コルチゾール(ストレスホルモン)とは?増える原因や過剰分泌による弊害について解説

コルチゾールとは?
増える原因や過剰分泌による弊害

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#コルチゾール #ストレス

コルチゾールは、私たちの体内で重要な役割を果たすホルモンのひとつです。

しかし、過剰なコルチゾール分泌は心身にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。

この記事では、コルチゾールの役割や増える原因、過剰分泌による悪影響について解説します。最後まで読めば、日常生活のなかでコルチゾールとどう付き合っていけばいいのかがわかるでしょう。

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この記事を書いた人

みんなのホルモン研究所

編集部

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この記事の監修医師

池谷 敏郎(いけたに としろう)

医療法人社団 池谷医院

池谷 敏郎(いけたに としろう)

医学博士:

  • 1962年 東京都生まれ

  • 1988年 東京医科大学医学部卒業後、同大学病院第二内科に入局

  • 1997年 池谷医院理事長兼院長に就任

臨床の現場に立つ傍ら、内科、循環器科のエキスパートとして多方面で活躍中。

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コルチゾールとは?ストレスを感じると分泌が増えるホルモン

コルチゾールは、副腎皮質から分泌されるホルモンの一種です。ストレスを感じると多く分泌されることから、「ストレスホルモン」とも呼ばれています。

コルチゾール値は日内リズム(体内時計)によっても変化し、早朝が最も高く、夕方から夜は早朝の半分以下になります。

コルチゾールの主な役割は、一時的なストレスから身を守り、体の正常な状態を維持することです。

主な働き 詳細
ストレスへの適応力・抵抗力向上 脈拍や血圧を上昇させることで、ストレスに対処する能力(集中力など)を高める。
糖代謝の調節 ブドウ糖の合成を促進し、血糖値を上昇させることで低血糖状態を防ぐ。
免疫系や炎症反応の抑制 免疫系の過剰な反応を抑制して、炎症を抑える。

とくに、炎症反応を抑える効果に優れており、腫れやかゆみなどの症状を抑えるステロイド薬の原料にもなっています。

コルチゾールは、私たちの健康維持に必要不可欠な存在なのです。

コルチゾール値が極端に高いもしくは低い状態は、さまざまな疾患の特徴とされています。

コルチゾールの基準値は5.0~17.9μg/dl(早朝空腹時)とされており、高値・低値の場合には以下のような病気が疑われます。

高値の場合に疑われる病気 低値の場合に疑われる病気
・クッシング症候群
・クッシング病
・CRH産生腫瘍
・うつ病グルココルチコイド不応症
・副腎癌など
・アジソン病
・サルコイドーシス
・ACTH単独欠損症
・下垂体腫瘍
・下垂体機能低下症
・リンパ球性下垂体炎など

※参考:櫻林郁之介、熊坂一成 監修(2008)「最新 臨床検査項目辞典」医歯薬出版

コルチゾールの過剰分泌によって起こる症状

コルチゾールは私たちの健康に欠かせないホルモンであり、その主な役割が一時的なストレスから身を守り、体の正常な状態を維持することです。しかし、慢性的なストレスにより過剰なコルチゾールが分泌され続けると、以下のような症状を引き起こすリスクが高まります。

  1. 免疫力が低下する
  2. 血圧や血糖値、コレステロール値が上昇する
  3. 脂肪がつきやすくなる
  4. うつ病を発症しやすくなる

それぞれ、詳しくみていきましょう。

①免疫力が低下する

コルチゾールには免疫反応を抑制する作用があるため、過剰分泌により免疫力が低下する可能性があります。

免疫反応とは、体が外部から侵入してくる病原体(ウイルス、細菌など)に対して行う、防御や排除などの反応のことです。

コルチゾールの過剰分泌で免疫力が低下すると、風邪やインフルエンザなどの感染症に罹りやすくなったり、感染後の回復が遅くなったりする危険性が高まります。

※参考:厚生労働省|セルフメンタルヘルス

②血圧や血糖値、コレステロール値が上昇する

コルチゾールには血圧や血糖値、コレステロール値を上昇させる働きがあります。

コルチゾールの作用 機序
血圧の上昇※1 尿中のナトリウム排出を減少させ、体内のナトリウム濃度が上昇することによって、血液を含む体液量が増加する。
血糖値の上昇※2 肝臓のブドウ糖の生成を促進する。また、筋肉や脂肪組織などにおいてブドウ糖の利用を抑制する。
コレステロール値の上昇※3 コレステロール合成に必要なHMG-CoA還元酵素を活性化する。

※参考1:平田結喜緒|内分泌性高血圧の診断と治療アップデート
※参考2:国立国際医療研究センター|ホルモンの病気と糖尿病
※参考3:島袋充生他|コルチゾールと脂質代謝

