人間関係でストレスを感じる原因
限界を超えないための対処法

人間関係でストレスを感じる原因

人間関係でストレスを感じる原因には、下記のようなものがあります。

1. 相手に恐怖を感じている
2. 思ったことを言えず我慢している
3. 相手のために自分を犠牲にしている
4. 周囲の人と自分を比べている
5. 相手に期待しすぎている

それぞれ詳しく解説します。

1.相手に恐怖を感じている

人間関係でストレスを感じる要因として、相手に恐怖を感じていることが挙げられます。

恐怖を感じると脳が「外部からの攻撃を受けた」と認識し、身を守るために交感神経が優位になったり、ストレスホルモン（コルチゾール）が分泌されたりします。

• 交感神経：身体を緊張状態にする神経
• コルチゾール：ストレスを感じると分泌されるホルモン

心臓がバクバクする、冷や汗が出るといった症状は恐怖によるストレス反応です。

強い恐怖は心身に悪影響を与え、体調不良の原因ともなります。ストレスを軽減するには、恐怖を感じる相手から距離を置くことが大切です。

2.思ったことを言えず我慢している

思ったことを我慢して相手が望むように振る舞うことは、偽りの自分を演じている状態であるため、常に緊張した状態だといえます。

また自分だけ我慢していると思い込むことで、他者に対して「不公平だ」「そのくらい我慢したらいいのに」と不寛容になりがちです。

相手への不満が重なり、余計にストレスが増えるおそれがあります。

「我慢の限界がきて、結局一番良くない伝え方をしてしまった」ということもあるため、こまめに思ったことを伝えていくほうが人間関係を良好に保てるかもしれません。

3.相手のために自分を犠牲にしている

「お願いを断ることで嫌われたくない」「自分が我慢すれば丸く収まる」と考え、キャパオーバーになるまでタスクを抱え込んでしまう方もいるのではないでしょうか。

連日残業をしたり、睡眠時間を削ったりしてまで相手のために働いていると、いずれ体調を崩してしまいます。

頼まれごとを断るのは心苦しいかもしれませんが、できないことはきちんと断ることが大切です。

自分の許容範囲を見極めて、無理をしすぎないようにしましょう。

4.周囲の人と自分を比べている

周囲と自分を比べて自己嫌悪に陥ってしまう方は、人間関係でストレスを感じることがあります。

嫉妬や競争心は成長のために必要な感情ですが、行き過ぎるとストレスになってしまいます。

他の人の頑張りや成果を見たとき「もっと頑張ろう」ではなく「自分はダメだ」と感じてしまう方は、周囲と自分を比べないように意識してみましょう。

他者の進捗や行動をいちいち確認しない、SNSを見るのをやめるなど、人と自分を比べてしまう場面を減らすことが大切です。

5.相手に期待しすぎている

相手への過度な期待は、思い通りにいかないときのガッカリ感に繋がり、ストレスの原因となります。

「普通このくらいするよね？」「私ならこうするのに、なぜしてくれないんだろう」と考えてしまう方は、相手に期待しすぎているかもしれません。

自分が何かしてあげたときは見返りを求めたくなりますが、基本的には見返りはないものとして考えたほうがよいでしょう。

相手が思い通りに動いてくれないからといって責めてしまうと、人間関係がこじれる原因にもなります。

人間関係のストレスを減らすには、他者に対して寛容な気持ちで接することが大切です。

生まれつき周囲に対してストレスを感じやすい気質を持つ人もいる

人間関係にストレスを感じやすいのは、HSPが原因の場合もあります。

HPSとは「Highly Sensitive Person（ハイリー・センシティブ・パーソン）」の略で、生まれつき人よりも繊細な気質を持つ人という意味です。

HSPの方は感受性が強く繊細なため、人間関係でストレスを感じやすく、生きづらさを抱えてしまう傾向にあります。

下記のような特徴がある方は、HSPかもしれません。

• 他人の気分に左右されやすい
• 大きな音や強い光、臭いなどの強い刺激で不快になりやすい
• 一度にたくさんのことを頼まれるとイライラしやすい
• 忙しい日々が続くと一人で過ごせる静かな場所に逃げ込みたくなる
• 生活に変化があると混乱しやすい
• 美術や音楽などを好んでいる

