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健康経営研修の種類と選び方、導入のポイントをわかりやすく解説

2026.09.07

「健康経営を推進したいが、どのような研修を実施すればよいかわからない」「自社の課題に合う健康経営研修を選びたい」とお悩みの研修担当者の方もいるのではないでしょうか。
健康経営研修は、従業員の健康意識や職場環境改善を支援する取り組みの一つです。しかし、対象者や目的に合わない内容を選ぶと、期待した成果につながりにくい場合があります。
本記事では、健康経営研修の役割や種類、対象者別・目的別の研修テーマ、自社に合った研修の選び方までをわかりやすく解説します。研修企画や人材育成施策の検討にぜひお役立てください。

健康経営の推進に研修が果たす役割とは

健康経営を単なるスローガンで終わらせず、企業文化として根付かせるためには、従業員一人ひとりの理解と行動が重要です。研修は、健康に関する知識の習得を支援し、従業員が自身の健康を見直すきっかけを提供する取り組みの一つです。ここでは、研修が健康経営の推進において果たす主な役割を3つ紹介します。

従業員一人ひとりの健康意識を向上させる

従業員が自身の健康に関心を持ち、主体的に健康維持・増進に取り組むことは、健康経営の第一歩です。研修は、健康に関する正しい知識(ヘルスリテラシー)を学ぶ絶好の機会を提供します。例えば、食生活の改善、適度な運動、質の高い睡眠、ストレスマネジメントの方法など、日々の生活で実践できる具体的なスキルを身につけることで、従業員は自らの健康を「自分ごと」として捉えるきっかけづくりにつながります。この意識の変化が、組織全体で健康づくりに取り組むための基盤形成につながります。

出典:厚生労働省「e-健康づくりネット

組織の生産性とエンゲージメントを高める

心身の健康は、仕事のパフォーマンスにも影響すると考えられています。健康に関する知識やセルフケアの実践が促されることで、集中力や意欲が高まり、組織全体の生産性向上に繋がります。特に、管理職が部下の心身の健康に配慮する「ラインケア」に関する研修は重要です。管理職の意識とスキルが向上することで、部下は安心して働くことができ、職場の一体感や従業員エンゲージメント(仕事への熱意や貢献意欲)の向上も期待できます。

出典:厚生労働省「こころの耳

企業の価値と社会的評価を向上させる

健康経営に取り組む企業は、従業員の健康に配慮する企業として認知される場合があります。「健康経営優良法人」などの認定を取得することは、企業のブランドイメージ向上に大きく貢献し、採用活動において企業の魅力を伝える取り組みの一つとして活用されることがあります。研修の実施は、健康経営への具体的な取り組みとして外部にアピールできる重要な要素です。投資家や取引先に対して、人的資本への取り組みを示す材料の一つとなる場合があります。

出典:経済産業省「健康経営

健康経営研修の種類の一例

健康経営の研修と一言でいっても、その内容は多岐にわたります。自社の健康課題や職場環境に応じて適切な研修テーマを選ぶことが重要です。研修は主に「誰を対象にするか」「何をテーマにするか」によって分類できます。ここでは、代表的な研修の種類を目的や対象者別に紹介します。

全従業員向け|健康リテラシーの基礎を学ぶ

全従業員を対象とする研修では、健康に関する基本的な知識、いわゆる「ヘルスリテラシー」の向上を目指します。具体的には、バランスの取れた食事、効果的な運動習慣、睡眠の質の向上、ストレスとの上手な付き合い方(セルフケア)などがテーマになります。従業員が健康維持・増進に役立つ知識やセルフケアの方法を学ぶことで、組織全体で健康づくりに取り組むための基盤づくりを目的としています。

