集中力が続かないのはなぜ？
原因や集中力を高める方法

集中力が続かない原因5つ

集中力が続かない原因は人それぞれ異なりますが、一般的な原因として以下の5つが考えられます。

• 慢性的なストレス
• 体調の乱れ
• 気が散りやすい環境
• 興味やモチベーションの低下
• 脳のエネルギー源不足

それぞれ、詳しくみていきましょう。

慢性的なストレス

慢性的なストレスは、身体や精神にさまざまな影響を及ぼします。そのひとつが、集中力の低下です。

慢性的なストレスにさらされている人は、注意力が散漫になりやすい傾向があります。

日常的な心配事やストレス要因が頭に浮かんで、タスクに集中できなくなるのです。

たとえば上司から毎日のように怒られるのがストレスの方は、

「また怒られるかも…」

「怒られないためにはどうすればいいんだろう…」

という考えが頭の中を巡り、目の前の仕事に集中できなくなってしまうことがあるでしょう。

また、慢性的なストレスは身体にも悪影響を及ぼします。ストレスによる身体的な不調や睡眠障害がさらなるストレスとなり、集中力の低下を引き起こします。

集中力を回復させるためにはストレスの原因を特定し、適切に対処することが不可欠です。

体調の乱れ

集中力が続かない原因として、以下のような体調の乱れが考えられます。

• 睡眠不足
• 疲労
• 肩こり
• 頭痛
• 風邪
• アレルギー
• 二日酔い

など

気分の悪さや痛みに意識が向いてしまい、目の前のことに集中できなくなるのです。

これらの体調の乱れを解消するには、十分な睡眠と適度な休憩、バランスの良い食事など、健康的な生活習慣を送ることが大切です。

身体的な不調が長く続く場合は医療機関を受診し、適切な治療を受けることも検討すべきでしょう。

気が散りやすい環境

騒々しい場所や散らかった部屋・机の周りなど、気が散りやすい環境では集中力が続かなくなります。

多くの刺激が同時に脳に入り込むことで、脳が情報の処理に余計なエネルギーを費やしてしまうからです。

また、散らかった部屋や机の周りには大抵、スマートフォンやテレビ、ゲームなどの誘惑が多く存在し、誘惑が視界に入るたびに集中力が妨げられてしまいます。

集中力を高めるためには、机や部屋を片付けて視覚的な刺激を減少させ、集中できる環境を整えることが大切です。

興味やモチベーションの低下

興味がない、またはモチベーションの低い仕事や勉強に対しては、脳は集中力を維持しにくくなります。

また、モチベーションが低い状態で仕事や勉強に取り組むことはストレスとなり、さらなる集中力の低下を引き起こします。

学生時代、苦手科目の勉強がなかなか続かない経験をした方も多いのではないでしょうか。

集中力を回復させるためには、モチベーションを高める方法を見つけたり、達成感を得る機会を増やしたりする工夫が必要です。

脳のエネルギー源不足

脳の主なエネルギー源はブドウ糖（グルコース）です。脳細胞はブドウ糖から得たエネルギーを使って、情報の処理や神経伝達を行っています。

そのためブドウ糖が不足すると、脳の機能が低下して集中力が続かなくなります。

ブドウ糖はご飯やパンなどの穀物、または果物や砂糖などに多く含まれます。

ダイエットのために主食や甘いものを徹底的にカットしている方は、集中力の低下を引き起こす可能性があるでしょう。

また、朝食を抜くことも集中力が低下する原因のひとつです。脳は寝ている間も活動しており、朝食には夜間に消費した脳のエネルギーを補う役割があります。

文部科学省の「全国学力・学習状況調査」によると、朝食をしっかりとっている子どもほど、学業成績が良い傾向にあることがわかっています。

集中力が続かない人の特徴とは？

集中力が続かない人には特定の特徴があります。

集中力が続かない人の特徴を、詳しく解説していきます。

マルチタスク

マルチタスクが習慣になると、脳はその刺激に慣れ、単一の作業に集中することを退屈と感じるようになります。
このため、一つのことに専念する集中力が低下する可能性があります。

効率的な作業を目指す場合は、タスクに優先順位をつけ、一つずつ着実にこなすことが重要です。

「ながら作業」

ながら作業は集中力を削ぐ一因です。

脳は同時に複数の作業を効率的に処理できません。

ながら作業は高速でタスクを切り替えているだけで、実際の生産性は一つの作業に集中する場合に比べて大きく低下します。
集中する必要がある時は、他の行為は一旦中止しましょう。

