男性にも更年期障害がある？症状や治療法についても解説します！

一般的に、更年期障害というと女性のものと思われがちですが、実は男性も例外ではありません。
男性の更年期障害は、「男性更年期障害」や「LOH症候群」とも呼ばれ、特定の症状や変化を引き起こします。

この記事では、更年期障害の症状や更年期障害の治療法について解説します。
最後まで読めば、更年期障害との向き合い方がわかるでしょう。

40~50代中年男性の更年期障害とは？

男性の更年期障害、または「LOH症候群（加齢男性性腺機能低下症候群）」とは、主に40歳代以降の男性に見られる状態を指します。

更年期は女性だけの問題ではなく、40〜50代の中年男性にとっても影響を与える重要な時期です。

症状としては、体力や筋力の低下、性欲の減退、イライラや不安感、うつ症状などが現れることがあります。更年期障害の症状は個人差がありますが、多くの男性がこれらの変化を経験します。

また、仕事や家庭生活のストレス、健康問題なども更年期の影響を強める要因となります。そのため、40代や50代の男性は自身の健康状態や精神的な変化に注意を払う必要があります。適切な対処法や治療法を見つけ、積極的に健康を管理することが大切です。

医師の診断やアドバイスを受けることも重要です。更年期を乗り越えるためには、バランスの取れた生活習慣や健康管理が必要です。

更年期における男性ホルモンの減少は、中年男性の身体的な変化だけでなく、心理的な影響も及ぼします。生活習慣の変化やストレスの管理、適切な栄養摂取、適度な運動などが、更年期障害の症状を緩和するのに役立ちます。

さらに、定期的な健康チェックやカウンセリングを受けることで、更年期を乗り越えるためのサポートを受けることも重要です。これらの対策を通じて、中年男性は更年期をより健康的に、前向きに過ごせます。

男性の更年期障害の原因はテストステロンの低下

男性の更年期障害は、テストステロンという重要な男性ホルモンの低下に関連しています。

テストステロンは、男性の性的特徴や生殖能力、筋肉量の維持、骨密度の調節などに重要な役割を果たしています。年齢とともに、男性の体内でのテストステロンの生成量は減少し始めます。この低下が進むと、性欲の低下、勃起障害、筋肉量の減少、骨粗鬆症などの症状が現れることがあります。

更年期障害は女性だけでなく、男性にも影響を与える重要な問題です。このホルモンの低下によって引き起こされる更年期障害の症状には、イライラ感や気分の落ち込み、睡眠障害、集中力の低下などがあります。また、体力の低下や脂肪の蓄積、性機能障害も起こりやすくなります。

更年期障害は個々の体質や生活環境によって異なるため、適切な医療機関で相談し、適切な治療を受けることが重要です。

男性更年期障害の症状

男性更年期障害の症状は個々の体質や生活習慣により異なるため、自身の体調や心身の変化に注意を払うことが重要です。
以下では、男性更年期障害の症状について詳しく解説します。

イライラなどの精神症状

男性更年期障害における精神症状は、女性の更年期障害と比較して前面に出ることが多いとされています。
以下に、主な精神症状を挙げます。

 

• 意欲の低下: 仕事や趣味などに対する意欲がなくなり、何事にも積極的になれなくなることがあります。
• 憂鬱感: 抑うつ的な症状やうつ病との関連があり、日常生活に影響を及ぼすことがあります。
• 不安感: 仕事や家庭などで不安を感じることがあります。
• イライラ: イライラするという訴えは多くの患者様から寄せられます。

 

これらの精神症状は、男性更年期障害の診断や治療において重要な指標となります。
自分自身の体調や感情の変化を観察し、それが男性更年期障害の可能性を示していると認識できれば、対応する方法や道筋が見えてきます。

ほてりなどの身体症状

男性更年期障害の症状は多岐にわたりますが、ここでは特に「身体症状」に焦点を当てて説明します。
テストステロンの低下により以下のような身体症状が現れることがあります。

 

• 筋力の低下: テストステロンは筋肉の成長と維持に重要な役割を果たします。そのため、テストステロンの低下は筋力の衰えを引き起こす可能性があります。
• 勃起不全（ED）: テストステロンは性機能を正常に保つために必要です。テストステロンの低下は勃起不全（ED）を引き起こす可能性があります。
• 全身倦怠感: テストステロンの低下はエネルギーレベルの低下を引き起こし、全身の倦怠感につながる可能性があります。
• 多汗: テストステロンの低下は体温調節に影響を及ぼし、多汗症を引き起こす可能性があります。
• 骨粗しょう症: テストステロンは骨密度の維持にも重要な役割を果たします。テストステロンの低下は骨粗しょう症のリスクを高める可能性があります。
• 肥満: テストステロンは脂肪の分布と代謝に影響を及ぼします。それにより、体重増加と腹部肥満を引き起こす可能性があります。
• 頻尿: テストステロンの低下は尿の制御に影響を及ぼし、頻尿を引き起こす可能性があります。