管理職向け|ラインケアと職場環境改善を学ぶ

管理職は、部下の健康状態に気を配り、相談に乗るなどの役割を担う「ラインケア」のキーパーソンです。この研修では、部下のメンタル不調の兆候に早期に気づく方法、適切な声かけや対応、専門家へ繋ぐ手順などを学びます。また、ハラスメント防止や、円滑なコミュニケーションを促す職場環境の作り方についても学び、部下が安心して働きやすい職場環境づくりに役立つ知識やスキルの習得を目指します。

経営層向け|健康経営の戦略的意義を学ぶ

経営層向けの研修では、健康経営が単なる福利厚生ではなく、企業の持続的な成長や人的資本経営の推進に関連する経営戦略の一つであることを深く理解することが目的です。国内外の先進事例や、健康投資が企業業績に与える影響に関するデータを学びます。これにより、経営トップが健康経営の重要性を認識し、全社的な取り組みを推進するためのリーダーシップ醸成を目指します。

テーマ特化型|メンタルヘルスや女性の健康を学ぶ

企業が抱える特定の健康課題に対応するための研修です。近年特にニーズが高いのが、メンタルヘルス不調の予防や早期対応について学ぶ「メンタルヘルス研修」や、様々なハラスメントの知識と防止策を学ぶ「ハラスメント研修」です。その他にも、女性の健康課題や更年期、月経関連症状などについて理解を深める研修や、チームのパフォーマンス向上を目的としたコミュニケーション研修など、企業の課題に応じて様々なプログラムが提供されています。

出典:厚生労働省 「働く女性の心とからだの応援サイト

健康経営の研修を選ぶ際に押さえるべき4つのポイント

数ある研修プログラムの中から、自社にとって本当に価値のあるものを選ぶためには、いくつかの重要なポイントがあります。目的が曖昧なまま流行している研修を導入すると、自社の課題解決につながりにくい場合があります。ここでは、研修選びで失敗しないために、事前に検討すべき4つのポイントを解説します。

研修の目的とゴールを明確に設定する

始めに、「何のために研修を行うのか」という目的を具体的にすることが特に重要なポイントの一つです。「従業員のメンタルヘルス不調による休職者を減らしたい」「部署間のコミュニケーションを活性化させたい」など、具体的な課題を洗い出しましょう。そして、研修後に「従業員がどのような状態になっていること」を目指すのか、具体的なゴールを設定することで、自社に適した研修内容やテーマを検討しやすくなります。

対象となる従業員の課題やニーズを把握する

研修内容を受講者の実態に合わせるためには、従業員の課題やニーズを把握することが重要です。事前にアンケートやヒアリング、ストレスチェックの集計結果などを活用し、従業員がどのような健康課題を抱えているのかを把握しましょう。

出典:厚生労働省「ストレスチェック制度

講師の専門性や実績を十分に確認する

研修の質は、講師の力量に大きく左右されます。選定の際には、講師がテーマとする分野において、どのような専門知識や資格を持っているかを確認しましょう。医師や保健師、臨床心理士といった専門家や、企業での実務経験が豊富な講師は、信頼性が高いと言えます。また、過去にどのような企業で研修を行ったかという実績や、受講者の満足度なども重要な判断材料になります。また、研修内容が公的機関のガイドラインや最新の知見に基づいているかも確認しておくとよいでしょう。

研修形式が自社の環境に適しているか検討する

研修の実施形式には、講師を招いて行う集合研修、オンラインで受講できるeラーニング、参加者が主体的に学ぶワークショップなど、様々な形態があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社の状況に合わせて選びましょう。例えば、全国に拠点がある企業であればeラーニングが効率的ですし、実践的なスキル習得を目指すならワークショップ形式が適している場合などがあります、従業員の勤務形態や研修の目的に応じて最適な形式を選択することが研修の目的達成につながりやすくなります。従業員の勤務形態や研修の目的を踏まえながら、自社に合った実施形式を選択することが重要です。

課題別に見る健康経営研修のプログラム例

ここでは、多くの企業で課題として挙げられるテーマに対応した健康経営研修の例を紹介します。自社の課題と照らし合わせながら、研修内容をイメージするための参考にしてください。

