自律神経を整える方法は?交感神経と副交感神経の役割についても解説!

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#コルチゾール #ストレス

自律神経は私たちの心拍数や体温、呼吸、消化などを調節する働きがあり、バランスが崩れると心身にさまざまな不調を引き起こします。

たとえば、慢性的な疲労感や不眠、胃腸の不調は自律神経が乱れているサインかもしれません。

この記事では心身の不調にお悩みの方に向けて、自律神経を整える方法をご紹介します。

自宅で簡単にできるヨガストレッチやツボマッサージも解説していますので、ぜひ実践してみてください。

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目次

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そもそも自律神経とは?交感神経と副交感神経の役割

自律神経のはたらき

私たちの体は無意識に血圧や心拍数、体温などを調整しています。その中でも重要な役割を果たしているのが「自律神経」です。

自律神経は、交感神経と副交感神経の2つで成り立っており、それぞれ相反する役割を持っています。

  交感神経 副交感神経
役割 心身を活発に導く緊張・興奮の働き 心身を休息に導くリラックスの働き
主な働き ・心拍数や血圧を上昇させる
・集中力や注意力を高める・消化活動を抑制する
・心拍数や血圧を低下させる・消化活動を促進する
活発に働く瞬間 緊急時やストレスを感じたとき 休息時や睡眠時

※参考: MSDマニュアル|自律神経系の概要

交感神経は日中の活動時、副交感神経は夜やリラックス時に優位になり、それぞれがバランスよく働くことで健康が保たれます

しかし、過剰なストレスによりこれら2つの自律神経のバランスが乱れると、心身にさまざまな悪影響を及ぼします。

自律神経を健康な状態に保つためには、適切なストレス管理や健康的な生活を心がけることが大切です。

 

自律神経を整える方法8選

人体の自律神経は、交感神経と副交感神経の2つの系から成り立っています。この2つを切り替えることで、心身のコンディションを調節します。

自律神経を整える方法

 

自律神経を整えるための効果的な方法を7つご紹介します。

  1. ストレスにうまく対処する
  2. 睡眠時間をしっかり確保する
  3. バランスのいい食生活を心がける
  4. 適度に体を動かす
  5. リラックスできる時間をつくる
  6. 湯船にゆっくり浸かる
  7. ツボマッサージを行う

それぞれ、詳しくみていきましょう。

1.ストレスにうまく対処する

深呼吸

ストレスを受けると交感神経が優位になり、心拍数や血圧が上がる一方で、副交感神経が抑制されます。そのため、ストレス対処法を身につけることで、交感神経と副交感神経のバランスを保ち、自律神経を整えられるでしょう。

ストレスは自律神経の乱れを引き起こす主な要因です。

以下のような、リラックス法やストレス軽減に役立つアクティビティを実践しましょう。

  • 瞑想や深呼吸
  • 趣味に没頭する
  • 自然の中を散歩する
  • スポーツやストレッチ、ヨガなど

また、ストレスの原因を特定し対処することも大切です。

ストレスの要因を排除し、適切な対処法を見つけることで自律神経のバランスを取り戻すことができるでしょう。

2.睡眠時間をしっかり確保する

睡眠

自律神経のバランスを回復させるためには、睡眠時間をしっかり確保することが大切です。

夜間は副交感神経が優位になり、身体をリラックスさせて休息状態に導きます。

一方で、レム睡眠時には交感神経の活動が活発になり、自律神経の乱れが生じる可能性があります。そのため、十分な睡眠を取ることで副交感神経の働きを高め、自律神経を整えることが重要です。

朝は水を飲んだり太陽の光を浴びたりすることで、交感神経が優位になり活動的な状態へと切り替わります。朝の適度な光浴びは、自律神経の円滑な切り替えを促し、1日を有意義に過ごすことにつながります。

十分な睡眠時間を確保することで、ストレスへの対処能力が向上し、心身のバランスを取り戻すのに役立ちます

また、睡眠の質を向上させることも重要です。以下の方法を取り入れましょう。

方法 具体例
快適な寝具を使用する 身体にあった枕やマットレス、寝具を使用し快適さを確保する
静かで暗い寝室を作る 音や明かりを遮断し、静かで暗い環境を作る
睡眠のためのルーティンを作る 寝る前に一連の行動(入浴、ストレッチなど)を行う
睡眠のスケジュールを一貫させる 毎晩同じ時間に就寝し、決まった時間に起床することを心がける
電子機器から離れる 就寝前にスマートフォンやタブレットなどの電子機器から離れ、ブルーライトの影響を最小限に抑える