休憩しない

休憩をしないと、脳と身体の疲労が蓄積し、集中力の低下につながります。

効果的な休憩は、短時間でも脳をリフレッシュさせ、その後の作業の効率を高めることができます。
集中力を維持するためには、定期的な休憩を取ることが重要です。

休憩時間に休憩できていない

休憩は集中力を維持するために必要ですが、上手に休憩を取れないと逆に集中力が低下することもあります。

休憩中は、SNSのチェックなど脳への刺激が強いものは避けて、リラックスした時間を過ごしましょう。

ずっと同じ環境

常に同じ場所で作業を行うと、新鮮さが失われ、脳の刺激が減少するため、集中力が低下することがあります。

環境の変化は脳に新たな刺激を与え、集中力を高めます。
時には作業場所を変えることで、リフレッシュされた状態を作りましょう。

 

そもそも人間の集中力はどれぐらいもつ？

 

集中力の持続時間は約40分程度と考えられています。

東京大学の池谷裕二教授が行った実験では、集中力に関与する前頭葉のガンマ波が10～20分にかけて急激に低下し、その後一定を保ち、40分後ぐらいからさらに低下することが示されました。

※参考：朝日新聞｜集中力の維持と長期的な学習効果につながる方法（東京大学・池谷裕二教授の見解）

ただし、集中力の持続時間には個人差があり、ストレスや疲労、外部の環境などによっても変動します。

集中力を保つためには、自分に合った集中力の維持法を見つけて、実践することが重要です。

ストレスホルモン量検査キットでストレスレベルをチェックしよう

集中力が続かないのは、慢性的なストレスが原因かも知れません。

ストレスは雑念を生んで集中力を低下させるだけでなく、睡眠障害や自律神経失調症などの原因にもなります。

あすか製薬メディカルでは、髪の毛※1もしくは爪※2からストレスを見える化できる「ストレスホルモン量検査キット」を開発しました。

ストレスホルモン量検査キットは、副腎皮質から分泌されるホルモンの一種「コルチゾール」の量を測定できるキットです。

慢性的なストレスを感じると、コルチゾールの分泌も同じく増加します。

コルチゾール濃度が高くなると、不眠、免疫力の低下、脳を傷つけるなど心身に不調をきたすおそれがあるので、日々の健康管理のためには、ご自分のコルチゾール濃度を把握することが重要です。

使い方は簡単3ステップ！

• 髪の毛※1もしくは爪※2をカットする
• カットした検体を袋に入れる
• ポストへ投函したら完了！あとは結果を待つだけ

3分ほどで完了します。

結果レポートでは下記のことがわかります。

• ストレスホルモン「コルチゾール」の数値
• ストレスレベルを4段階で評価
• 改善点やアドバイス

検査キットのレポートを参考にストレスを改善し、集中力を取り戻しましょう。※3

※1 3cm以上の後頭部の毛髪を10本以上。長さが足りない場合は15本以上カットしてください。
※2 1週間程度伸ばした両手の親指の爪。ネイルをされている場合は、ネイルオフしていただく必要があります。
※3 分析結果は医師による診断のような医療行為ではないため、医師の診断を代替して使用することはできません。ストレスによる疾病が疑われる方は、必ず医師の診断を優先させてください。

病気が原因で集中力が続かなくなっている可能性も

集中力が著しく低下している場合、それは単なるストレスや忙しさだけでなく、病気が原因となっている可能性もあります。

以下は、集中力の低下を引き起こすとされている病気の代表例です。

• 自律神経失調症
• うつ病
• 睡眠障害
• 慢性疲労症候群
• ADHD（注意欠如・多動症）

それぞれ、詳しくみていきましょう。

自律神経失調症

自律神経失調症は、心拍数、血圧、呼吸などを調整する自律神経系に障害が生じる疾患です。

自律神経失調症を発症すると以下のような症状が現れ、集中力の低下を引き起こします。

全身的症状	・身体のだるさ ・疲労の蓄積
器官的症状	・頭痛、めまい ・動悸、息切れ ・のぼせ ・下痢、便秘 ・冷え
精神的症状	・情緒不安定 ・イライラ ・不安感 ・うつ

※参考：厚生労働省 e-ヘルスネット「自律神経失調症」 

自律神経失調症を発症する原因はハッキリと解明されていませんが、ストレスや不規則な生活習慣、遺伝などが影響すると考えられています。

うつ病

うつ病は興味の喪失や意欲の低下を特徴とする精神疾患です。

セロトニンやノルアドレナリンの減少、睡眠障害、ネガティブな思考パターンなど、さまざまな要因によって集中力の低下を引き起こします。

うつ病の方は仕事や学業だけでなく、家事や趣味、社交活動においても集中力を維持することが難しくなるため、適切な治療とサポートが必要不可欠です。

うつ病の症状がある場合は早めに医師に相談し、適切な治療を受けてください。

睡眠障害

睡眠障害は集中力低下の原因となる病気のひとつです。

充分な深い睡眠を取ることできずに疲労感が蓄積し、集中力や判断力が低下します。

睡眠障害というと入眠困難（なかなか眠りにつけない）だけを想像しがちですが、以下の症状も睡眠障害に含まれます。

• 中途覚醒：夜中に何度も眼が覚める
• 早朝覚醒：起きたい時間より2時間以上早く目が覚め、二度寝できない
• 熟眠障害：睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない
• 睡眠時無呼吸症候群：睡眠中に何度も呼吸が止まる

