サイト内検索
卵巣がんは、卵巣にできるがんです。卵巣にできる腫瘍は、良性腫瘍や境界悪性腫瘍(良性と悪性の中間)であることが多いという特徴があります。
一般的に、40代から発症率が増加し、50~60代が発症のピークとなりますが、若年女性に多い卵巣胚細胞性腫瘍というタイプもあります。また、遺伝により発症する遺伝性卵巣がんというタイプもあり、卵巣がんの1割弱を占めています。
5年生存率は60.0%(※1)と報告されています。
※1:全国がん罹患モニタリング集計 2009-2011年生存率報告(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター, 2020)
独立行政法人国立がん研究センターがん研究開発費「地域がん登録精度向上と活用に関する研究」平成22年度報告書
卵巣がんの約10~15%は、発症に遺伝が関与しており、さらにその半数は「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」であるといわれています。
HBOCについて、詳しくは こちら をご覧ください。
発症初期には自覚症状が少なく、気付きにくい特徴があります。がんが進行すると、おなかが張る・痛む、頻尿や便秘、下腹部のしこり、食欲不振などの症状があらわれます。
卵巣がんの検査には以下のような方法があります。
内診・直腸診 | 子宮や卵巣の状態、周囲の組織や臓器に異常がないかなどを、腟や直腸に指を入れて触診します。 |
---|---|
超音波検査 | 超音波を発する器具を腹部に当てたり腟に入れたりするなどして、子宮の大きさや子宮内膜の厚さを測ります。 |
CT検査・MRI検査 | がんの広がりや進行度、転移などを確認します。 |
細胞診 | 腹水が認められる時には、腹水を採取し、腹水細胞診を行います。 |
腫瘍マーカー | 卵巣腫瘍の良性・悪性の鑑別、治療効果の判定に用います。 |
卵巣がんの治療は、患者さんごとの状態(病期)に加え、妊娠・出産希望の有無なども考慮し、医師と相談しながら治療法を決定します。
病期(ステージ)…がんの進行や広がりの度合い、転移の有無などを分類したものⅠ期からⅣ期に分類される
病期(ステージ)…
がんの進行や広がりの度合い、転移の有無などを分類したものⅠ期からⅣ期に分類される
手術 | 外科的にがんを取り除く方法です。基本的には、両方の卵巣、卵管、子宮、大網(腸を覆う網のような脂肪組織)、リンパ節を切除します。がんの進行や広がり度合いにより、切除する範囲が変わります。 |
---|---|
放射線療法 | 再発時などに行われる治療です。 |
薬物治療 | 手術前にがんを小さくさせたり、手術で取り切れなかったがんや再発を抑えたりする目的で行われます。 卵巣がんは発見された時には既にがんが進行しているケースが多く、多くの場合で薬物療法が行われます。 化学療法、分子標的治療などがあります。 |