性機能症状

性機能症状には、性欲の低下や勃起障害、性的な興奮の低下などが挙げられます。これらの症状は男性ホルモンの減少に関連しています。具体的な対処法や治療法については、医師の診断と相談が重要です。

 

男性更年期障害の身体症状は、個人によって異なる場合があり、多くの男性が関節の痛み、筋肉の衰え、疲労感などを経験します。これらの症状は、テストステロンの減少による身体的な変化が原因であり、適切な治療と生活習慣の改善が必要です。

更年期障害に関する症状や対処法については、個々の症状や健康状態に合わせたアプローチが必要であり、医師の診断とアドバイスを受けることが重要です。

男性更年期のセルフチェック

男性更年期は、年齢とともに男性ホルモンであるテストステロンが低下することによって引き起こされる状態です。この低下は、通常、40代後半から50代にかけて起こります。

男性更年期の症状は個人差がありますが、性欲の低下、イライラ感、疲れやすさ、不眠、集中力の低下などが挙げられます。

男性更年期の症状を自己チェックするために、加齢男性症状調査表（AMSスコア）というものが用いられます。この調査表は、特定の症状に対して0から4のスケールで回答し、その合計点数から更年期の症状の程度を把握します。具体的には、性的機能、精神的状態、身体的状態などに関する質問があります。

たとえば、性的機能に関する質問では、性欲の低下や勃起不全の有無、性行為の満足度などを評価します。精神的状態に関する質問では、イライラ感、落ち込み、焦燥感などの有無を尋ねます。また、身体的状態に関する質問では、疲れやすさ、睡眠の質、体重の増減などを評価します。

自己チェックを通じて、これらの症状が自身に当てはまるかどうかを把握できます。もし症状が見られる場合は、医師の診断と相談を受けることが重要です。治療法や対処法は、症状の程度や個々の状況に応じて異なりますので、適切なアドバイスを受けることが大切です。

男性更年期障害の検査と診断

男性更年期障害（LOH）は、中年男性に特有の一連の症状を指します。

男性更年期障害の症状には、性欲の減退、疲れやすさ、抑うつ状態、イライラ、筋力の低下などが含まれます。
これらは、男性ホルモンであるテストステロンの分泌が年齢とともに減少することにより引き起こされるとされています。

 

男性更年期障害の診断は、主に問診と血液検査により行われます。

問診では、男性更年期障害質問票（AMS）などの質問紙が使用されます。

血液検査では、血液中のテストステロンの量が測定されます。

特に、遊離型テストステロン値が8.5pg/ml未満の場合、男性更年期障害の可能性があるとされます。
この数値と症状を組み合わせて、個々の対応が行われます。

 

さらに、前立腺肥大症や前立腺がんなどの他の疾患との鑑別診断のために、超音波検査や腫瘍マーカー（前立腺がん）検査も行われます。

テストステロンの減少が徐々に進行する場合、更年期障害の症状も徐々に現れます。
このため、他の疾患と誤診する可能性があり、正確な診断が重要となります。

男性更年期障害の治療

男性更年期障害は、加齢に伴うテストステロンの減少が引き起こす一連の症状であり、男性更年期障害を治療することで、患者様の生活の質を大幅に改善できる場合があります。
治療の目的は、症状の軽減と生活の質の向上を図ることで、これには生活習慣の改善やホルモン補充療法が含まれます。

以下では、男性更年期障害の治療法について詳しく解説します。

男性ホルモン（テストステロン）補充療法

男性ホルモン補充療法は、男性更年期障害（LOH症候群）の治療法の一つで、主に40歳代以降の男性に対して行われます。

男性ホルモン補充療法は、テストステロンのレベルを正常化し、男性更年期障害の症状を改善することを目指しています。
この治療法は、テストステロンを補充することで、心身の症状を改善し、生活の質を向上させることが期待されます。

男性ホルモン補充療法には主に2つの方法があります。

一つは、定期的に筋肉注射を行う方法で、もう一つは、特定の部位に軟膏を塗る方法です。
どちらの方法も、適切な投与量と投与間隔は個々の患者様によって異なります。

しかし、男性ホルモン補充療法には注意が必要です。

肝機能障害や多血症（血が濃くなりすぎる）などの合併症が起こる可能性があります。
そのため、治療前と治療中には定期的な血液検査が必要となります。

また、前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSAも治療前にチェックする必要があります。

 