など

※参考：髙橋亜希 中京大学大学院心理学研究科「Highly Sensitive Person Scale日本版（HSPS-J19）の作成」

HSPは病気ではなく気質なので、治療の対象ではありません。

しかし自分が過ごしやすい環境を整えたり、刺激を遠ざけたりすることでストレスを軽減することは可能です。

人間関係でストレスを溜め込みすぎたときに出る症状

人間関係でストレスを溜め込みすぎると、下記のような症状が現れるおそれがあります。

• 疲労感、倦怠感
• 肩こり、頭痛
• めまい
• 不眠
• 動機、息切れ
• 食欲低下
• 胃痛
• 下痢、便秘

※参考：日本成人病予防協会「ストレスについてーストレス状態の兆候ー」

ストレスが限界を迎えると、抑うつや不安などメンタル面の不調だけでなく、身体面での不調も引き起こしやすくなります。

慢性的なストレスが続くことで自律神経やホルモンバランスが崩れ、体内の機能をうまく調整できなくなることが原因です。

ストレスが限界に達したときの症状については、下記の記事でも詳しく解説しています。

ストレスホルモン量検査キットで人間関係のストレスをチェック

人間関係がストレスだと感じていても、ストレスの度合いを客観的に認識するのは難しいものです。

あすか製薬メディカルでは、髪の毛※1もしくは爪※2からストレスを見える化できる「ストレスホルモン量検査キット」を開発しました。

ストレスホルモン量検査キットは、副腎皮質から分泌されるホルモンの一種「コルチゾール」の量を測定できるキットです。

慢性的なストレスを感じると、コルチゾールの分泌も同じく増加します。

コルチゾール濃度が高くなると、不眠、免疫力の低下、脳を傷つけるなど心身に不調をきたすおそれがあるので、日々の健康管理のためには、ご自分のコルチゾール濃度を把握することが重要です。

使い方は簡単3ステップ！

• 髪の毛※1もしくは爪※2をカットする
• カットした検体を袋に入れる
• ポストへ投函したら完了！あとは結果を待つだけ

3分ほどで完了します。

結果レポートでは下記のことがわかります。

• ストレスホルモン「コルチゾール」の数値
• ストレスレベルを4段階で評価
• 改善点やアドバイス

人間関係でストレスを感じている方は、ぜひ検査キットをメンタルケアにお役立てください※3

※1 3cm以上の後頭部の毛髪を10本以上。長さが足りない場合は15本以上カットしてください。
※2 1週間程度伸ばした両手の親指の爪。ネイルをされている場合は、ネイルオフしていただく必要があります。
※3 分析結果は医師による診断のような医療行為ではないため、医師の診断を代替して使用することはできません。ストレスによる疾病が疑われる方は、必ず医師の診断を優先させてください。

人間関係のストレスへの対処法

人間関係でストレスを感じるときは、下記のような対処法をとってみましょう。

1. ストレスの原因となる人から距離をとる
2. 自分の考え方や行動を変える
3. 好きなことやリラックスできることで気分を切り替える
4. 周囲に相談する

順番に解説します。

1.ストレスの原因となる人から距離をとる

人間関係のストレスを軽減するには、ストレスの原因となる人物から距離をとるのが有効です。

相手の言動に恐怖やイライラを感じる場合、関わりがある限りストレスが軽減されることはありません。

ストレスの原因が友人や知人の場合は、その人に会う頻度を減らせないか考えてみてください。

職場の人に強いストレスを感じているなら、転職や部署異動などで完全に離れるのが理想ですが、難しい場合はできる限り話さずに済むようにするなど、少しの工夫でもいいので試してみましょう。