これらの方法を実践することで、睡眠の質を向上させる効果が期待できます。

3.バランスのいい食生活を心がける

バランスのいい食生活

栄養バランスの取れた食事は心身の健康をサポートし、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。

また、朝食を抜くと交感神経が優位になり、副交感神経の働きが低下します。一方、温かい味噌汁などの朝食を摂ることで、胃腸を通る際の温かさが血流を促進し、副交感神経の働きを高めます。

このように、朝食を欠かさず、バランスの良い食事を心がけることが、自律神経を整える上で重要です。

以下は、自律神経を整える効果が期待できる栄養素・食品です。

栄養素 期待できる効果 食品
トリプトファン 幸福感やリラックスを促進するセロトニンの生成をサポートする バナナ、卵、乳製品など
マグネシウム ストレスを軽減し、リラックスを促す ホウレンソウ、アーモンド、大豆など
オメガ-3脂肪酸 炎症を抑え、ストレス反応を軽減する サーモン、マグロ、くるみなど
ビタミンC 免疫機能を強化し、ストレスに対する抵抗力を高める オレンジ、グレープフルーツ、イチゴ、ブロッコリーなど
プロバイオティクス 腸内環境を整え、下痢や便秘を改善する ヨーグルト、キムチ、麹、サワークラウトなど

これらの栄養素を含む食品をバランスよく摂取し、健康的な食事を心がけましょう。

4.ストレッチなどをして適度に身体を動かす

ランニング

自律神経を整えるためには、適度に体を動かすことが効果的です。

適度な運動やストレッチを取り入れることで、自律神経のバランスを整えます。

運動中は交感神経が優位になり、心拍数や血圧が上がります。一方で、運動後は副交感神経が優位になり、身体がリラックスした状態になります。このように、運動は交感神経と副交感神経を適切に切り替えさせる働きがあります。

ただし、過度な運動は交感神経を過剰に刺激し、かえって自律神経のバランスを崩してしまう可能性があります。そのため、適度な運動量を心がけることが重要です。

 

ストレッチは筋肉の緊張をほぐし、血液・リンパの流れを良くします。これにより、副交感神経の働きが高まり、自律神経が整います。特に呼吸を意識したストレッチは、副交感神経を優位にさせる可能性が高いとされています。

日常的にストレッチを取り入れることで、自律神経のバランスを保ち、リラックス状態を維持できます。ストレスが溜まりがちな現代人にとって、ストレッチは自律神経を整える手段の一つと言えるでしょう。

適度な運動には身体的な健康にいい影響を与えるだけでなく、ストレスを軽減する効果もあります。

※参考:橋本公雄他|運動によるストレス低減効果に関する研究

有酸素運動やストレッチ、ウォーキングなど、自分の体力や好みに合わせた運動を取り入れましょう

毎日の短い運動でも効果がありますので、無理をせず継続することが大切です。

 

今すぐできる!自律神経を整えるストレッチ・ヨガ

 

ストレッチやヨガは体の緊張をほぐし、自律神経を整える効果があるとされています。

とくにヨガは心身の調和に重点が置かれており、自律神経を整えるのにピッタリのエクササイズです。

※参考:古宮昇他|ヨガの心理的効果についての調査研究

ヨガの効果を実感するためには、少なくとも週に1回はヨガを行うことを心がけましょう。

以下に、リラックス効果が期待できる代表的なヨガのポーズをご紹介します。

あくまでリラックスが目的ですので、無理をせず自分ができる範囲内で行うようにしましょう。

【子どものポーズ(バーラーサナ)】

子どものポーズ(バーラーサナ)
  1. 膝立ちの姿勢で床に座り、腕を伸ばして前方に倒れていきます。
  2. 頭を床につけ、両手は頭上で伸ばしたままにします。
  3. 深呼吸をしながらリラックスし、背中と肩をリラックスさせます。

 

