新生児・乳幼児の
病気やトラブル

「あれっ?なんだかいつもと様子がちがう……」、
「すぐに病院に行ったほうがいいの!?」そんなときこそ、
落ち着いて対応することが大切です。
新生児や乳幼児は、月齢や年齢によって
かかりやすい感染症などの病気が異なり、対処も変わってきます。
今回は、新生児・乳幼児の病気についてまとめました。

本コンテンツでは各疾患に対するケアなどを記載していますが、
疾患の診断には医師の診察が必要です。
こどもは症状を適切に表現できない場合もあり、
類似症状が出る疾患も種々あることから、自己判断をすることなく
「新生児・乳幼児の病気やトラブルで迷ったら」を参考に
対応するようにしてください。

新生児・乳幼児の主な感染症

こどもがかかりやすい感染症は思いのほか多いもの。いざというときのために、どんな病気なのか把握しておきましょう。
いずれの場合も、かかりつけ医を受診することが難しい場合、例えば夜間や休日であれば、救急外来、救急安心センター事業(#7119)に相談する、救急車を呼ぶなど、状況に応じて判断してください。

お住いの地域が「♯7119実施エリア」かどうか、あらかじめ確認しておきましょう。
https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/appropriate/appropriate007.html

新生児・乳幼児の
主な病気とかかりやすい時期

新生児・乳幼児の主な病気とかかりやすい時期

厚生労働省・感染症情報、国立感染症研究所、国立成育医療センター、東京都感染症情報センター、日本小児科学会などのウェブサイト掲載情報を参考に作成

本図の時期はおおよその目安です。生後6か月までは母親から受け継いだ免疫でかかりにくい病気もありますが、例外もあるためご注意ください。

突発性発疹

ヒトヘルペスウイルス6型・7型に感染することで起こる病気で、生後4カ月~12カ月頃に多くのこどもがかかります。突然高熱が出て、熱性けいれんを起こすこともあります。熱が高いわりには元気なことが多く、3~4日で熱が下がると発疹が現れます。発疹が出るのは解熱してからなので、かかったばかりの段階で突発性発疹と診断することは困難です。また、発熱や発疹などの症状が目立たなかったり、下痢をしたりするケースもあります。

予防・治療

特別な予防法や治療法はありません。症状に応じた治療を行います。

受診・診断前後の
家庭でのケアと注意点

夜間に高熱が出た場合、元気がある場合には翌日に医療機関を受診すればよいのですが、ぐったりしているなど重症感がある場合には夜間でも診てくれる医療機関を受診しましょう。
けいれんを認めた場合、多くは熱性けいれんですが、脳炎による症状の可能性があります。もし脳炎であれば、すみやかな医師の診断と治療する必要があるため、長くけいれんが続く場合や呼びかけても反応が弱い場合などには、至急受診してください。
熱が高いときは脱水状態にならないよう、こまめに水分補給を行ってください。尿の色が濃く、量が少ない場合は脱水の兆候かも知れません。幼児で食欲がないときは、やわらかく消化がよいものを与えましょう。

:https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/532-exanthem-subitum.html(2025-1-4 閲覧)

:https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/532-exanthem-subitum.html(2025-1-4 閲覧)

麻しん(はしか)

麻しんウイルスが原因で起こる感染症で、かかりやすい時期は1歳前後です。非常に感染力の強いウイルスで、肺炎や脳炎など重大な合併症を起こすこともあるため、予防接種による予防がなにより重要です。
麻しんは発熱、せき、鼻水など、かぜのような症状から始まります。この時期に麻しんと診断することは困難です。
その後、いったん熱が下がり、頬の内側の粘膜に白い斑点(はんてん)が現れ、続いて再び発熱、赤い発疹が耳の後ろから首、顔、体へと広がっていきます。
発疹がでると麻しんの疑いも濃厚となりますので、かかりつけ医に電話などで伝えて相談し、受診の可否やその際の注意点を確認してください。

予防・治療

麻しん(はしか)の予防には、予防接種(麻しん・風しん混合ワクチン)を2回受けることが重要です。1歳になったらすぐに1回目の接種を受けましょう。
麻しんウイルスそのものに対する治療薬はなく、症状に応じて解熱鎮痛薬や鎮咳薬などによる対症療法を行います。

