子宮頸しきゅうけいがんについて

どんな病気?

子宮体がんと子宮頸がんを合わせて子宮がんと呼び、子宮がんの約4割を子宮頸がんが占めます。
若年から発症し、30代後半が発症のピークとなります。近年、20~30代での発症が増加しています。
子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染です。HPVはありふれたウイルスであり、性交経験のある女性の半数が感染するといわれています。HPVに感染しても多くの場合は自然治癒しますが、1割程度では自然治癒せず、がんになる前の状態(異形成)を数年経て、子宮頸がんに至ります。
5年生存率は76.5%(※1)と報告されています。

※1:全国がん罹患モニタリング集計 2009-2011年生存率報告(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター, 2020)
独立行政法人国立がん研究センターがん研究開発費「地域がん登録精度向上と活用に関する研究」平成22年度報告書

主な症状は?

異形成の時期には特に自覚症状はありません。がんが進行すると、異常なおりもの(茶色い、水っぽい、膿のように見えるなど)、不正性器出血、性交時の出血、下腹部の痛みなどがあらわれます。

検査・治療法は?

子宮頸がんの検査には以下のような方法があります。

細胞診 子宮頸部の細胞を採取し、がん細胞を見つける検査です。「子宮頸がん検診」でも同様の検査を行います。
コルポスコープ診・
組織診(生検)
細胞診で異形成やがんの疑いがあるとされた場合、子宮頸部をコルポスコープという拡大鏡で観察したり、病変部から細胞を採取したりして、がんの程度や進行度合いを分類します。
内診・直腸診 子宮頸部の硬さや、周囲の組織や臓器に異常がないかなどを、腟や直腸に指を入れて触診します。
超音波検査 超音波を発する器具を腹部に当てたり腟に入れたりするなどして、子宮頸部や子宮全体、卵巣の状態を確認します。
CT検査・MRI検査 がんの広がりや進行度、転移などを確認します。
内視鏡検査 膀胱内視鏡や直腸内視鏡を用いて、子宮頸部から周辺組織にがんが広がっていないかを確認します。

子宮頸がんの治療は、患者さんごとの状態(病期)に加え、妊娠・出産希望の有無なども考慮し、医師と相談しながら治療法を決定します。

病期(ステージ)…がんの進行や広がりの度合い、転移の有無などを分類したものⅠ期からⅣ期に分類される

病期(ステージ)…
がんの進行や広がりの度合い、転移の有無などを分類したものⅠ期からⅣ期に分類される

また、子宮頸がんはがんになる前段階(前がん病変)から治療を行います。

子宮頸がんの主な治療方法

手術 外科的にがんを取り除く方法です。がんの広がり度合いにより、子宮頸部または子宮全体を切除します。卵巣と卵管を切除する場合もあります。
腹腔鏡手術といったカラダへの負担の少ない方法が用いられることもあります。
放射線療法 病期にかかわらず広く行われる方法です。手術後の実施や、薬物療法と併用する同時化学放射線療法などを実施することもあります。
薬物治療 多くの場合、転移や再発したがんを抑える目的で行われます。
化学療法、分子標的治療などがあります。
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