
高齢ネコに多い疾患
「甲状腺機能亢進症」とは?
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ネコの甲状腺疾患は、特に高齢のネコに多く見られる病気です。甲状腺ホルモンの過剰分泌による甲状腺機能亢進症が一般的ですが、稀に甲状腺機能低下症もあります。甲状腺疾患は放置すると、心臓や肝臓、腎臓に負担をかけるため、早期の発見と治療が大切です。
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ネコの甲状腺疾患は、特に高齢のネコに多く見られる病気です。甲状腺ホルモンの過剰分泌による甲状腺機能亢進症が一般的ですが、稀に甲状腺機能低下症もあります。甲状腺疾患は放置すると、心臓や肝臓、腎臓に負担をかけるため、早期の発見と治療が大切です。
甲状腺とは?
甲状腺とは、首の気管の前側に位置する蝶のような形をした小さな内分泌腺です。甲状腺は、体の代謝を調節する重要なホルモンを分泌し、エネルギーの生産や体温の維持、成長、心臓や神経系の働きに深く関与しています。
甲状腺の主な働き
甲状腺は以下のホルモンを分泌し、全身の機能を調整します。
- トリヨードサイロニン(T3)
- サイロキシン(T4)
甲状腺の病気
甲状腺の異常は、ホルモンの過剰分泌や不足により、体のさまざまな機能に影響を及ぼします。
- 甲状腺機能亢進症(こうしんしょう)
ホルモンが過剰に分泌される状態で、代謝が異常に活発になります。
▶ ネコでは特に高齢になると発症しやすい病気です。
- 甲状腺機能低下症(ていかしょう)
ホルモンの分泌が不足する状態で、代謝が低下します。
▶犬ではよく見られる病気ですが、ネコでは非常にまれです。
ネコの甲状腺疾患の症状(セルフケア時に気を付けるポイント)
甲状腺機能亢進症の場合、以下のような症状が現れることがあります:
- 体重の減少(食べているのに痩せていく)
- 多飲や多尿(水をたくさん飲み、トイレの回数が増える)
- 元気がない、または過剰に活発になることがある
- 毛艶が悪くなる、毛が抜けやすくなる
- 食欲が増す(でも体重が減る)
- 嘔吐や下痢が続くことがある
これらの症状が見られたら、甲状腺疾患の可能性があります。
ネコの甲状腺疾患の受診の目安
以下の場合は、獣医師に相談することをお勧めします。
- 体重減少が急激に進んだ場合
- 飲水量やトイレの回数が増えた場合
- 嘔吐や下痢が続く場合
- 毛が抜けやすくなったり、毛艶が悪くなったりした場合
- 活発すぎるか、逆に元気がない状態が続く場合
早期に受診し、血液検査(甲状腺ホルモンの検査)を受けることが大切です。
ネコの甲状腺疾患の治療法
甲状腺疾患の治療法にはいくつかの方法があります。
- 薬物療法(抗甲状腺薬):甲状腺ホルモンの分泌を抑える薬を使う方法です。
- 放射線治療(放射線ヨウ素治療):甲状腺の過剰な細胞を壊す放射線治療が行われることもあります。
- 外科的手術:甲状腺の一部を切除する方法です。
ただし、どの治療法を選ぶかは、ネコの状態や年齢、健康状態を考慮して獣医師と相談する必要があります。
自宅でできるケア
- 食事の管理:高ヨウ素の食べ物は甲状腺疾患を悪化させることがありますので、避けて食べさせましょう。
- 水分補給:多飲多尿が見られることがあるので、清潔な水を常に用意しておき、ネコが飲みたい時に飲めるようにしましょう。
- ストレスを減らす:ストレスが甲状腺疾患が悪化させることもあるので、ネコの過ごしやすい静かな環境を作ってあげることも大切です。
早期の診断と適切な治療が、ネコの健康を守るためには不可欠です。少しでも異常を感じたら、早めに獣医師に相談してください。
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※本検査キットは、特定の疾患を診断するものではございません。
甲状腺機能亢進症のネコが食べてはいけないもの
ネコの甲状腺機能亢進症(Hyperthyroidism)の場合、専門的な治療を行うことが最も重要ですが、食事について注意すべき点もあります。特に、甲状腺機能亢進症のネコに与えてはいけないものがいくつかあります。以下にその注意点を挙げます。
1.高ヨウ素の食べ物
海藻類(昆布、ワカメ、ひじきなど)
ヨウ素は甲状腺ホルモンの生成に関わるため、過剰なヨウ素の摂取は病状を悪化させることがあります。特に海藻にはヨウ素が豊富に含まれており、甲状腺ホルモンの分泌に影響を与えることがあり、甲状腺機能亢進症のネコは避けるべき食べ物です。
2.高脂肪な食べ物
脂肪分の多い肉(例:脂身の多い牛肉や豚肉)
高脂肪の食べ物は、消化に負担をかけ肥満や健康に問題を引き起こす可能性があります。特に甲状腺機能亢進症のネコは心臓や肝機能が弱りやすいため、脂肪分の多い食べ物は避けるのが賢明です。
3.缶詰や加工食品(特に人間用)
人間用の缶詰やパウチ食品
人間用の加工食品や缶詰は、ネコの栄養バランスを考慮して作られておらず、しばしば塩分や添加物が多く含まれているため、ネコの健康に悪影響を及ぼすことがあります。特に甲状腺疾患のネコには、塩分過多が問題になることがあります。
4.過剰なビタミンやサプリメント
甲状腺機能亢進症のネコに対して、ビタミンやサプリメントを過剰に与えることは、ホルモンバランスに悪影響を与える可能性があります。特にビタミンDやカルシウムの過剰摂取は注意が必要です。自己判断で与えたりせず、獣医師の指示がない限り避けるようにしましょう。
5.カフェインやアルコール
ネコはカフェインを分解できないので、甲状腺機能亢進症でなくてもあげてはなりません。少量でも中毒症状を起こすリスクがあります。またネコはアルコールも代謝できません。肝臓に負担をかけます。誤飲が心配な場合は飲み物などを置きっぱなしにしないように注意してください。
6.チョコレート、コーヒー、紅茶、アルコール
これらは健康なネコにとっても毒性があり有害です。甲状腺疾患のネコではごく少量でも致命的になる可能性があることから、間違って口に入るようなことのないように、厳重に管理が必要です。食べてしまった可能性がある場合は、すぐに獣医師へ相談しましょう。
7.糖分が多い食品
糖分が多い食べ物は、体重管理や糖尿病のリスクに関わるため、与えてはいけません。甲状腺機能亢進症のネコは代謝が異常に高いため、過剰な糖分は体に負担をかける可能性があります。ネコは「甘味」を感じる味覚を持っておらず、糖分はネコにとって不適切な栄養素ですので、かわいいからといって自分のおやつをネコに与えることはやめましょう。
まとめ
甲状腺機能亢進症のネコには、特にヨウ素が多い食べ物や、高脂肪、加工食品、獣医師の指示のないサプリメントなどを与えることは避けるべきです。獣医師が推奨する治療食や栄養補助食品を利用し、健康的でバランスの取れた食事を提供することが大切です。
もし心配なことがあれば、獣医師に相談し、ネコの状態に合った食事や治療方法を選んであげるようにしましょう。
※本検査キットは、特定の疾患を診断するものではございません。
監修獣医師より
近年は、獣医療の進歩などによりネコの長寿化が進んでいますが、一方で飼い主さんはより一層この病気に気を付ける必要があります。シニアネコは定期的に4カ月~6カ月に一度はこのキットで甲状腺ホルモン量を測ってあげましょう。
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