メンタルヘルス不調の予防と対策をしたい

メンタルヘルス対策は、多くの企業で重要なテーマの一つとなっています。研修では、ストレスの原因やメカニズムを理解し、自身でストレスに対処する「セルフケア」の方法を学びます。また、管理職向けには、部下の異変に気づき、適切に対応するための「ラインケア」について学ぶプログラムが実施されることがあります。具体的な内容としては、ストレスチェックの結果の活用法、リラクゼーション技法の実践、傾聴トレーニングなどが挙げられます。

職場のコミュニケーションを活性化させたい

職場の人間関係は、従業員のメンタルヘルスや仕事の進め方や職場環境にも影響する要素の一つです。コミュニケーション研修では、円滑な意思疎通を図るためのスキルを学びます。例えば、相手の話を深く理解するための「傾聴」、自分の意見を適切に伝える「アサーティブコミュニケーション」などのトレーニングを行います。これにより、風通しの良い職場環境が醸成され、ハラスメント防止や円滑なチーム運営に役立つと考えられています。

出典:厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために

生活習慣病のリスクを低減させたい

従業員の高齢化に伴い、生活習慣病のリスク管理はますます重要になっています。このテーマの研修では、健康診断の結果の見方を学び、自身の健康状態を正しく理解することから始めます。その上で、栄養士による食事指導や、トレーナーによる効果的な運動方法の紹介など、日常生活に取り入れやすい健康管理の知識や実践方法を学びます。ウォーキングイベントや健康アプリの活用を組み合わせることで、健康行動の継続を支援する取り組みとして活用されることがあります。

健康経営研修の効果を高める3つのポイント

研修は実施するだけでなく、その後の職場での実践や継続的な取り組みにつなげることが重要です。研修で得た学びを職場で活かし、組織の力として定着させるためには、いくつかのコツがあります。ここでは、研修を成功に導くための3つの重要なポイントを紹介します。

経営トップが積極的に関与する姿勢を示す

健康経営は、経営層の関与が重要とされる取り組みです。研修の冒頭で社長や役員が自らの言葉で健康経営の重要性を語るなど、経営トップが強い関心とコミットメントを示すことは非常に重要です。トップのメッセージは、従業員に対して「会社は本気で従業員の健康を考えている」という強いメッセージとなり、研修への参加意欲の向上や、健康経営への理解促進につながることが期待できます。

研修後の実践を促すフォローアップを行う

研修は「実施して終わり」ではありません。学んだ知識やスキルを職場で実践し、学んだ内容を業務や日常の行動に活かしていくことが期待されます。そのためには、研修後のフォローアップも重要な取り組みの一つです。例えば、研修内容を要約した資料を定期的に配信したり、実践状況を報告しあう場を設けたり、産業医や保健師との個別面談の機会を提供するなどの施策が考えられます。継続的な働きかけが、学んだ内容の実践や継続を支援することにつながります。

効果測定を行い継続的な改善につなげる

研修の効果を客観的に評価し、次の施策に活かす視点も重要です。研修直後のアンケートで満足度や理解度を測るだけでなく、一定期間後にストレスチェックの結果や健康診断の数値、残業時間、休職率などの指標がどう変化したかを検証します。この効果測定(PDCAサイクル)を通じて、研修プログラムの内容を常により良いものへと改善していくことが、健康経営を継続的に推進するための重要な取り組みといえます。

まとめ

本記事では、健康経営における研修の重要性から、具体的な種類、選び方、そして効果を最大化するためのコツまでを解説しました。研修は、従業員の健康に関する理解を深め、健康経営の取り組みを社内に浸透させるための施策の一つです。自社の課題を明確にし、目的に合った研修を戦略的に実施することで、健康経営の推進に向けた取り組みに役立ててみてはいかがでしょうか。

健康経営研修を検討する際は、自社の課題や対象者に合わせてテーマや研修形式を選ぶことが重要です。
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