そのためコルチゾールが過剰に分泌されると、高血圧や糖尿病、高脂血症などが悪化しやすく、動脈硬化のリスクが高まるので注意が必要です。

③脂肪がつきやすくなる

コルチゾールが過剰に分泌されると、脂肪がつきやすく太りやすい体になります。

具体的なメカニズムは完全に解明されていませんが、コルチゾールには脂肪の合成を促進し、同時に脂肪の分解を抑制する作用があることが一因と考えられています。

※参考:島袋充生他|コルチゾールと脂質代謝

また、コルチゾールの過剰分泌による肥満には以下のような特徴があります

肥満のタイプ 特徴
中心性肥満 手足は比較的細く見える一方で、お腹周りに脂肪が集中した状態
満月様顔貌 顔全体が丸くなり、頬がふっくらとした状態
野牛肩 背中の上部に脂肪が蓄積する状態

※参考:MSDマニュアル|クッシング症候群

ただし、これらの体型の変化には個人差があり、必ずしもすべての人に現れるわけではありません。

お腹ポッコリの内臓型肥満は、脂質異常や高血糖、高血圧を伴いやすく、メタボリックシンドロームの原因となります。これらの病態があると、動脈硬化による脳・心・血管系疾患のほか、がんや認知症のリスクまで高まる危険性があるのです。

④うつ病を発症しやすくなる

コルチゾールが過剰に分泌されると、うつ病を発症しやすくなる可能性があります。

詳しいメカニズムは解明されていませんが、脳の海馬の体積が減少し、神経細胞の新生が抑えられることが関連していると考えられています。

※参考:Chronic Psychosocial Stress Causes Apical Dendritic Atrophy of Hippocampal CA3 Pyramidal Neurons in Subordinate Tree Shrews

海馬は脳の中でも、とくに感情や記憶の調節に関与する部分です。うつ病患者の海馬には萎縮や機能の低下が見られることが知られています。

ただし、うつ病は複雑な疾患であり、コルチゾールの過剰分泌だけが原因とは限りませんので、医療機関を受診し原因を見極めることが大切です。

毛髪や爪でコルチゾール値を測定!ストレスホルモン量検査キット

慢性的なストレスにより過剰なコルチゾールが分泌され続けると、健康にさまざまな悪影響を及ぼします。

しかし、体調の異常に気付いても、その一因となっているストレスに気づけないケースや、ストレスに伴う不調のサインを単なる疲れや歳のせいにしてしまって放置してしまう危険性もあります。

自身のストレスを客観的に評価することができれば、過剰なコルチゾールの分泌に伴うさまざまな不調や疾患の予防に大いに役立つことでしょう。

あすか製薬メディカルでは、髪の毛※1もしくは爪※2からストレスを見える化できる「ストレスホルモン量検査キット」を開発しました。

ストレスホルモン量検査キットは、コルチゾールの量を測定できるキットです。

コルチゾール濃度が高くなると、不眠、免疫力の低下、脳を傷つけるなど心身に不調をきたすおそれがあるので、日々の健康管理のためには、ご自分のコルチゾール濃度を把握することが重要です。

使い方は簡単3ステップ!

  • 髪の毛※1もしくは爪※2をカットする
  • カットした検体を袋に入れる
  • ポストへ投函したら完了!あとは結果を待つだけ

3分ほどで完了します。

結果レポートでは下記のことがわかります。

  • ストレスホルモン「コルチゾール」の数値
  • ストレスレベルを4段階で評価
  • 改善点やアドバイス

自身のストレスレベルを把握し、日々の健康管理にぜひお役立てください。※3

※1 3cm以上の後頭部の毛髪を10本以上。長さが足りない場合は15本以上カットしてください。
※2 1週間程度伸ばした両手の親指の爪。ネイルをされている場合は、ネイルオフしていただく必要があります。
※3 分析結果は医師による診断のような医療行為ではないため、医師の診断を代替して使用することはできません。ストレスによる疾病が疑われる方は、必ず医師の診断を優先させてください。

コルチゾールを減らすには?生活習慣の改善が必要

コルチゾールの過剰分泌を抑えるためには、以下のような生活習慣の改善が必要です。

改善方法 必要な理由
ストレスをうまく解消する ストレスに晒される生活を続けることで、副腎がコルチゾールを出し続けるため。
十分な睡眠をとる 眠っている間は副腎が休まり、コルチゾールの分泌が低下するため。
適度な運動を習慣にする 運動はコルチゾールの調整・コントロールに有効なため。

ただし、個々の状況や健康状態に応じて、専門家や医師の助言を受けることも重要です。

とくに、以下のような症状が数週間にわたって続いており、日常生活に支障をきたしている場合は、まずは医師の診察を受けてください。

  • 疲労感
  • 無気力感
  • 集中力や注意力の低下
  • 不眠や睡眠障害
  • うつ症状

 