受診・診断前後の
家庭でのケアと注意点

熱が続いてつらそうな場合は、首筋、わきの下、太ももの付け根など太い血管が通っている場所を氷枕やアイスノンなどをタオルで包んで冷やしてあげましょう。脱水にならないよう、こまめに水分補給を行う必要があります。幼児で食欲がないときは、おかゆやうどん、アイスクリーム、プリンなど、消化がよくてやわらかいものを与えるとよいでしょう。
麻しん(はしか)は、一般に症状が現れてから10日~14日くらいで治っていきます。ただし、肺炎や脳炎などの合併症には十分に注意する必要があります。呼吸が苦しいといった症状がみられると肺炎を合併している可能性があり、呼びかけても反応が悪いなどの症状がみられたら、脳症を合併している可能性も考えられます。これらの症状がある場合は、夜間であってもすぐに医療機関を受診しましょう。

風しん(三日はしか)

風しんウイルスが原因で起こる感染症で、主にこどもがかかりますが、大人もかかることがあります。麻しん(はしか)と同じような症状が現れますが、3~4日で治ることから「3日はしか」とも呼ばれています。発熱とほぼ同時に細かい赤い発疹が顔から首に現れ、全身に広がります。この時期に、医師が風しん(三日はしか)と診断をすることが可能になります。
まれに脳炎を合併することもあります。一度感染すると終生免疫が得られ、大人になってからかかることはほとんどありません。

予防・治療

予防接種(麻しん・風しん混合ワクチン)を2回受けることが重要です。1回目の接種は1歳になったらすぐに受けましょう。
風しん(三日はしか)は麻しん(はしか)に比べて症状が軽く、自然に治りますが、発疹がかゆいときはかゆみを抑える薬、発熱には解熱薬など症状に応じて治療を行います。

受診・診断前後の
家庭でのケアと注意点

本来は短期間で治癒する軽症の感染症ですが、他の感染症と同じく合併症には注意が必要です。脱水、肺炎、脳炎の症状は突発性発疹、麻しんでご説明した通りです。いずれの場合も早めに医療機関を受診しましょう。
熱が高いときは脱水対策にこまめな水分補給を心掛けてください。食欲がないときは、消化がよくてやわらかいもの(おかゆ、うどん、アイスクリーム、プリンなど)を与えましょう。
妊娠4カ月以内の妊婦さんが風しんにかかると、お腹の中の赤ちゃんの目や耳、心臓などに異常を来たすことがあります(先天性風しん症候群)。こどもが風しんに感染した場合には、決して妊婦さんに近づかせないようにしましょう。

水ぼうそう

水痘(すいとう)・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルスが原因で起こる感染症で、10歳以下のこどもがよくかかります。微熱の後に、赤い発疹が口の中、陰部も含めて全身に広がります。発疹は、赤い小さな発疹→強いかゆみを伴う水疱(水ぶくれ)→かさぶたの順に変化します。

予防・治療

予防接種は生後12カ月以降のこどもが対象となります。
治療では、主にかゆみを抑える薬を使用します。かゆみを我慢できずにひっかいてしまうことがあるため、つめは切っておきましょう。赤ちゃんなら手袋をするのも一案です。
免疫力が弱っている患者さんや、症状が重い場合には、ウイルスの増殖を抑える薬を使用することもあります。

受診・診断前後の
家庭でのケアと注意点

水ぼうそうはほとんどの場合、自然に治ります。ぐったりするなど、合併症を疑う症状があれば受診してください。
水痘・帯状疱疹ウイルスは非常に感染力の強いウイルスです。発疹がかさぶたになるまで感染力が持続しますので、発疹がすべてかさぶたになるまでは外出を控え、室内で静かに過ごしましょう。

百日ぜき

百日ぜき菌に感染することで起こる病気で、新生児期~2歳までにかかりやすいとされています。特に新生児では症状が重くなることがあります。最初に咳や鼻水などかぜのような症状が現れ、次第に咳がひどくなり、コンコンと咳き込んだ後に「ヒュー」と息を吸い込む発作が数週間にわたり続きます。咳き込んだ後に呼吸を止める「無呼吸発作」もあり注意が必要です。

予防・治療

予防接種(ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ混合ワクチン)で予防します。
発症した場合は百日咳菌に効果のある抗菌薬を使用します。呼吸困難が強く、特にチアノーゼ(青紫色の皮膚・粘膜)など低酸素状態が疑われる場合は入院が必要になります。