【猫のポーズ(マルジャリャーサナ)】

猫のポーズ(マルジャリャーサナ)
  1. 四つん這いの姿勢でマットや床に手足をつけます。
  2. 手首は肩の真下に、膝はお尻の真下に来るように配置します。
  3. 深呼吸をしながら、背中を丸めて上体を内側に曲げます。
  4. 次に、背中を反らせて上体を外側に伸ばします。
  5. 呼吸に合わせて、腰を丸めたり反らしたりしながら、上下に動きます。
  6. 呼吸を深くし、吸うときは背中を反らし、吐くときは背中を丸めるように意識します。
  7. 姿勢を保ちながら、数回の呼吸を繰り返します。

 

【橋のポーズ(セツバンダーサナ)】

橋のポーズ(セツバンダーサナ)
  1. 仰向けに寝ます。
  2. 膝を曲げ、足は腰幅程度に広げます。
  3. かかとをお尻に近づけます。
  4. 深呼吸をしながら、腰を持ち上げます。
  5. 胸を床から持ち上げ、両手を背中に回します。
  6. 姿勢を保ちながら、深呼吸を数回行います。
  7. ゆっくりと背骨を下ろし、元の仰向けの姿勢に戻ります。

※参考:リラクセーションYOGA|ポジシェア|こころの耳

※転倒や怪我を防ぐために、周囲の安全を確保し、安定した場所でヨガを行ってください。
※妊娠中の方はお控えください。
※血圧異常や脳・循環器系に不調がある方はお控えください。

5.リラックスできる時間をつくる

リラックスできる時間をつくる

日常生活の中で、リラックスできる時間を意識的につくることも重要です。

忙しい現代社会の生活では、ストレスが日常的に蓄積され、自律神経やホルモンバランスの乱れを引き起こす原因となります

音楽を聴く、自然の中を散歩する、気の合う友人と交流するなど、自分自身に癒しを与える時間を意識的に作りましょう

リラックスすることで副交感神経が刺激され、心身のリフレッシュが促進されます。

6.湯船にゆっくり浸かる

入浴

湯船にゆっくり浸かることは、自律神経を整える方法として効果的です。

温水に浸かることで血行が良くなり、心と身体にリラックス効果をもたらします。

また、入浴前後の体温変化により副交感神経が刺激され、寝付きがよくなることがわかっています。

※参考:厚生労働科学研究成果データベース|入浴と睡眠の関連に関するシステマティックレビュー

リラックス効果を高めるために、アロマや入浴剤を使用することもおすすめです。ラベンダーやカモミールなどの香りは、心を落ち着かせる効果があると言われています。

※参考:由留木裕子他|ラベンダーの香りと神経機能に関する文献的研究

7.ツボマッサージを行う

ツボマッサージは、自律神経を調整するのに役立つ方法のひとつです。

足裏や手のひらにあるつぼを刺激すると、副交感神経が優位になり、リラックスできます。また、首の後頭部にあるつぼを温めることで、交感神経の緊張を和らげる働きがあります。

首を温める方法としては、タオルを首に巻いたり、温熱シートを使用したりするのがおすすめです。適度な温熱刺激により、首の筋肉がリラックスし、自律神経の乱れが改善されます。日常的につぼマッサージを取り入れることで、自律神経を整えられます。

特定のポイント(ツボ)に刺激を与えることで血液循環の促進、緊張の緩和、ストレス軽減などの効果が期待できます。

以下のツボマッサージを1回10~30分程度、定期的に行いましょう。

自律神経を整えるツボ
名前 場所 期待できる効果
太衝(たいしょう) 足の親指と人差し指の交わるところから指先側 ストレスの軽減、リラックス
風池(ふうち) 首の後ろ、髪の生え際のくぼみ 頭痛や肩こりの緩和、ストレスの軽減
三陰交(さんいんこう) 足の内くるぶしから、指4本分上 自律神経の調整
膻中(たんちゅう) 胸骨の下、それぞれの乳首の中間 ストレスの軽減
大椎(だいつい) 肩甲骨の間、背骨に沿って上方に進んだところ 頭痛や肩こりの緩和、リラックス、自律神経の調整

指圧をかける際は力加減と時間を調節し、痛みを感じない範囲で行うことが大切です。

8.禁煙する

喫煙は交感神経を過剰に刺激し、副交感神経の働きを抑制します。

そのため、禁煙により交感神経の緊張が和らぎ、副交感神経が適切に機能するようになります。

自律神経が乱れていると感じたら試したい!「ストレスホルモン量検査キット」でストレスを数値化

自律神経の乱れは、過剰なストレスによって引き起こされると言われています。

あすか製薬メディカルでは、髪の毛※1もしくは爪※2からストレスを見える化できる「ストレスホルモン量検査キット」を開発しました。

ストレスホルモン量検査キットは、副腎皮質から分泌されるホルモンの一種「コルチゾール」の量を測定できるキットです。

慢性的なストレスを感じると、コルチゾールの分泌も同じく増加します。

コルチゾール濃度が高くなると、不眠、免疫力の低下、脳を傷つけるなど心身に不調をきたすおそれがあるので、日々の健康管理のためには、ご自分のコルチゾール濃度を把握することが重要です。

使い方は簡単3ステップ!

