くるみんマークは、厚生労働省が認定する「次世代育成支援対策推進法」に基づく制度です。仕事と子育ての両立を支援する企業を評価し、社会全体で子育てを支える環境を広げる目的で設けられました。
子育てサポート企業として、厚生労働大臣(都道府県労働局長へ委任)の認定を受けると「くるみんマーク」を使用することができます。
くるみんマークには、基準に応じて4つのマークが存在します。
以下では、それぞれの特徴について説明します。
出典:「次世代育成支援対策推進法関係パンフレット」(厚生労働省)(2024年12月27日利用)
出典:厚生労働省ホームページ:くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて
子育て支援に取り組む企業が、「次世代育成支援対策推進法」に基づく行動計画を策定し、その行動計画に定めた目標を達成するなど、一定の要件を満たした場合に取得できる基本のマークです。
マークの色は淡いピンクのおくるみ1種類となっています。
また、この認定を受けると、より高い水準が求められるプラチナくるみん認定の申請が可能となります。
出典:厚生労働省ホームページ:くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて
令和4年4月からスタートした認定制度となっています。
くるみん認定の要件を満たしていない場合でも、計画達成に向けた挑戦を明確にしている企業に付与されるマークです。10項目中4項目はくるみんマークと同じ認定基準を設けていますが、残りの6項目が異なります。
また、くるみん認定と同様、トライくるみん認定を受けると、プラチナくるみんの申請をすることができます。
出典:厚生労働省ホームページ:くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて
「プラチナくるみんマーク」は、くるみんマークよりも高い基準をクリアした企業に付与されるマークです。
くるみんマーク又はトライくるみんマーク認定をされた企業のなかで、より高い水準のサポートなどを実施した企業が、一定の要件を満たした場合に申請が可能で、優良な「子育てサポート」企業として厚生労働大臣(都道府県労働局長へ委任)の特例認定マークである「プラチナくるみん」認定を受けることができます。
プラチナくるみんマークは12色の種類があり認定された企業は、いずれも使用が可能です。
くるみんプラスマークは不妊治療と仕事の両立を支援する取り組みを実施している企業に付与される新しいマークです。
認定を受けるためには、前述した3つのくるみんマークの認定基準に加えて、4項目のプラス認定基準を満たす必要があります。
くるみんマークの認定企業数は2024年時点で4,500社を超えており2007年の認定開始時期と比較すると、10倍以上になっています。年々右肩上がりに認定企業数が増加してきています。
厚生労働省:くるみん認定【令和6年10月末時点】全国版(Excel形式)を加工して作成
これは子育て支援に積極的な企業が、社会的に評価される流れが広がっているとも捉えられます。
くるみんマークの認定企業数は増加していますが、基準にはどのようなものがあるでしょうか。以下では認定企業になるための項目について解説します。
企業は以下に記載する、10項目にわたる基準を満たす必要があります。
認定基準
引用元
厚生労働省:次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、くるみん認定・トライくるみん認定・プラチナくるみん認定を目指しましょう!!!
プラチナくるみん認定を受けるためには、事前にくるみん認定又はトライくるみん認定を受けている必要があります。
プラチナくるみんでは12項目の基準を満たす必要があります。そのうち、7項目はくるみん認定の基準(1~4、7、8、10)と同じですが、残りの5項目については独自の認定基準となります。
主に、育児とキャリアの両立を支援する新しい制度の導入や、高いレベルでの雇用管理の改善が求められる内容になります。
ここまで厚生労働省が認定する、くるみんマークの種類・取得基準について説明しましたが、認定企業になるメリットには具体的にどのようなことがあるのでしょうか。
認定企業として、くるみんマークを名刺や求人広告などにつけることで、子育てサポート企業であることをPRできます。その結果、対外的にも子育て支援の手厚い企業として、社会的なイメージアップにつながります。
また、認定企業は国や地方自治体などの公的機関が民間企業や団体から購入する公共調達においても加点評価となり有利になります。
くるみんマークの効果によって子育て支援企業として認識され、若い世代や育児中の人々から「働きやすい会社」としての企業価値が生まれます。これにより優秀な人材の採用や従業員の定着率向上が期待できます。
認定を受けた企業は、育児休業や職場環境改善、代替社員の雇用などに関するさまざまな経費に対して助成金を受け取ることができます。助成金を受けることで、社員が子育てをしやすい環境が整備され、満足度の向上から、女性が「働きたい」と思える職場になる、職場の多様性が高まるという効果が期待できます。
くるみん認定企業として、女性の働きやすさと男性の育児参加を支援していくことで女性特有の健康不安や心理的負担が軽減されます。女性の健康や生活の質を向上させるために「フェムテック」を積極的に導入し活用していくことも他の企業へのロールモデルとなります。ここでは「フェムテック」について考えていきます。
フェムテックは女性が抱く健康不安やライフスタイルの悩みをテクノロジーで解決する商品やサービスのことを指します。女性(Female)とテクノロジー(Technology)をかけ合わせてその名前Femtechが付けられました。
フェムテックは生理や妊娠・更年期・不妊治療・骨盤ケアなど幅広いテーマを対象にしています。
くるみん認定とフェムテックは一見異なる取り組みのように見えますが、どちらも女性の健康や生活の質を向上させることを目指しています。現代社会においてもフェムテックを積極的に取り入れていく意識が高まりつつあります。
職場にフェムテックを導入することで、女性従業員の健康維持や仕事への集中度向上が期待できます。
例えば、
など、様々な商品やサービスが挙げられます。
フェムテックによって「フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金」という助成金に申請をすることができます。※くるみん助成金ポータルサイト
これらの補助金により、働く女性が抱える課題を解決し、ライフステージに応じたキャリア形成をサポートすることができます。またフェムテックが広がることで女性に対するサポートが手厚くなり性別や健康状態に左右されない公平な職場環境が実現するでしょう。
くるみんマーク認定は、子育て支援に積極的な企業を評価するだけでなく、働きやすい社会の実現にも寄与します。さらにフェムテックの導入と組み合わせることで、女性の健康やライフステージに配慮した企業づくりが可能です。くるみん認定の申請、フェムテックの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
監修者
大迫 鑑顕
千葉大学大学院医学研究院精神医学 特任助教
Bellvitge University Hospital, Barcelona, Spain
医学博士、精神保健指定医、日本精神神経学会認定精神科専門医・指導医、日本医師会認定産業医、公認心理師
あすか製薬 フェムナレッジでは、女性従業員の活躍を推進するサービスを導入したい企業の皆さまや今後女性特有の健康課題に関する取り組みを検討されている企業の皆さま向けに動画研修サービスをご提供しております。
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