子宮体しきゅうたいがんについて

どんな病気?

子宮体がんは、子宮体部にできるがんで、子宮内膜がんとよばれることもあります。
40代後半から発症率が増加し、50~60代がピークとなります。子宮体がんは子宮内膜に多く発生しますが、子宮内膜は月経時にはがれ落ちるため、閉経前の女性で発症することは少ないといわれています。近年、罹患者数が増加する傾向にあります。
5年生存率は81.3%(※1)と報告されています。

※1:全国がん罹患モニタリング集計 2009-2011年生存率報告(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター, 2020)
独立行政法人国立がん研究センターがん研究開発費「地域がん登録精度向上と活用に関する研究」平成22年度報告書

主な症状は?

多くの症例で不正性器出血がみられます。出血量は人によってさまざまですが、出血が少ない人ではおりものが褐色になる程度という場合もあります。月経時以外や、閉経後の出血がある場合、子宮体がんの可能性も考慮して産婦人科医に相談することをおすすめします。また、排尿時や性交時の痛み、下腹部の痛みといった症状があらわれることもあります。

検査・治療法は?

子宮体がんの検査には以下のような方法があります

問診 月経周期、月経の状況(閉経の有無など)、妊娠・出産の経験、乳がんの症状、がんの家族歴などを確認します。
細胞診・組織診
(生検)
子宮体がんが疑われるときなどに、確定診断のために細胞の一部を採取して行う検査です。
内診・直腸診 子宮の位置・大きさ・硬さや、周囲の組織や臓器に異常がないかなどを、医師が触診します。
子宮鏡検査 子宮に内視鏡を挿入して、内部の様子を確認します。
超音波検査 超音波を発する器具を腟に入れ、子宮の大きさや子宮筋層への浸潤度を調べます。
CT検査・MRI検査 がんの広がりや進行度、転移の有無などを確認します。

子宮体がんの治療では、一般的に子宮と卵巣・卵管・リンパ節を手術により取り除きますが、がんの広がり・進行度合いによっては、卵巣や子宮を残すことが可能な場合もあります。以下のような状態に加え、患者さんの妊娠・出産希望の有無なども考慮し、医師と相談しながら治療法を決定します。

病期(ステージ)…がんの進行度合い。Ⅰ期からⅣ期に分類される

がんの程度…がんの大きさや転移の有無、子宮の筋肉へがん細胞がどの程度入り込んでいるか、など

病期(ステージ)…
がんの進行度合い。Ⅰ期からⅣ期に分類される
がんの程度…
がんの大きさや転移の有無、子宮の筋肉へがん細胞がどの程度入り込んでいるか、など

子宮体がんの主な治療方法

手術 外科的にがんを取り除く方法です。
開腹手術が基本ですが、腹腔鏡手術やロボット手術といったカラダへの負担の少ない方法が用いられることもあります。
放射線療法 手術を実施した後に行われる治療法で、放射線をあて、手術で取り切れなかったがん細胞を死滅させる、あるいは小さくさせる方法です。
薬物治療 薬物療法は、再発リスクを低下させたり、再発や全身に転移したがんを抑えたりする目的のほか、手術ができない場合などに行われます。
ホルモン療法、化学療法などがあります。
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