コルチゾール値が低すぎるのも危険

コルチゾール値が低すぎる場合は副腎疲労症候群(アドレナル・ファティーグ)の可能性があります。

副腎疲労症候群とは、慢性的なストレスによって副腎機能が低下し、一時的にコルチゾールが分泌されにくくなった状態のことです。

医学的な診断基準や疾患としての定義はありませんが、コルチゾール不足によって低血圧や低血糖となり、倦怠感や疲労感などの症状が現れるとされています。

副腎疲労症候群は原因となっているストレスが改善されると次第に回復する傾向にありますが、症状が続く場合は医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。

病気が理由でコルチゾール値が低くなる可能性も

極端なコルチゾール欠乏状態は「副腎機能不全(アジソン病)」の可能性があります。

副腎機能不全は、自己免疫反応やがん、感染症などの原因によって副腎の機能が低下し、コルチゾールやアルドステロンなどの副腎ホルモン分泌が慢性的に低下する病気です。

軽微な症状が徐々に現れますが、大きなストレスをきっかけとして急速に悪化し、命の危険に及ぶこともあるため注意が必要です。

【副腎機能不全(アジソン病)の主な症状】

  • 慢性的な疲労感
  • 筋力の低下
  • 体重減少
  • 食欲不振
  • 低血圧
  • 低血糖
  • 皮膚の色素沈着
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 消化不良
  • 不安
  • うつ症状

など

※参考:MSDマニュアル|アジソン病

副腎機能不全の診断には、血液検査によるコルチゾール値測定が用いられます。

血液検査により、早朝のコルチゾール値が4μg/dl未満の場合は副腎機能不全の可能性が高く、18μg/dl未満はグレーゾーンとされています。

※参考:日本内分泌学会雑誌|成人慢性副腎不全症 各論

副腎機能不全を完治させる方法はなく、内服や注射などにより、不足したコルチゾールを補充する治療が一般的です。

 

ステロイド剤としてのコルチゾール

 

コルチゾールはその抗炎症作用と免疫抑制作用により、医療現場でステロイド剤(コルチコステロイド)として広く使用されています。

たとえば、アレルギー性疾患や自己免疫疾患、慢性炎症性疾患、移植後の免疫抑制などがその対象です。

ただし、長期間の高用量使用や急な中止は副作用のリスクを伴うため、医師の指導の下で適切に使用する必要があります。

※参考:MSDマニュアル|コルチコステロイド

コルチゾールについてよくある質問

コルチゾールについてよくある質問をまとめました。

 

Q.コルチゾールが多い・少ないはどうすればわかりますか?

コルチゾール量は、医療機関で血液や唾液を採取して検査できます。

ただし、血液や唾液のコルチゾール量は日内変動(体内時計)の影響を受けるため、測定時間が限定されることに注意しましょう。

あすか製薬メディカルでは、髪の毛もしくは爪からコルチゾール量を測定できる「ストレスホルモン量検査キット」を開発・販売しています。

髪の毛や爪は日内変動の影響を受けないため、自宅にいながらいつでもコルチゾール量を測定できます

簡便にコルチゾール量を測定したい方はぜひご利用ください。

※分析結果は医師による診断のような医療行為ではないため、医師の診断を代替して使用することはできません。ストレスによる疾病が疑われる方は、必ず医師の診断を優先させてください。

 

Q.コルチゾールを減らす食べ物やサプリはありますか?

GABA(γ-アミノ酪酸)がよいとされています。

GABAはリラックスをもたらす成分として知られており、発芽玄米、漬物や味噌、醤油といった発酵食品など、とくに和食に多く含まれているアミノ酸の一種です。

複数の研究で、コルチゾール値の低下を示す結果が報告されています。

※参考1:伊藤禎司他|天然GABA 高含有豆乳によるヒト血圧低下作用
※参考2:日本栄養・食料学会誌|GABA経口摂取による自律神経活動の活性化

 

Q.コルチゾールを減らす薬はありますか?

クッシング症候群の治療薬として用いられる「メトピロン」や「トリロスタン」、「ミトタン」などがあります。

ただし、いずれも医療用医薬品ですので市販はされておらず、医師の処方が必要です。

コルチゾールは適切にコントロールすることが大切

コルチゾールは私たちの健康を維持する重要な役割を果たしています。

しかし過剰に分泌されると免疫力の低下や、生活習慣病・うつ病のリスク増加など、健康にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。

ストレスを感じた場合には適度な運動、十分な休息と睡眠、リラクゼーション法などのストレス解消法を取り入れることが大切です。

必要に応じて医療機関でアドバイスを受けることも検討してみてください。

 

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