「苦手な人にまで好かれようとする必要はない」と覚えておくと、気が楽になります。

2.自分の考え方や行動を変える

人間関係でストレスを感じやすいのは「人に合わせすぎる」「人の行動を気にしすぎる」といった考え方が原因の場合もあります。

下記のことを意識して人付き合いをしてみましょう。

• 思ったことは素直に伝える
• 「NO」と言えるようになる
• 人と自分を比べて卑屈にならない
• 人に気遣いや見返りを求めない

自分にも相手にも寛容な気持ちでいることが、ストレスを減らすコツです。マイペースで素直な自分でいられるように意識してみましょう。

3.好きなことやリラックスできることで気分を切り替える

ストレスをまったく溜めないのは難しいため、こまめに発散することが重要です。

好きなことやリラックスできることを見つけ、辛いときは気分を切り替えるようにしましょう。

「ストレス解消のために何をしたらいいかわからない」という方は、下記を参考にしてください。

自分の性格	具体的なストレス解消方法
身体を動かす、騒ぐことでスッキリする	・運動する ・大声で歌う ・ショッピングする
感情を表現することでスッキリする	・友人に話す ・気持ちを書き殴る ・泣く
なにかに没頭すると現実を忘れられる	・好きなものを食べる ・旅行する ・散歩に行く
心を落ち着けることでリラックスできる	・お風呂に入る ・瞑想する ・自然に触れる

性格に合わせてストレス解消法を選ぶと、気分をうまく切り替えやすいです。

ストレス解消法についてもっと知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。

4.周囲に相談する

人間関係でストレスを感じたときは、周囲に相談することも大切です。

例えば職場でパワハラを受けている場合、自分ひとりで解決することは難しいでしょう。

信頼できる上司や人事部の人などに相談することで、問題が解決することがあります。

また友人に話を聞いてもらうことで、気持ちが少し楽になることもあります。

人間関係でストレスを感じやすい方は問題を一人で抱え込みがちなので、困ったときは周囲の人に頼ることも大切です。

人間関係のストレスに関するよくある質問

人間関係のストレスに関するよくある質問をまとめました。

Q.人間関係のストレスで病気になることはありますか？

人間関係のストレスが限界まで溜まると、下記のような病気になる恐れがあります。

病名	定義
心身症※1	ストレスが原因で発症した身体疾患の総称
うつ病※2	長期間にわたって気持ちがふさぎ込み、日常生活に支障をきたす状態
適応障害※3	日常生活で起こったでき事や環境に対してうまく対処できないことで心身に症状が現れ、社会生活に支障をきたす状態

※参考1：国立精神・神経医療研究センターNCNP病院「心身症」
※参考2：厚生労働省 こころもメンテしよう〜若者を支えるメンタルヘルスサイト〜「うつ病」
※参考3：厚生労働省 e‐ヘルスネット「適応障害」

不調を感じたときは我慢せず、早めに受診しましょう。

Q.人間関係をこじらせる人の特徴はありますか？

下記のような人は、人間関係をこじらせやすい傾向にあります。

• 自己中心的
• プライドが高い
• 他責思考
• がんこ
• 完璧主義

上記のような人は感情を優先して、人に自分の考えを押し付けがちです。周囲の人は振り回されて、うんざりすることがあるでしょう。

Q.職場の人間関係を割り切るにはどうしたらいいですか？

職場の人間関係を割り切るには「あくまでも仕事だけの関係」と考えるのがよいでしょう。

• 個人的な感情を持ち込まず仕事上での信頼関係を大切にする
• 自分の考えが一番だと思わず、相手に期待しない
• オンオフを切り替え、プライベートな話は必要以上にしない

上記のような考えを意識することで、割り切って接することができるでしょう。

Q.人間関係がストレスで、学校に行きたくありません…。

可能であれば両親や先生など身近な大人に相談して、問題の解決を試みましょう。

どうしても学校に行きたくないときは、思い切って休むのも一つの方法です。ただし、休むだけでは問題の根本的な解決にはならないため、原因を取り除くことが重要です。

Q.自分勝手な友達にストレスを感じるときはどう接したらいいですか？

自分勝手な友達にストレスを感じるときは、相手のわがままに付き合わないことが大切です。相手の要望を受け入れると、要求やわがままがエスカレートすることがあります。

相手が不機嫌でも機嫌を取ろうとしない、無茶なお願いをされたらハッキリ断るなど毅然とした態度を意識してみましょう。

どうしても合わないと感じるときは、無理に一緒にいようとせず、距離を置くのが良いかもしれません。

まとめ

人間関係でストレスを感じる方は、人に嫌われないように頑張りすぎていたり相手に期待しすぎていたりする場合があります。

「思ったことを素直に伝える」「相手にも自分にも寛容になる」といったことを意識するだけでも、人間関係のストレスは減るかもしれません。

特定の人にストレスを感じる場合は、必要以上に関わらないように距離をとることも大切です。