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更年期症状の対策とは?症状の原因からセルフケア・治療法まで解説

2026.09.24

最近、理由もなくイライラしたり、急に顔がほてったり、疲れやすくなったりと、これまでとは違う体や心の変化を感じていませんか。こうした不調は、更年期によるホルモンバランスの変化が関係している可能性があります。更年期は多くの女性が経験する自然なライフステージですが、症状の程度には個人差があり、日常生活に影響を及ぼすこともあります。この記事では、更年期症状の原因やセルフチェックのポイントをはじめ、食事や運動によるセルフケア、医療機関で受けられる治療法までわかりやすく解説します。ご自身に合った対策を見つけ、無理なく更年期と付き合うための参考にしてください。

もしかして更年期?まずは症状をセルフチェック

更年期とは、一般的に閉経を迎える前後の約10年間を指します。日本人女性の平均閉経年齢は約50歳なので、多くの方が40代半ばから50代半ばにかけてこの時期を迎えます。この時期に現れるさまざまな心身の不調を「更年期症状」と呼び、中でも症状が重く日常生活に影響が出る状態を「更年期障害」といいます。まずは、ご自身の心と体のサインに耳を傾けてみましょう。ただし、同様の症状は他の病気でも起こるため、気になる症状が続く場合は医療機関へ相談しましょう。

体に現れるサイン:ホットフラッシュや肩こり

更年期症状として最もよく知られているのが、血管運動神経系の症状です。急に顔がカッと熱くなったり、のぼせたりする「ホットフラッシュ」や、それに伴う大量の発汗は代表的なものです。また、自律神経の乱れから、動悸や息切れ、めまいを感じることもあります。その他にも、肩こりや腰痛、関節痛、手足のしびれといった運動器系の症状や、疲労感、だるさなど、全身にさまざまな不調が現れることがあります。また、症状が複数同時に現れることも少なくありません。

症状の種類 具体的な症状例
血管運動神経系の症状 ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ)、発汗、動悸、息切れ、冷え
身体的症状 肩こり、腰痛、関節痛、疲労感、頭痛、めまい
皮膚・分泌系の症状 皮膚の乾燥、かゆみ、ドライアイ、ドライマウス
泌尿器・生殖器系の症状 頻尿、腟の乾燥感など

心に現れるサイン:イライラや気分の落ち込み

体の不調だけでなく、心の変化も更年期症状の特徴です。わけもなくイライラしたり、不安な気持ちになったり、これまで楽しめていたことが楽しめなくなるといった気分の落ち込みを感じることがあります。また、集中力や意欲が低下したり、眠りが浅くなったり、寝付けなくなったりする不眠の症状に悩まされる人も少なくありません。これらの精神的な症状は、ホルモンバランスの変化やストレスなど複数の要因が関係していると考えられています。

症状の現れ方には個人差があることを理解する

更年期の症状は、その種類も程度も非常に個人差が大きいのが特徴です。ほとんど症状を感じずに過ごす人もいれば、複数の重い症状に悩まされ、仕事や家事が手につかなくなる人もいます。症状が軽いからといって我慢したり、重いからといって一人で抱え込んだりする必要はありません。大切なのは、自分の心と体の変化を正しく理解し、適切な対策をとることです。周りの人と比べるのではなく、ご自身の状態に合ったケアを見つけていきましょう。
では、なぜこのような症状が起こるのでしょうか。次に、更年期症状の主な原因について見ていきましょう。
また、更年期症状が気になる場合は、厚生労働省研究班が監修する「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」の更年期障害セルフチェックを活用するのも一つの方法です。現在の症状の程度を確認する目安になります。ただし、セルフチェックは診断ではないため、気になる症状が続く場合は医療機関に相談しましょう。

出典:女性の健康推進室 ヘルスケアラボ(厚生労働省事業・研究班監修)「更年期障害チェック」

なぜ更年期の症状は起こるのか?主な3つの原因

どうして更年期になると、これほど多様な心身の不調が現れるのでしょうか。その背景には、大きく分けて3つの原因が複雑に絡み合っています。原因を理解することで、対策への理解も深まります。
更年期症状は、女性ホルモン(エストロゲン)の変化だけでなく、自律神経や心理的・社会的要因などが複雑に関係して現れると考えられています。ここでは、更年期にさまざまな不調が起こる主な原因について解説します。

原因1:女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少

更年期症状にはさまざまな要因が関係しますが、その中心となるのが、卵巣機能の低下による女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量が急激に減少することです。エストロゲンは、月経や妊娠と深く関わっているだけでなく、自律神経の働きを安定させたり、骨や血管、皮膚の健康を保つなど、女性の心と体を守るために重要な役割を担っています。このエストロゲンが閉経に向けて急激に減少することで、これまで保たれていた体のバランスが崩れ、さまざまな不調につながると考えられています。