男性ホルモン補充療法は、適切に行われれば、男性更年期障害の症状を大幅に改善できる可能性があります。
しかし、必ずしもすべての患者様に適しているわけではなく、患者様の健康状態や生活習慣、症状の重さなどを考慮に入れて、医師と相談しながら最適な治療法を選択することが重要です。

漢方薬

男性更年期障害の症状は男性ホルモンの減少により引き起こされるため、治療の基本的なアプローチは、減少した男性ホルモンを補うことです。

 

しかしながら、男性更年期障害の症状が現れても男性ホルモンのレベルが低くない場合や、多血症、肝機能障害、PSA（前立腺癌のマーカー）の高値、睡眠時無呼吸症候群などの理由で男性ホルモン補充療法が適応できない場合もあります。

そのような状況では、他の治療方法が必要となります。

 

ここで、漢方薬の使用が考慮されます。

特に、体力が低下している場合や体質改善が必要な場合には、漢方薬が効果的であるとされています。
また、副作用が少ないという特性もあります。

ただし、漢方薬の効果は個々の人により異なり、即効性は期待できないため、長期間の服用が必要となることが多いです。

生活習慣の見直し

生活習慣の見直しは、健康的な生活を維持し、特に男性更年期障害（LOH症候群）の予防や症状の軽減に重要な役割を果たします。
以下に、生活習慣の見直しに関するいくつかのポイントを挙げます。

 

• 食事の改善: 適切な栄養摂取は、体全体の健康を維持するために不可欠です。バランスの良い食事は、体のホルモンバランスを整え、エネルギーレベルを維持し、全般的な健康状態を向上させます。
• 適度な運動: 定期的な運動は、心身の健康を維持し、ストレスを軽減し、ホルモンバランスを改善するのに役立ちます。
• ストレス管理: ストレスは、ホルモンバランスを乱し、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。リラクゼーションテクニックや趣味を見つけるなど、ストレスを管理する方法を見つけることが重要です。
• 十分な睡眠: 良質な睡眠は、体の修復と再生に必要であり、ホルモンの生成と調節にも重要です。

男性更年期障害に関するよくある質問

男性更年期障害は、一般的にはあまり知られていないかもしれませんが、実際には多くの男性が影響を受けています。
以下で、男性の更年期障害についてのよくある質問とその回答を紹介します。

Q.男性の更年期障害は、どんな人がなりやすいですか？

男性更年期障害になりやすい人の特徴としては、以下のような傾向があります。

 

• ストレスをためやすい人
• 運動不足の人
• 几帳面で真面目な性格の人
• 責任感が強い人

 

これらの特徴を持つ人は、男性更年期障害になりやすいとされています。
しかし、これらの特徴を持つからといって必ずしも男性更年期障害になるわけではなく、これらの特徴を持たない人でも男性更年期障害になる可能性はあります。

Q.男性更年期障害とうつ病の違いは何ですか？

男性更年期障害とうつ病は、表面的には似たような症状を示すことがありますが、その原因と治療法は異なります。

男性更年期障害は、主に男性ホルモン（テストステロン）の分泌が減少した結果、精力の減退や気力の低下、全身の倦怠感などの症状が現れます。

一方、うつ病は脳の神経伝達物質のバランスが乱れることが主な原因で、気分の落ち込みや興味・関心の喪失、睡眠障害などの症状が特徴的です。

 

男性更年期障害の治療は、ホルモンバランスを安定させることが中心となります。

一方、うつ病の治療は、主に抗うつ薬を用いて脳内の神経伝達物質のバランスを整えることが一般的です。

Q.男性更年期障害は、何科を受診すればいいでしょうか？

男性更年期障害は、男性ホルモンの分泌が低下することで表れるさまざまな症状のことです。
この症状は40代から60代の男性に多く見られます。

男性更年期障害の症状は、心身の不調から性機能の低下まで、幅広い範囲に及びます。

 

そのため、男性更年期障害の症状が現れた場合、受診すべき診療科は現在現れている症状によって異なります。
具体的には、性に関する症状がある場合は泌尿器科を、身体に不調が現れている場合は内科を、心に不調が現れている場合は精神科を受診することが推奨されます。

まとめ

男性の更年期障害は、ホルモンバランスの変化によって引き起こされ、疲労感、うつ病、性欲減退などの症状が現れます。
男性の更年期障害治療法としては、生活習慣の見直しや適度な運動、必要に応じてホルモン補充療法が考えられます。

男性の更年期障害は、適切な対策を講じることで、健康的な生活を送れるため、医師と相談しながら最適な治療法を選択することが重要です。