睡眠障害の症状が続く場合は医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。

慢性疲労症候群

慢性疲労症候群は、日常生活に支障をきたすほどの身体的疲労が長期間続く病気です。

常に疲労を感じることで、仕事や学業に集中することが難しくなります。

うつ病に似た症状が現れることもあり、興味やモチベーションの低下がさらなる集中力の低下を引き起こします。

慢性疲労症候群は時間の経過とともに症状が軽減していくことが多いです。

しかし、原因はハッキリと解明されておらず、症状が消失するまでには何年もかかることがあります。

※参考：MSDマニュアル｜慢性疲労症候群

ADHD（注意欠如・多動症）

ADHD（注意欠如・多動症）とは、生まれつき集中力がない、落ち着きがないなどの特性をもつ発達障害のひとつです。

ADHDの方は外部の刺激に敏感な傾向があり、気が散りやすく、集中力が続きにくくなります。

また、じっとしていられない症状（多動症）もADHDの特徴です。

ADHDの方は静かに座って作業に取り組むことが難しく、学校の宿題や仕事のタスク消化に時間がかかる傾向にあります。

自宅で簡単にできる！集中力を高める方法

自宅で簡単にできる集中力を高める方法をご紹介します。

• 十分な睡眠時間を確保する
• 作業環境を整える
• 適切な休憩を取る
• スマートフォンから離れる
• リラックス法を実践する（瞑想やヨガなど）

それぞれ、詳しくみていきましょう。

十分な睡眠時間を確保する

睡眠は身体と脳の回復にとって不可欠であり、十分な睡眠をとることで、認知機能や集中力を向上できます。

必要な睡眠時間には個人差がありますが、働く世代の大人は6～9時間の睡眠が必要です。

※参考：厚生労働省｜知っているようで知らない睡眠のこと

十分な睡眠時間を確保することで集中力が向上し、仕事や学習の効率向上が期待できます。

作業環境を整える

部屋やデスクスペースなどの作業環境を整えることは、集中力を高めるために非常に重要です。

脳に入ってくる情報量が減ることで目の前の作業への集中力が向上し、仕事や学習の効率を高められます。

まずは、机や作業スペースを整理整頓しましょう。作業に必要なもの以外は視界に入らないよう片付けることで、脳のエネルギー消費を避けられます。

自身の体格に合った椅子やデスクを選ぶことも大切です。姿勢をサポートすることで、長時間の作業中にも疲れを軽減でき、集中力を保つのに役立ちます。

近年、リモートワークが増えたことで集中力の低下を感じている方も多いでしょう。

オンとオフの切り替えがしづらいことが原因として考えられますが、可能であれば仕事部屋を分ける、難しければレンタルスペースやカフェを利用するという方法も有効です。

家にいると部屋着のままでいることが多くなりますが、外で作業することで身だしなみを整え仕事のスイッチを入れやすくなります。

適切な休憩を取る

適切な休憩を取ることは、長期的な集中力の維持に必要不可欠です。

長時間連続して作業を続けると、疲れがたまり、集中力や生産性が低下することがあります。

集中力を維持するための休憩方法としては、ポモドーロテクニックが有名です。

ポモドーロテクニックとは、作業時間を25分単位に区切り、5～10分の休息を挟んだ後、再度25分の作業を繰り返す手法です。

短いスパンで集中と休憩を繰り返すことで、結果的に集中を長時間にわたって維持できます。

作業時間や休憩時間は、個人のスタイルに合わせて調整するとよいでしょう。

繰り返しの休憩を通じて疲労を軽減し、集中力を長時間維持することがポイントとなります。

※参考：ポモドーロ・テクニック｜東京大学相談支援研究開発センター

スマートフォンから離れる

スマートフォンから離れることで、外部の刺激や誘惑が減少し、作業や学習に集中しやすくなります。

現代社会ではスマートフォンが私たちの生活に欠かせないものとなっていますが、同時に注意力を分散させ、集中力を低下させる要因ともなり得ます。

以下の方法を実践して、スマートフォンから一時的に離れてみましょう。

• スマートフォンを別室に置く
• 通知をオフにする
• 無駄なアプリを削除するか、ホーム画面から非表示にする
• スクリーンタイム（アプリの使用時間や使用範囲を制限する機能）を設定する

