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産婦人科の受診について、
どのようなイメージをお持ちですか?
相談したいことがあっても、
「妊娠していないのに行くのは変かな」
「恥ずかしい」「なんだか不安…」と
感じている方もいるかもしれません。
そこでMint+では、年齢やライフステージの異なる
15名の女性にご参加いただき、
「産婦人科受診」をテーマに座談会を実施しました。
この記事では、座談会でのリアルな声から、
受診にまつわる心の葛藤や、
不安を和らげるヒントを紐解いていきます。
監修:慶應義塾大学名誉教授 吉村𣳾典先生
座談会の実施概要
■ 実施時期:
2025年2月5日(水)~3月25日(火)までの
期間に全4回
■ 参加者の属性:
20~30代、異なるライフステージの女性(15名)
健康管理の方法はさまざまで、「基礎体温や体調を手帳やアプリに記録する」「在宅勤務の運動不足を補うために散歩やウォーキングを心がける」などの具体的な工夫が挙がっています。
特にPMSや月経痛(生理痛)などの不調を予測し、予定を詰めすぎないよう調整するという声が多く、「スマホのアプリで周期を管理して自分自身の体調の悪い時期を予測し、スケジュールの入れ方に気をつけている」「月経(生理)の1週間前くらいからは、人と会う予定をなるべく控える」といった工夫も。
また、「女性が快適に過ごせる時期は1ヵ月のうち1週間くらい」と思うようにして、自分を責めすぎずに無理しないよう意識しているという声もありました。
女性ホルモンの影響を理解し、受けとめることで、精神面でのセルフケアにもつながっているようです。
無理のない範囲で、自分に合った方法を取り入れながら、日々の体調と上手に付き合っている様子が伝わってきました。
若年層では、YouTubeや漫画、SNSなど視覚的にわかりやすいコンテンツを好む傾向があり、「文字が多いと疲れる」「ぎゅっと要点がまとまっている方がいい」といった声も聞かれました。
一方、30代以降では、インターネットで、医師監修の記事や病院、製薬会社のサイトを参照するなど、信頼性を重視する姿勢が目立ちました。情報を鵜呑みにせず、複数の情報を比較して共通点を探したり、医療関係者の発信かどうかを確認したりと、情報を精査する方も多くいました。

そうした不安から、受診の際はWebでの口コミを参考にするケースが多いようです。
しかし、実際に受診した人からは「一般的な病院と変わらず、診察してくれた」「きちんと話を聞いてくれて安心した」という声もあり、受診を機にイメージが大きく変わったという例もありました。
また、「知り合いに会うかもしれないから、少し遠くの場所の産婦人科を選ぶ」といった声もあり、医療機関の選び方に、産婦人科ならではの心理的なハードルが表れている様子も見受けられました。

「出血や痛みなどの異変があった」「職場の健康診断で子宮筋腫が見つかり、精密検査を受けた」など、体調の変化や健康診断をきっかけに受診した人もいます。また、他の診療科を受診した際に、産婦人科に行くよう勧められたこともきっかけになっているようです。
一方で、「費用がわかりにくい」「自由診療の範囲がよく分からず不安」といった情報不足による戸惑いや、「口コミで悪い書き込みを見て不安になった」など、予約前の心理的ハードルを挙げる声もありました。

しかし、医師の丁寧な対応や施設の雰囲気によって、印象が大きく変わったという声も多く聞かれました。たとえば、「優しく寄り添ってくれる医師に出会えたことで安心できた」「リラックスできる設備や空間が緊張をほぐしてくれた」といった体験談が挙げられました。
なかには、子宮体がん検査の際に医師が痛みに配慮し、「無理だったら言ってください」と声をかけ続けてくれたケースもありました。最終的に「今日はやめましょう」と検査が中止となり、「やらなきゃいけないと思っていた検査にも、無理しないという選択肢があるのだと知り、自分の感覚が尊重されることの大切さに気づけた」という声が語られました。
心理的なハードルを下げる要因の一つとして、「どんな服で行けばいいのか」「診察では具体的にどんなことをするのか」「内診があるかどうか」など、受診前に診療内容や当日の流れを把握できると安心できるという意見が多く聞かれました。特に初めて受診する場合は、そうした情報があるかどうかで心理的な負担が大きく変わるようです。
また、受診の一歩手前で気軽に相談できる場所やツールの存在が、通院への後押しになるという声もありました。
院内の雰囲気やプライバシーへの配慮、待合室での過ごしやすさなど、環境そのものが受診のしやすさに大きく関係していることも見えてきました。

母親とは、月経(生理)や検診について中高生の頃から自然に話していたという声が多く聞かれましたが、友人や同僚とは月経痛(生理痛)やPMSなどの軽めの話題にとどまり、具体的な治療や受診経験までは踏み込みづらい傾向が見られました。
一方で、「月経痛(生理痛)に対してどんな対応をしているか」「薬を処方してもらった」「不妊治療を考えている」など、カラダに関する選択肢について悩みを率直に語り合える友人の存在もありました。
テレビやSNSなどで産婦人科の話題を目にする機会が増えたことや、オンライン診療の広がりなどが、こうした会話のハードルを下げているのではないか、という声も聞かれました。
また、出産経験の有無によっても話題の内容は変化し、妊娠・出産を経験した友人同士では、産院選びや産後の体調管理など、より実践的な情報交換が行われることもあるようです。
職場での声かけや乳がん啓発月間のような活動をきっかけに、婦人科検診を受けたという人もいました。

産婦人科を受診することには、不安や戸惑いを抱く人がまだまだ少なくありません。
でも、どんな施設なのかを知ったり、身近な人の経験を聞いたりすることで、不安が少しずつ取り除かれていくのかもしれません。寄せられた声には、そんな“気づき”や“安心”のきっかけがたくさんありました。
「なんとなく不安」「行きづらい」と感じている方にとって、このコラムがほんの少しでも背中を押す一歩になれば嬉しいです。
産婦人科って、特別なときだけ
じゃなくても行っていいんだよ。
些細なことでも気になることがあったら、
先生に相談してみようね。