原因2:女性ホルモン(エストロゲン)の変動による影響

エストロゲンの分泌は、脳の中にある「視床下部」と「下垂体」、そして「卵巣」が互いに連携して調節しています。この仕組みは医学的に「視床下部・下垂体・卵巣系」と呼ばれます。更年期には卵巣機能が低下するため、この調節機構のバランスが変化し、エストロゲンの分泌量が大きく変動しながら減少します。その結果、ほてりやのぼせ、発汗(ホットフラッシュ)などの症状が現れやすくなると考えられています。

参考情報:
日本産科婦人科学会(一般向け解説)「更年期障害」
日本産婦人科医会(専門家向け解説)「(1)更年期障害の検査・診断」
日本産婦人科医会(病態解説)「2. 更年期障害の起こるメカニズムとは?」

原因3:仕事や家庭環境による心理的ストレス

更年期を迎える40代から50代は、女性にとってライフイベントが重なりやすい時期でもあります。子どもの独立や受験、親の介護、自身のキャリアの変化、夫婦関係の問題など、さまざまな環境の変化がストレスとなることがあります。このような心理的・社会的な要因が、ホルモンバランスの乱れによる心身の不調と相まって、更年期の症状をさらに悪化させてしまうことがあります。もともとの性格や気質も、症状の現れ方に影響を与える一因とされています。そのため、更年期症状への対策では、体のケアだけでなくストレスマネジメントも重要とされています。

今日から始められる!自分でできる更年期症状への対策(セルフケア)

つらい更年期症状も、日々の生活習慣を見直すことで和らげることが期待できます。まずは、ご自身のペースで無理なく取り組めるセルフケアから始めてみましょう。

食生活の見直し:大豆製品を積極的に摂取する

バランスの取れた食事は、健康な心と体を作る基本です。特に更年期の女性に積極的に摂ってほしいのが、大豆製品です。大豆に含まれる「大豆イソフラボン」は、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすることが知られています。また、大豆イソフラボンは腸内細菌の働きによって「エクオール」という成分に変換される場合があります。エクオールは、女性の健康維持との関連が研究されている成分です。更年期世代の健康管理を目的として活用されることもあります。納豆や豆腐、豆乳などを毎日の食事に意識して取り入れましょう。

おすすめの栄養素 含まれる食品例 期待される効果
大豆イソフラボン 納豆、豆腐、味噌、豆乳 女性ホルモン様作用、骨粗しょう症予防
カルシウム 牛乳、ヨーグルト、小魚、緑黄色野菜 骨の健康維持
ビタミンD きのこ類、魚類、卵 カルシウムの吸収を助ける
ビタミンE ナッツ類、アボカド、植物油 血行促進、自律神経の調整

適度な運動の習慣化:ウォーキングから始める

適度な運動は、血行を促進し、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。また、気分転換やストレス解消にも効果的です。激しい運動である必要はなく、ウォーキングやヨガ、ストレッチなど、心地よいと感じるものを続けることが大切です。まずは1日10分からでも良いので、体を動かす習慣をつけましょう。運動習慣は骨の健康維持にも役立つとされているため、更年期以降にリスクが高まる骨粗しょう症の予防にもつながります。

質の高い睡眠を確保するための工夫

不眠も更年期の症状によく見られる症状の一つです。質の良い睡眠は、心と体の疲れを回復させ、心身の健康維持に欠かせません。毎日なるべく同じ時間に寝て同じ時間に起きる、寝る前のスマートフォンやパソコンの使用を控える、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かるなど、リラックスして眠りにつける環境を整えましょう。日中に適度な運動をすることも、快適な睡眠につながります。

心を整えるリラックス法を見つける

ストレスは更年期の症状を悪化させる要因の一つです。忙しい毎日の中でも、意識的に心と体を休ませる時間を作りましょう。好きな音楽を聴く、アロマオイルの香りを楽しむ、ゆっくりと深呼吸をする、趣味に没頭するなど、ご自身に合ったリラックス法を見つけることが大切です。誰かに話を聞いてもらうだけでも、心が軽くなることがあります。信頼できる家族や友人とコミュニケーションをとる時間も大切にしてください。ストレスを完全になくそうとするのではなく、自分なりの発散方法を見つけることが大切です。

更年期症状の対策に役立つサプリメントの活用

食事だけで必要な栄養素を補うのが難しい場合は、サプリメントを利用するのも一つの方法です。特に、大豆イソフラボンから体内で作られる「エクオール」は、作れる人と作れない人がいることがわかっています。エクオールを含むサプリメントは、更年期世代の女性向け製品として販売されています。利用を検討する場合は、医師や薬剤師に相談のうえ、自身に合ったものを選びましょう。その他にも、ビタミンやミネラルなど、ご自身の食生活で不足しがちな栄養素を補うサプリメントもあります。利用する際は、製品の表示をよく確認し、かかりつけ医や薬剤師に相談するとより安心です。
サプリメントは医薬品ではなく、症状の診断や治療を目的としたものではありません。基本はバランスの良い食事を心がけ、必要に応じて補助的に活用しましょう。

症状がつらい時は我慢しないで!医療機関での対策

セルフケアを試しても症状が改善しない場合や、日常生活に支障が出るほどつらい場合は、我慢せずに婦人科などの医療機関を受診しましょう。専門家による適切な治療を受けることで、症状が大きく改善することがあります。