なお、可能であれば物理的な距離をおく方が望ましいようです。

学生500人を対象にした実験では、スマートフォンをサイレントモードにしてポケットにしまった学生より、教室の外に置いた学生の方が集中力が高かったという調査もあるようです。

※参考：アンデシュ・ハンセン 2020年『スマホ脳』新潮新書

スマートフォンから離れることで、日常生活や仕事における集中力や生産性を向上できます。

リラックス法を実践する（瞑想やヨガなど）

瞑想やヨガなどのリラックス法を実践することでストレスが軽減され、集中力を高められます。

瞑想は静かな場所で目を閉じて座り、意識を内側に向けるリラックス法です。

一般的な瞑想の手順は以下の通りです。

1. 静かな場所に座り、目を閉じます。
2. 深い呼吸をし、吸い込む空気と吐き出す空気に注意を向けます。
3. 約10〜20分間、呼吸に集中し続けます。

一方でヨガは、ポーズと呼吸法、瞑想を組み合わせたエクササイズです。集中力を高め、ストレス解消にも役立ちます。

書籍やインターネット、ヨガ教室などでヨガのポーズを学び、実践してみましょう。

満腹・空腹を避ける

満腹状態も空腹状態も避け、適度な量を食べることで、集中力の維持に役立ちます。

満腹時は消化にエネルギーを使いすぎ、空腹時は栄養不足により集中力が低下するため、適度な量の食事を心掛けることが大切です。

計画を立てる

自宅で行う作業や学習において、何をいつまでに終えるかという明確な目標を設定することで、集中力を向上させることができます。

計画を立てることで、作業の優先順位が明確になり、効率的にタスクを進めることに繋がります。

 

集中力を高める食べ物や飲み物はある？

以下の食べ物や飲み物は、集中力を高めるのに役立つと考えられています。

食べ物・飲み物	効果
青魚（サバ、さんま、いわしなど）	脳の認知機能を向上させるDHA※1が豊富に含まれている。
ブルーベリー	フラボノイドが認知機能を向上させる※2。
ダークチョコレート	眠気を抑制するカフェインや認知機能を向上させるフラボノイドが多く含まれている。
カフェイン飲料（コーヒーや緑茶など）	カフェインが神経系を刺激し、一時的にエネルギーと集中力を高める。

※1参考：橋本 道男｜ドコサヘキサエン酸による脳機能改善作用と神経疾患への応用
※2参考：Investigating the Acute Effects of Flavonoids in Blueberries on Cognitive Function.

ただし、最も重要なのはバランスの取れた食事です。

普段の食事から適切な栄養素を摂取しつつ、集中したいときに上記の食べ物や飲み物を取り入れるとよいでしょう。

集中力についてよくある質問

集中力についてよくある質問をまとめました。

 

Q.仕事中の集中力が続かない原因は何ですか？

集中力が続かない原因は人によってさまざまです。一般的には以下が考えられます。

• ストレス
• 睡眠不足
• 不健康な生活習慣
• 適切な休憩を取らないこと
• 環境の刺激
• モチベーションの低下
• 特定の疾患

など

具体的な状況に合わせて、対策を考えることが大切です。

 

Q.勉強の集中力が続かないのは病気ですか？

病気が関連している可能性もありますが、健康な人でも集中力が続かないことはあります。

教材の難易度が高すぎて内容が頭に入ってこない、わからない部分が多すぎてすぐに手が止まるなど、勉強の内容自体に集中力を落とす要因があるかもしれません。

ただし、集中力の低下が長期間続く場合や他の症状が伴う場合は、医師に相談してください。

Q.大人になるにつれて集中力が続かなくなってきた気がします。年齢のせいですか？

加齢による脳の衰えが関係することもありますが、集中力が続かない原因はそれひとつとは限りません。

ストレスの解消や生活習慣の改善など、年齢に関係なく集中力を向上させることは可能です。

 

Q.集中力を高めるトレーニングはありますか？

瞑想が集中力を高めるのに役立つと言われています。十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動なども集中力を高めるために重要です。

作業環境や心身の状態を整えて、集中力を高めよう

集中力が続かないのは、作業環境や心身の乱れが主な原因です。以下のポイントを実践することで、集中力を高められるでしょう。

• ストレスを溜めすぎない
• 健康的な生活（十分な栄養と睡眠）を心がける
• 作業スペースを整理整頓する

ただし、作業環境や生活習慣を改善しても集中力の低下や疲労感が続く場合は、病気が原因の可能性があります。

集中力低下の原因が自律神経失調症やうつ病など、健康上の問題によるものが疑われる場合は、早めの診断と適切な治療が重要です。