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2026.06.28
あすか製薬は2026年6月28日、「Mint+ Meeting 〜今、この瞬間が未来をはぐくむ〜」を開催しました。前日まで台風が接近しており、天候が心配されるなかでの開催となりましたが、当日はプレママ・プレパパをはじめ、これから妊娠・出産・子育てを迎える方々にご参加いただきました。「知ることは、自分を守ること。」——あすか製薬が運営する「女性のための健康ラボ Mint+」のこのコンセプトのもと、妊娠中に女性のカラダに起こる“目に見えない変化”と、パートナーとの向き合い方について考える時間をご提供しました。


ゲストにお迎えしたのは、産婦人科医で長崎大学病院 産婦人科 病院教授の長谷川ゆり先生と、看護師・助産師であり、すみれ出張専門助産院代表の坂田陽子先生のお二人です。
女性のカラダや妊娠・出産に関する診療をする医師で、検査や治療など、医学的なサポートを担う専門家である産婦人科医と、妊娠・出産・産後のケアに加え、女性のライフステージに寄り添いながら、心身のサポートや日常的な相談対応を行う専門職である助産師。どちらも、女性と赤ちゃんの健康を支える大切な存在ですが、役割や専門性が異なります。


今回のイベントでは、医師として大学病院で多くの妊婦さんと向き合う長谷川先生と、助産師として延べ3,000人以上の母児のケアに携わってきた坂田先生、それぞれのお立場から妊娠期のカラダと心について語っていただきました。
国立大学法人 長崎大学病院 産婦人科 病院教授。2001年、防衛医科大学校卒業後、産婦人科医として経験を積む。長崎大学産婦人科 助教、准教授などを経て、2016年には医学博士を取得。2025年より現職を務める。
すみれ出張専門助産院代表。葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院のNICU・産婦人科に勤務し、延べ3,000人以上の母児のケアを行う。その後、都内の産婦人科病院で師長を経験。現在は東京で「すみれ出張専門助産院」を開業している。

前半はお二人から、妊娠期の女性のカラダや気持ちの変化についてのトークセッションがありました。
妊娠後、さまざまな変化の中で、長谷川先生がまず挙げたのは「つわり」です。「少し気持ちが悪くなる程度の方から、何度も嘔吐(おうと)を繰り返して入院が必要になる方まで、本当に個人差が大きい」とのことで、1人目のときと2人目のときで状態が異なるケースも珍しくありません。つわりが重くなると妊娠悪阻(おそ)という病名がつくこともあります。かつて、つわりは「気持ちの問題」「根性で乗り切るもの」といわれた時代もありましたが、「決してそういうものではありません」と長谷川先生はおっしゃいます。同じく妊娠中に起こりやすい貧血や便秘にも言及し、「見た目からはつらさが見えにくいので、つらいときは遠慮せず言葉にして周囲に伝えてほしい」と呼びかけました。


また、初産婦では感覚をつかむのが難しいことも多い「お腹の張り」についても詳しい説明がありました。チェックすべきポイントは「キューッと硬くなっているかどうか」と「痛みの有無」だそう。週数が早いうちは、気づきづらいこともあるようですが、「痛みを伴う張りは、週数に関わらず必ず受診してください」と、受診の目安についても説明いただきました。
坂田先生からは、気持ちの面で起こりやすい変化についてお話がありました。妊娠中はホルモンバランスが変化し、「うれしさと不安が入り混じる時期」です。そのため、「体調だけでなく気持ちの不安定さを、そばで支える人にこそ理解してもらえるとうれしい」と、妊婦さんの気持ちを代弁するようなアドバイスをいただきました。


さらに坂田先生は、主にパートナーに向けて「ふと発した何げない一言が妊婦さんの心にひっかかることも少なくない」という注意も伝えます。悪気がなくても相手を傷つけてしまうことは、日常でもたびたび見られますが、気持ちが不安定になりやすい妊娠中は、一層気をつけておきたいものです。そのための大事なポイントとして坂田先生が伝えてくれたのが、「パートナーのほうから歩み寄って、声をかけてほしい」ということ。
妊婦さんが求めていることは、一人ひとり違います。つらそうなときに家事を進んで引き受けてほしい人もいれば、ただ話を聞いてほしい人も。だからこそ、よかれと思って先回りするのではなく、「まずは相手の声に耳を傾けることから始めてほしい」と坂田先生はアドバイスします。「自分の気持ちに寄り添おうとしてくれる姿勢そのものが、妊婦さんにとっては何よりの心の支えになります。日々のコミュニケーションを大切にしながら、メンタル面でもサポートしてあげてください」。