  • 髪の毛※1もしくは爪※2をカットする
  • カットした検体を袋に入れる
  • ポストへ投函したら完了!あとは結果を待つだけ

3分ほどで完了します。

結果レポートでは下記のことがわかります。

  • ストレスホルモン「コルチゾール」の数値
  • ストレスレベルを4段階で評価
  • 改善点やアドバイス

日常生活の中でストレスが溜まりやすいと感じる方は、ストレスホルモン量検査キットを活用し、自分のストレスレベルを客観的に把握してみましょう。

自身のストレス状況を理解することは、自律神経の乱れに対して必要な対策やケアを見つける第一歩となるはずです。※3

※1 3cm以上の後頭部の毛髪を10本以上。長さが足りない場合は15本以上カットしてください。
※2 1週間程度伸ばした両手の親指の爪。ネイルをされている場合は、ネイルオフしていただく必要があります。
※3 分析結果は医師による診断のような医療行為ではないため、医師の診断を代替して使用することはできません。ストレスによる疾病が疑われる方は、必ず医師の診断を優先させてください。

自律神経が乱れてしまう原因4つ

クエスチョンマーク

以下の要因は、自律神経の乱れを引き起こすと考えられています。

  1. 過剰なストレス
  2. 生活習慣の乱れ
  3. 気温や気圧の変化
  4. 自律神経失調症や更年期障害などの疾患

それぞれ、詳しくみていきましょう。

1.過剰なストレス

ストレス

過剰なストレスは、自律神経が乱れる主要な原因の一つです。

ストレスを感じると交感神経が活発化し、心拍数や血圧の上昇、筋肉の緊張などをもたらします。

一時的なストレスは集中力やパフォーマンスの向上に寄与することもありますが、過剰なストレスは副交感神経の働きを抑制し、身体に悪影響を及ぼすため注意が必要です。

さらに、過剰なストレスは、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を増加させることもわかっています。コルチゾールの過剰分泌は血糖値の上昇や免疫機能の低下などを引き起こします。

「ストレスは万病の元」と言われる背景には、自律神経系とホルモン分泌、これら2つの乱れが大きく関わっているのです。

2.生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れは、自律神経が乱れる主な原因の一つです。

たとえば、以下のような生活習慣の乱れが、自律神経の乱れを引き起こすとされています。

生活習慣 心身への影響
栄養バランスの乱れ 栄養素の不足や過剰摂取は、自律神経の調節やエネルギー代謝に影響を及ぼし、自律神経のバランスを乱す可能性があります。
睡眠不足 睡眠不足や不規則な睡眠は、自律神経のバランスを乱す可能性があります。
運動不足 運動不足は、交感神経の活性化や血行不良を引き起こすことがあります。また、運動不足による筋肉の衰えや身体の硬さも自律神経のバランスを乱す要因となります。
お酒の飲み過ぎ アルコールには交感神経を刺激する作用があり、飲み過ぎると自律神経のバランスを乱す可能性があります。

自律神経のバランスを整えるためには、健康的な生活習慣を確立することが大切です。

バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレス管理を心掛けましょう。

3.気温や気圧の変化

温度計

急激な気温変化や気圧の変動は、自律神経のバランスを乱すことがあります。気温や気圧の変化に身体がうまく適応できず、ストレスとなるからです。

たとえば、気温が低いときは交感神経が活発に働き、体温を維持しようとします。

このとき、気温や気圧の変化に敏感な人は交感神経が過剰に働いてしまい、自律神経のバランスが乱れてしまうのです。

気温や気圧の変化による自律神経の乱れを防ぐには、寒いときは暖かい服装をしたり、温かい飲み物を飲んだりして体温調節をサポートすることが大切です。

4.自律神経失調症や更年期障害などの疾患

更年期障害

自律神経が乱れる原因の一つとして、自律神経失調症や更年期障害などの疾患が挙げられます。

自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが乱れた状態です。一般的な症状には、動悸やめまい、頭痛、冷や汗、疲労感などがあります。

