営

人材を「資本」と捉え、中長期的な企業価値向上につなげる考え方を推進している。

登用を成功させる施策とは?

女性管理職の登用を進めるためには、単発の取り組みだけでなく、組織全体を視野に入れた継続的な施策を検討することが重要です。経営層の関与から現場での制度運用まで、一貫性のある取り組みを進めることで、登用に向けた環境整備につながる可能性があります。
登用プロセスにおける主な施策について、以下に整理しています。

経営層が明確な方針を示す

女性活躍推進を進めるうえでは、経営トップの関与が重要な要素の一つと考えられます。
経営層が「なぜ自社にとって女性管理職の登用を進めるのか」を自らの言葉で発信し、組織全体の課題として共有することで、取り組みの方向性が伝わりやすくなります。
また、人事部門だけに任せるのではなく、経営陣が継続的に関与する姿勢を示すことで、現場の理解や協力を得やすくなる場合があります。
定期的なメッセージの発信や、各部門における取り組み状況の確認などを通じて、施策の目的や意義を組織内で共有していくことも一つの方法です。
一方で、経営層と現場との間で目的意識の共有が十分に行われていない場合、施策が定着しにくくなる可能性もあります。

出典:厚生労働省 女性活躍推進法特集ページ「女性活躍・男女共同参画の重点方針2026(女性版骨太の方針2026)説明資料」

柔軟な勤務制度を整備する

管理職としての責任とプライベートの両立を支援するためには、時間や場所に関する制約を緩和できる柔軟な人事制度の整備が有効な選択肢の一つと考えられます。
フレックスタイム制度やテレワークを管理職自身も活用しやすい環境を整えることで、両立に対する不安の軽減につながる可能性があります。
また、会議時間の見直しや残業時間の抑制など、組織全体の働き方改革とあわせて取り組むことで、制度を活用しやすい環境づくりにつながることも期待されます。
制度を整備するだけでなく、実際に利用しやすい組織風土を醸成することも重要な要素です。
経営層や管理職が柔軟な働き方を実践することは、制度活用への理解を深める取り組みの一つとなる場合があります。

出典:厚生労働省「両立支援のひろば」、「イクメンプロジェクト

キャリア支援研修を導入する

管理職候補となる女性社員の育成を支援するために、研修制度を整備することは有効な取り組みの一つと考えられます。
若手の段階からリーダーシップ研修を実施し、マネジメントの役割ややりがいについて理解を深める機会を設けることで、将来のキャリアを考えるきっかけにつながる場合があります。
また、経営幹部などがキャリア形成を支援するスポンサーシップ制度も、育成施策の選択肢の一つです。
経営幹部は、重要なプロジェクトへの参画機会の提供やネットワーク構築の支援などを通じて、実務経験を積む機会づくりに関わることがあります。
個別の悩みやキャリアプランに寄り添いながら、中長期的な視点で育成を支援することは、管理職候補層の成長や登用機会の拡大につながる可能性があります。

公正な評価基準を運用する

女性管理職の登用を進めるためには、長時間労働を前提とした働き方や属人的な評価基準を見直し、成果やプロセスを踏まえた評価制度について検討することが重要です。
短時間勤務であっても、時間当たりの生産性や業務を通じて生み出した成果を適切に評価できる仕組みを整えることで、多様な働き方を支えやすくなる可能性があります。
また、評価者に対して評価エラーへの理解を深める研修やトレーニングを実施し、客観性や透明性を意識したフィードバックのあり方を学ぶ機会を設けることも一つの方法です。
評価基準が明確になることで、社員が評価の考え方を理解しやすくなり、業務への納得感や挑戦への意欲につながる場合があります。
こうした評価制度の運用は、性別にかかわらず、多様な人材が能力を発揮しやすい環境づくりを支える要素の一つと考えられます。

推進企業の事例から学ぶには?

自社で施策を検討・展開する際には、既に取り組みを進めている企業の事例を参考にすることも有効な方法の一つです。
実際の企業の取り組みを知ることで、自社の状況に照らし合わせながら、施策の検討に役立つヒントを得られる場合があります。
以下の表では、先進企業の事例から見えてくる主なポイントを整理しています。

学びのポイント 事例から読み取れる内容
トップの決断 経営トップが明確な目標や方針を示し、継続的に取り組みを推進しています。
個別のアプローチ 画一的な施策だけでなく、社員一人ひとりの状況に配慮した支援を行っています。
意識改革の徹底 制度の導入にとどまらず、組織風土の醸成に向けた研修や取り組みを継続しています。

まとめ

女性管理職の登用を進めるためには、現状の課題を把握し、経営層の関与のもとで継続的に取り組みを進めていくことが重要です。
以下の表では、本記事で解説した主なポイントを整理しています。

振り返りの項目 重要なポイント
課題の認識 両立への不安や無意識の偏見など、現場で見られる課題を把握することが取り組みの出発点となります。
期待される効果 多様な視点の活用や組織運営への好影響など、さまざまな効果が期待されています。
成功への施策 柔軟な制度整備やキャリア支援、先進事例からの学びなどを継続的に検討していくことが参考になります。

多様な人材が能力を発揮しやすい環境を整えることは、企業の持続的な成長を支える取り組みの一つと考えられます。
また、組織全体で意識や制度の見直しを進めることによって、多様な人材が活躍しやすい企業風土の醸成につながる可能性があります。
本記事で紹介した施策や事例も参考にしながら、自社の状況に合わせた取り組みを検討してみてはいかがでしょうか。
女性活躍推進を進めるうえでは、制度や評価の見直しに加え、組織全体で健康課題やライフイベントへの理解を深める取り組みも重要です。

あすか製薬では、健康経営や人的資本経営を支援する4つのソリューションを展開しています。「フェムナレッジ」による動画研修、「月経ラボ」の体験型プログラム、「メノポーズナビ」を活用した更年期理解の促進、「毛髪ホルモン量測定キット」によるセルフチェックなどを通じて、従業員の健康リテラシー向上や行動変容の支援に取り組んでいます。
管理職の理解促進や、誰もが働きやすい職場環境づくりを検討する際の参考として、ご検討ください。

サービスの詳細はこちら

企業向けColumn一覧

Mint+ フェムナレッジについての
お問い合わせはこちらから

お問い合わせ

Share
このページをシェア!

PAGE TOP