後半は、参加者が匿名で寄せたリアルな疑問に、長谷川先生、坂田先生のお二人から答えていただきました。その一部をご紹介します。
坂田先生:
昨今の日本の女性は、どちらかというとやせ型の方が多くなっています。そのため、妊娠中はしっかり必要な体重を増やしましょうというのが、現状の考え方です。増えすぎが気になるときには、食生活を書き出して助産師や管理栄養士と一緒に見てもらうとよいでしょう。産後については、「体重を早く産前同様に戻したい」という声をよく聞きますが、妊娠中に10ヵ月かけて増えた体重を、たった産後1~2ヵ月で元に戻すのは困難です。まずは半年ほどかけて、ゆっくりと戻していきましょう。
長谷川先生:
「小さく産んで大きく育てましょう」といわれ、妊娠中の体重管理を厳しくしていた時期もありましたが、今は妊娠中、必要な分の体重はきちんと増やしましょうという方針に変わっています。適切な体重増加の目安は人によって違うので、ぜひ健診で相談してください。
坂田先生:
まだ職場へ妊娠の報告をしていないことも多い妊娠初期は、周囲への伝え方に悩みますよね。まずは「少し動いただけで疲れやすい」など、差し支えない範囲で体調を説明してみるのも一つの方法です。また、同僚の全員ではなく、上司や管理者といった特定の方にだけでも事前に共有しておくことで、より安心して業務に取り組めるようになると思います。
長谷川先生:
妊娠に伴う体調の変化は、実はお腹が目立たない時期が一番大変です。それなのに、外見からは伝わりにくいため、周囲から配慮されにくいという側面があります。だからこそ、私たち医療従事者からの啓発も必要だと感じています。健診にパートナーが来られたときには、医師から「この時期が意外ときついんですよ」とお伝えするようにしています。
長谷川先生:
胎動に「いつもと違う」「少ない」といった変化を感じたときは、ためらわずにすぐかかりつけの産婦人科へご連絡ください。私たち医療従事者にとって、「胎動の変化」はもっとも注意深く見守るべき重要なサインの一つであり、「いつもより少ない気がする」というお声を聞くと、一気に緊張が走ります。そのため、時間帯を問わず、異変を感じたらすぐに相談してください。診察をして結果的に何事もなければ、それが何より一番安心できることですから。
坂田先生:
ぜひ積極的に利用してください。産後ケアは、産後の経過が順調な場合であっても受けることができます。特別な問題がなくても、すべてのママに活用してほしい制度です。カラダの回復を促すサポートになることはもちろん、初めてのことばかりで不安な育児において、助産師やサポーターが寄り添って手伝ってくれることで、たくさんの学びや気づきが得られますよ。
長谷川先生:
出産後は、自分では自覚していなくても必ず心身に疲れがたまっているものです。初めての育児なら張り詰めた緊張感がありますし、2人目以降であれば上の子のお世話も同時にこなさなければなりません。「利用できるサポートはすべて頼る」というくらいの心構えで、決して無理をしないでくださいね。
このほか、会場からは、無痛分娩(ぶんべん)についての質問も挙げられました。無痛分娩は、麻酔を使ってお産に伴う痛みをやわらげる方法の一つです。近年は無痛分娩を希望する方が増えており、対応している施設では早めの予約が必要なこともあるそうです。先生方からは「対応や方針は産院によって異なるため、ご希望がある場合は、まずはかかりつけの産院に相談してみてください」と説明がありました。


イベントの最後に、お二人からメッセージをいただきました。
長谷川先生は、「今日お伝えした内容は、まだほんの一部にすぎません」と語り、身近な産婦人科をもっと気軽に頼ってほしいと呼びかけました。「多くの医師は、疑問や不安を投げかければ誠実に向き合ってくれます。以前に比べ、患者さんの気持ちに寄り添う診療も広く定着してきました。産婦人科は、妊娠や出産のときだけが役割ではありません。その後の人生や、年齢を重ねる中で生じる心身の不調まで、女性の生涯全体を支えるのが本来の姿です。どんな小さな悩みでも、どうぞ気負わずに足を運んでください」。
続いて、坂田先生は、「産後を見据えた事前の備え」がいかに大切であるかを、あらためて強調しました。「産後は、育児にかかりっきりになり、想像している以上に心身のゆとりを失ってしまいがちです。後になって振り返ったときに、『最初の数ヵ月間の出来事をほとんど覚えていない』という声もよく耳にします。だからこそ、心とカラダにまだ余裕がある妊娠期間のうちに、いざというときに頼れる人や利用できる子育て支援制度をしっかりと確認し、準備を整えていただきたいのです。誕生したばかりの赤ちゃんは本当に小さく、かけがえのない、いとおしい存在です。ぜひ周囲のサポートを遠慮なく受け入れながら、大切な時間を心ゆくまで味わって過ごしてください」。
不安をやわらげるための確かな第一歩、それは“知ること”から始まります。私たちは、医師や専門家の監修のもと、妊娠・出産・子育てに関する信頼できる情報を発信し続けていきます。今、この場所での小さな対話の積み重ねが、これから始まる皆さんの毎日を、少しでもやさしく包み込んでくれることを願っています。
パパの“ほんね”も、
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「Mint+ Hug」では、パパ向けコラム『パパたちのリアル白書』を公開中。“先輩パパ・ママ”たちへのアンケートをもとに、妊娠期・出産・乳児期・幼児期それぞれのタイミングで、パートナーに対して「やってよかったこと」「もっとできたかもしれないこと」をランキング形式でまとめています。パパだけでなく、ママのほんねもこっそり収録。お互いを知り、二人で子育てをしていくヒントに、ぜひご覧ください。