自律神経失調症の原因はさまざまであり、ストレス、不規則な生活、過労、心身の緊張などが関与していると考えられています。

一方で更年期障害は、男性の場合は加齢に伴うテストステロンの低下が、女性の場合はホルモンバランスの乱れが原因で起こる症状のことです。

  男性の更年期障害 女性の更年期障害
原因 加齢によるテストステロンの低下 ホルモンバランスの乱れ
起こりやすい時期 40代以降 閉経の前後5年(概ね45~55歳)
主な症状 勃起不全や精力減退、うつ症状など ほてりや発汗、不眠症、イライラなど

更年期障害ではホルモンバランスの変動が自律神経にも影響を及ぼし、自律神経失調症に似た症状を引き起こすことがあります。

 

自律神経の乱れによって引き起こされる疾患|自律神経失調症

注意マーク

自律神経は心臓の拍動や消化、体温調節など、私たちの生命活動を無意識のうちに制御しています。この自律神経のバランスが崩れると、様々な不調が現れる可能性があります。

自律神経失調症の症状

  • 身体的な症状

自律神経失調症の身体的な症状としては、めまい、動悸、手足の冷え、頭痛、倦怠感、不眠、下痢や便秘などの消化器症状が挙げられます。

これらは交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで引き起こされます。

例えば交感神経が亢進すると動悸や手足の冷えが、副交感神経が亢進すると下痢などの症状が現れます。

 

  • 精神的な症状

自律神経失調症では、不安感、イライラ感、集中力の低下などの精神的な症状も見られます。

ストレスにより交感神経が過剰に働くと、これらの症状が引き起こされます。また、長期化すると抑うつ状態になることもあり、自律神経と精神面にはつながりがあります。

自律神経失調症になりやすい人

自律神経失調症になりやすい人は、ストレスを受けやすい人や、過度の疲労がある人です。

また、生活リズムが乱れている人や、睡眠不足の人も自律神経のバランスが崩れやすくなります。さらに、喫煙や過剰な飲酒、運動不足の人も自律神経失調症のリスクが高まります。

ストレス対策や生活習慣の改善が重要となります。

4種類の自律神経失調症

  • 本態性型自律神経失調症

本態性型自律神経失調症は、自律神経そのものの機能障害が原因で起こります。

交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、動悸、めまい、立ちくらみ、手足の冷え、下痢や便秘などの身体症状が現れます。原因は不明ですが、遺伝的素因や自律神経の発達異常が考えられています。

 

  • 神経症型自律神経失調症

神経症型自律神経失調症は、強いストレスや不安が自律神経の乱れを引き起こします。

身体症状に加え、不安感や集中力の低下などの精神症状も伴います。原因は心理的ストレスであり、症状は一時的で改善と増悪を繰り返します。

 

  • 心身症方自律神経失調症

心身症型自律神経失調症は、身体疾患が自律神経の乱れを引き起こします。

糖尿病や甲状腺機能障害、脳血管障害などの基礎疾患があり、その影響で自律神経のバランスが崩れます。基礎疾患の治療が必要です。

 

  • 抗うつ型自律神経失調症

抗うつ薬型自律神経失調症は、抗うつ薬の副作用として自律神経の乱れが生じます。

抗うつ薬は自律神経に影響を与える作用があり、口渇、便秘、動悸などの症状が出ます。薬剤の調整が必要になります。

自律神経失調症の治療方法

自律神経失調症の治療には、生活習慣の改善薬物療法が中心となります。

ストレス対策、適度な運動、禁煙、バランスの良い食事などの生活習慣の見直しが重要です。

症状が強い場合は、交感神経や副交感神経の活動を調整する薬剤を使用することもあります。自律神経のバランスを整えることが治療の目的となります。

 

