にゅうがんについて

どんな病気?

乳がんは、乳腺の組織にできるがんです。
どの年代にも発症する可能性があり、30代から40代にかけて発症率が高まります。日本人女性の9人に1人は乳がんを発症すると言われており、女性が罹患する確率が最も高いがんです。また、男性が乳がんになることもあります(乳がん全体の約1%)。
遺伝により発症する遺伝性乳がんというタイプもあり、乳がん全体の10%弱を占めています。
5年生存率は92.3%(※1)、10年生存率は79.3%(※2)と報告されています。

※1:全国がん罹患モニタリング集計 2009-2011年生存率報告(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター, 2020)
独立行政法人国立がん研究センターがん研究開発費「地域がん登録精度向上と活用に関する研究」平成22年度報告書

※2:Long-term survival and conditional survival of cancer patients in Japan using population-based cancer registry data.
Cancer Science 2014; 105: 1480-6

遺伝性乳がんとは?

遺伝性乳がんとは?

乳がんを発症する方のうち、10%弱は発症に遺伝が関与する「遺伝性乳がん」であり、さらにその半数は「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」であるといわれています。
HBOCとは、乳がんや卵巣がん、卵管がん、腹膜がんを発症しやすい体質であることを意味します。この体質は女性だけのものではなく、男性でも乳がんや前立腺がんを発症しやすくなります。
家族が乳がんや卵巣がん、男性乳がんを患っている方、複数回乳がんと診断された方、60歳以下で「トリプルネガティブ乳がん」と診断された方などは、HBOCの可能性が高まるとされています。
気になった方は、乳腺専門医や産婦人科医にご相談ください。

厚生労働省研究班(東京大学医学部藤井班)監修 女性の健康推進室ヘルスケアラボ
https://w-health.jp/carcinoma/breastcancer/

主な症状は?

主な症状として、乳房のしこりや、乳頭や乳輪がただれる、乳頭から血が混ざったような分泌液が出る、乳房にえくぼのようなへこみができる、乳房の形が左右非対称になる、などが挙げられます。
もし、このような症状がみられたら、「乳腺外科」や「乳腺センター」といった乳がんの専門診療科を受診して相談してください。

検査・治療法は?

乳がんの検査には以下のような方法があります。

問診 月経周期、月経の状況(閉経の有無など)、妊娠・出産の経験、乳がんの症状、がんの家族歴などを確認します。
視診・触診
  • 視診:乳房の形の左右対称性、えくぼ・へこみ・ただれの有無、分泌物の有無などを目視で確認します。
  • 触診:乳房やわきの下などに触れて、しこりやリンパ節の腫れの有無、硬さなどを確認します。
マンモグラフィ 乳房専用のX線検査で、乳房を2枚の板で圧迫し薄くひろげた状態のX線写真を撮影します。視診・触診では見つけられない小さな病変などを発見することができます。基本的に40歳以上の女性に対して推奨されています。
超音波検査 乳房やわきの下に超音波を発する器具をあて、しこりや病変の有無を確認します。妊娠中でも実施することができます。
細胞診・組織診
(生検)
乳がんが疑われるときなどに、確定診断のために細胞の一部を採取して行う検査です。
CT検査・MRI検査 がんの広がりや転移などを確認する検査で、主に手術や放射線療法の前に行います。

乳がんの治療は、以下のような患者さんごとの状態に応じて医師と相談しながら治療法を決定します。
病期(ステージ)…
がんの進行度合い。0期からⅣ期に分類される
がんの程度…
がんの大きさや転移の有無、非浸潤がん/浸潤がんのいずれか

乳がんの主な治療方法

手術 外科的にがんを取り除く方法です。
患者さんの状態やご希望に応じて、以下の手術方法から選択します。
乳房温存手術…乳房の一部を切除する
乳房全摘術…乳房のすべてを切除する
また、切除した乳房をできる限り取り戻す「乳房再建」を行うこともできます。
放射線療法 手術を実施した後に行われる治療法で、放射線をあて、手術で取り切れなかったがん細胞を死滅あるいは小さくさせる方法です。
薬物治療 薬物療法は、手術前にがんを小さくさせる、再発リスクを低下させる、再発や全身に転移したがんを抑える、などの目的で行われます。
ホルモン療法、化学療法、分子標的治療などがあります。
Keyword
知っておきたい
女性のカラダと健康のこと トップへ
女性のための健康ラボMint+
LINE公式アカウント
PAGE TOP
CLOSE