ホルモン補充療法(HRT)のメリットと注意点

ホルモン補充療法(HRT:Hormone Replacement Therapy)は、減少したエストロゲンを薬で補う治療法で、更年期症状の改善を目的として行われる治療法です。ほてりや発汗、動悸などの症状の改善が期待されています。飲み薬や貼り薬、塗り薬など様々なタイプがあり、個人の症状や体質に合わせて処方されます。ただし、乳がんや子宮体がんの既往歴がある方や、血栓症のリスクが高い方など、HRTを受けられない場合もあるため、必ず医師とよく相談することが重要です。

体質に合わせて選ぶ漢方薬という選択肢

漢方薬は、心と体のバランスの乱れを全体的に整えることを目的として用いられる治療法です。更年期障害の治療にも広く用いられており、個人の体質(証)や症状に合わせて処方されます。例えば、冷えや貧血傾向がある人には「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」、イライラやほてりが強い人には「加味逍遙散(かみしょうようさん)」などが代表的です。ホルモン補充療法に抵抗がある方や、複数の症状に悩んでいる方にとって、良い選択肢となることがあります。

心の不調には向精神薬が用いられることも

イライラや気分の落ち込み、不眠といった精神的な症状が特に強い場合には、抗うつ薬や抗不安薬などの向精神薬が処方されることもあります。これらの薬は、脳内の神経伝達物質に作用し、抑うつや不安、不眠などの症状の改善を目的として使用されます。「精神科の薬」と聞くと抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、更年期障害の治療の一環として婦人科でも処方されることがあります。医師の指導のもとで正しく使用すれば、QOL(生活の質)の向上につながる場合があります。

治療法 概要 主な対象症状
ホルモン補充療法(HRT) 減少した女性ホルモンを薬で補充する ホットフラッシュ、発汗、動悸
漢方療法 生薬の力で心と体のバランスを整える 冷え、めまい、イライラ、疲労感など多岐にわたる
向精神薬 抗うつ薬や抗不安薬で心の症状を和らげる 抑うつ、不安感、不眠、イライラ

更年期との上手な付き合い方と今後の健康のために

更年期はこれからの健康について見直すきっかけにもなる時期です。正しい知識を持ち、適切に対処することで、この時期を前向きに乗り越えることができます。

一人で抱え込まず専門医に相談する重要性

更年期の症状は、本人にしかわからないつらさがあります。「このくらいで病院に行くのは大げさかもしれない」「年齢のせいだから仕方ない」と一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。しかし、つらい症状を我慢する必要は全くありません。婦人科では更年期に関する相談や治療が行われています。あなたの悩みに寄り添い、最適な対策を一緒に考えてくれます。また、症状の裏に別の病気が隠れている可能性もあるため、自己判断せずに一度専門医に相談することが大切です。

更年期以降に気をつけたい病気と予防

女性ホルモンのエストロゲンには、血管のしなやかさを保ったり、内臓脂肪の蓄積を抑えたり、骨密度を維持したりする働きがあります。そのため、エストロゲンが減少する更年期以降は、脂質異常症や高血圧、動脈硬化といった生活習慣病や、骨がもろくなる骨粗しょう症のリスクが高まります。更年期を機に、食生活や運動習慣を見直し、定期的に健康診断を受けることが、その後の人生を健康に過ごすための鍵となります。

まとめ

更年期は、多くの女性が経験する心と体の転換期です。つらい症状に悩むこともありますが、それは決してあなた一人だけの問題ではありません。まずはご自身の体の声に耳を傾け、食事や運動といったセルフケアから始めてみましょう。それでも症状がつらい時は、我慢せずに専門医に相談し、ホルモン補充療法や漢方薬といった適切な治療やサポートを受けることが、症状との付き合い方を見つける助けになります。この時期を上手に乗り越え、これからの人生をさらに輝かせるためのステップにしてください。

監修医

profile

佐藤 綾華(さとう あやか)

北海道大学医学部医学科卒業
石巻赤十字病院初期研修修了
東北大学医学部産科婦人科入局
宮城県内の総合病院で産婦人科診療に従事し、産婦人科専門医を取得

お役立ち情報:
厚生労働省研究班監修「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」
厚生労働省「女性の健康づくり」
厚生労働省委託事業「働く女性の心とからだの応援サイト」

更年期の症状や対策について正しく理解していても、「何から始めればよいかわからない」「一人で対策を続けるのが難しい」と感じる方もいるでしょう。そのような場合は、専門家が監修する健康管理サービスやセミナーを活用するのも一つの方法です。
あすか製薬では、更年期を含む女性の健康課題や健康経営の推進を支援するさまざまなソリューションを提供しています。正しい知識の習得やセルフケアのきっかけづくり、管理職の理解促進などを通じて、従業員が健康について考え、行動につなげるサポートを行っています。健康管理や更年期対策について詳しく知りたい方は、ぜひ関連サービスもご覧ください。

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