自律神経失調症以外の疾患

自律神経は生命維持に欠かせない重要な役割を担っています。自律神経の異常は、自律神経失調症だけでなく、様々な疾患の原因や症状となる可能性があります。

過敏性腸症候群

腹痛

過敏性腸症候群は、自律神経の乱れが引き起こす疾患の一つです。

はっきりとした原因はわかっていませんが、食べ物の消化や吸収、胃腸の運動は自律神経によって制御されているため、自律神経の乱れが大きな要因であると考えられています。

過敏性腸症候群の症状には、以下のようなものがあります。

  • 腹痛や腹部不快感
  • 便通異常(下痢、便秘など)
  • 膨満感やガスの増加

過敏性腸症候群の治療においては、食事やストレス管理、適切な運動など、総合的なアプローチで取り組むことが大切です。

※参考:MSDマニュアル|過敏性腸症候群(IBS)

過換気症候群(過呼吸)

過呼吸

過換気症候群(過呼吸)は、自律神経の乱れによって引き起こされることがあります。

通常、呼吸は交感神経と副交感神経の調節によって正常に制御されていますが、このバランスが乱れることで過呼吸の症状が現れるのです。

過換気症候群の症状には、以下のようなものがあります。

  • 頻繁な深呼吸や吐き気
  • 手足の痺れや痙攣
  • 眩暈や意識の混乱

過換気症候群は個人によって症状や治療効果が異なるため、医師や専門家の指導を受けながら治療を進めることが大切です。

※参考:MSDマニュアル|過換気症候群

メニエール病

めまい

メニエール病は、自律神経の乱れが引き起こす疾患の一つです。

内耳に存在しているリンパ液が過剰になることで、自律神経の乱れを引き起こし、以下のような症状が現れます。

  • 突発的な回転性のめまい
  • 耳鳴りや難聴
  • 耳の詰まり感や圧迫感

リンパ液がなぜ過剰になるのかは、まだ完全には解明されていませんが、内耳の圧力の変化や血液循環の障害、免疫系の異常などが関与していると考えられています。

メニエール病の治療には、症状の改善や発作の管理に向けて、めまいの管理やストレスの軽減、食事制限などを総合的に取り組むことが大切です。

※参考:MSDマニュアル|メニエール病

神経性胃炎

腹痛

神経性胃炎は、自律神経の乱れが引き起こす疾患の一つです。

ストレスや不安などの精神的な要因が自律神経のバランスを乱し、胃酸が過剰に分泌されることで引き起こされます。

神経性胃炎の主な症状は、以下のとおりです。

  • 胃の痛みや不快感
  • 食欲不振や吐き気
  • 胃の膨満感や早満感

神経性胃炎の治療には、ストレス管理、食事の見直し、胃薬の使用などが行われます。悪化すると胃潰瘍や栄養失調につながるため、早期の治療が大切です。

※参考:土屋 雅春他|ラット胃粘膜微小循環の自律神経統御について

原因不明の体調不良が続く場合は早めに病院へ

病院の待合室

原因不明の体調不良が続く場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

自律神経の乱れは悪化すると胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化器系疾患、うつ病や過呼吸などの精神疾患につながるからです。

自律神経の乱れによって引き起こされる疾患は、早期に診断を受けることで症状の進行や悪化を抑えることができます。また、生活習慣の改善により、自律神経のバランスを整えることが可能です。

自身の健康を守るためにも、体調不良が続く場合には迷わず医療機関を受診しましょう。

あなたの自律神経の乱れはどれくらい?チェックリストで確認

チェックリスト

自律神経のバランスが崩れると、さまざまな不調が現れます。

以下は、自律神経の乱れによって引き起こされる可能性のある症状です。自分がどれくらい当てはまるかチェックしてみましょう。

  • 疲労感:しっかり寝ても疲れが残ってしまう
  • 不眠:睡眠の質が悪く、眠りにくさがある
  • 頭痛:頭痛や偏頭痛が頻繁に起こる
  • めまい:立ちくらみやめまいが頻繁に起こる
  • 心拍数の変動:不規則な心拍や頻脈、動悸が起こる
  • 消化器の問題: 食欲不振や胃痛、下痢、便秘などが頻繁に起こる
  • 耳鳴り:耳鳴りや難聴感がある
  • 不安やうつ:過度の不安感や抑うつ症状(気分の落ち込み)がある
  • 多汗症または手足の冷え:汗の過剰分泌や手足の冷えが起こる
  • 勃起不全:勃起の開始や維持が困難になる

当てはまる項目が多い場合は、症状に合わせて適切な医療機関を受診することをおすすめします。

たとえば、胃腸に問題がある場合は消化器内科、耳鳴りやめまいが頻発する場合は耳鼻咽頭科を受診すべきです。

自律神経の乱れに関するよくある質問

自律神経に関するよくある質問

 

自律神経についてよくある質問をまとめました。

 

Q. 自律神経を整える飲み物はありますか?

緑茶やハーブティーにはリラックス効果があり、自律神経の調整に役立ちます。

飲み物 期待できる効果
緑茶 ストレスを軽減する、老化を予防する(抗酸化作用)
カモミールティー ストレスや不安感を和らげる
バレリアンティー 睡眠の質を向上させる
レモンバームティー ストレスを軽減する、消化を助ける
ルイボスティー 血圧を調整する

ただし、一部にはカフェインが多く含まれているため、摂取量には注意が必要です。

 

Q. 自律神経を整える食べ物やサプリはありますか?

以下の栄養素を含む食べ物やサプリメントは自律神経の調整に役立ちます。

栄養素 期待できる効果 食品
トリプトファン 幸福感やリラックスを促進するセロトニンの生成をサポートする バナナ、卵、乳製品など
マグネシウム ストレスを軽減し、リラックスを促す ホウレンソウ、アーモンド、大豆など
オメガ-3脂肪酸 炎症を抑え、ストレス反応を軽減する サーモン、マグロ、くるみなど
ビタミンC 免疫機能を強化し、ストレスに対する抵抗力を高める オレンジ、グレープフルーツ、イチゴ、ブロッコリーなど
プロバイオティクス 腸内環境を整え、下痢や便秘を改善する ヨーグルト、キムチ、麹、サワークラウトなど

食べ過ぎに注意し、バランスよく摂取することが大切です。

 

Q. 自律神経を整える市販薬や漢方薬はありますか?

市販薬では、寝付きをよくするための睡眠改善薬や鎮静剤などがあります。

漢方薬では、補中益気湯や柴胡加竜骨牡蛎湯などがあります。

漢方薬 期待できる効果
補中益気湯 疲労感や虚弱感、倦怠感などを緩和する
柴胡加竜骨牡蛎湯 精神不安や不眠、便秘などを緩和する

参考:厚生労働省|一般用漢方製剤承認基準

適切でない使用は健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、添付文書をしっかり読み、用法用量を守って正しく使用することが大切です。

Q.自律神経の乱れに関する症状が見られた場合、何科を受診すればよいですか?

自律神経の乱れに関する症状が見られた場合、まずは内科や神経内科を受診するのがよいでしょう。内科医が全身の状態を診て、必要に応じて専門の医師に紹介してくれます。自律神経は全身に関わるため、総合的な診療が重要となります。

Q.自律神経失調症とうつ病の違いは何ですか?

自律神経失調症とうつ病は症状が似ているため、区別が難しい場合があります。自律神経失調症は身体症状が主体ですが、うつ病は気分の落ち込みなどの精神症状が中心となります。また、自律神経失調症は日内変動があり、症状の良し悪しが変化しますが、うつ病は持続的な症状が特徴です。

Q.男性も自律神経失調症になりますか?

自律神経失調症は女性に多いと言われていますが、男性も無縁ではありません。男性ホルモンであるテストステロンが減少すると、自律神経のバランスが崩れ、自律神経失調症になりやすくなります。加齢に伴うホルモン減少のほか、ストレスなども男性ホルモン低下の原因となり、自律神経失調症のリスクを高めます。

Q.春に自律神経が乱れやすい理由は何ですか?

春は気温の変化が大きく、体温調節がうまくいかないため、自律神経が乱れやすくなります。

また、花粉症による鼻づまりは、呼吸が浅くなり、十分な酸素が体内に取り込めなくなるため、交感神経が優位になり自律神経のバランスが崩れます。鼻づまりで呼吸が浅くなると、副交感神経の働きが低下し、自律神経が乱れやすくなるのです。

自律神経を整えて体の不調を和らげよう

家族

自律神経を整えるためには、まず日常の生活習慣に注意を払うことが大切です。十分な睡眠時間を確保し、バランスの取れた食事を摂ることで身体の基本的な健康状態を保ちましょう。

また、適度な運動やリラックス法を取り入れることも有効です。ウォーキングやヨガなどの軽い運動は、自律神経を整える効果が期待できます。

自分自身の身体や心の状態に敏感になり、必要なケアを行うことで身体の不調を和らげることができます。自律神経のバランスを整え、健康で充実した日々を送りましょう。

 

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