受診・診断前後の
家庭でのケアと注意点

通常はひどい咳発作のみで、熱はあまり出ません。
咳き込んだ際に吐いてしまうことがあるため、食事や水分は少量ずつ、こまめに与えましょう。
苦しそうなときは、縦抱きにするなど上体を起こしてあげると呼吸が楽になります。それでも呼吸回数が多い(多呼吸)、息を吸うときに首の正面やあばら骨の間がへこむ(陥没呼吸)、呼吸が止まる(無呼吸発作)などの症状がみられたら、すぐに医療機関を受診しましょう。

感染性胃腸炎

細菌やウイルスなどの病原体が原因で起こる胃腸炎です。ロタウイルスによるものは5歳以下がほとんどで、多くの場合、生後6カ月~2歳頃にかかります。ノロウイルスによるものはどの年齢でもみられます。いずれも主な症状は、腹痛、下痢、嘔吐(おうと)、発熱などです。

予防・治療

予防がとても大切です。トイレから出た後、汚物に触れた後、調理や食事の前などには十分に手を洗いましょう。また、乳児であればロタウイルスに対する経口生ワクチンもあります。
治療は、水分補給と安静が中心で、嘔吐や下痢がひどい場合は点滴を行うこともあります。カンピロバクターやサルモネラ菌などの細菌が原因の場合は、抗菌薬を使用することがあります。

受診・診断前後の
家庭でのケアと注意点

嘔吐を頻回に繰り返す、腹痛が激しい、脱水の症状がある場合には医療機関を受診しましょう。
脱水を防ぐために水分を少量ずつ頻回に与えるようにしてください。また、下痢では肛門周囲の皮膚がかぶれやすくなるため、座浴(ざよく)やシャワーで清潔を保ちましょう。

おたふくかぜ

ムンプスウイルスが原因で起こる感染症で、かかりやすいのは3~6歳です。流行性耳下腺炎とも呼ばれます。
主に耳の下の頬付近にある耳下腺(じかせん)という唾液を作る組織(唾液腺)が炎症を起こして痛み、腫れて「おたふく」のような顔の輪郭になります。

予防・治療

おたふくかぜにかかっていない生後12カ月以降のこどもを対象とした予防接種(ムンプスワクチン)があります。
ムンプスウイルスに対する治療薬はありませんが、痛みなど症状に応じて治療を行うことがあります。

受診・診断前後の
家庭でのケアと注意点

髄膜炎(ずいまくえん)、脳炎、精巣炎、卵巣炎、膵炎などの合併症を引き起こすことがあります。頭痛や嘔吐などの髄膜炎の症状、激しい腹痛や嘔吐など膵炎の症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
おたふくかぜと診断されたら安静にして、頬を冷やしてください。痛みが強い場合は食事をやわらかいものにするなどの工夫が必要です。酸っぱい食べ物は唾液腺を刺激し、痛みをひどくします。
難聴が残ることもあるので、回復した後に聞こえが悪い様子があれば医療機関を受診しましょう。

インフルエンザ

インフルエンザウイルスが原因で起こる感染症で、あらゆる年齢にみられます。かぜよりも症状が強く、突然の高熱、悪寒(おかん)から始まります。のどの痛み、鼻水、関節痛、筋肉痛に加えて、吐き気や下痢などの胃腸症状が現れることもあります。

予防・治療

インフルエンザが流行する前(おおよそ10月以降)に予防接種を受けましょう。流行してきたら、人混みはなるべく避け、手洗い、うがい、マスクなどの予防対策を心がけましょう。
インフルエンザウイルスに対する治療薬を発症から48時間以内に使用することで、発熱期間が短くなるなどの効果が期待できます。

受診・診断前後の
家庭でのケアと注意点

発症直後の場合、検査を行っても陽性にならないこと(偽陰性)が多く、正しく診断できないこともあります。発熱してから12時間~24時間を目安に医療機関を受診するようにしましょう。
脱水にならないよう、こまめに水分補給を行ってください。食欲がないときは、消化がよくてやわらかいもの(おかゆ、うどん、アイスクリーム、プリンなど)を与えましょう。
解熱剤の中にはインフルエンザの時には使用できないものがあり、備えつけの解熱剤を使う場合は注意が必要です。薬を服用する際は、医師に処方されたお薬を使用してください。
高熱が続く場合や、いったん下がった熱が再び上昇した場合、けいれんが5分以上続き意識の回復が悪い場合、呼びかけても反応が弱い場合(脳炎の症状)、呼吸が苦しそうな場合(肺炎の症状)などでは、待機せずすぐに医療機関を受診しましょう。

新型コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV2)による感染症です。乳幼児も新型コロナウイルス感染症にかかることがありますが、多くは軽症で治療せずに治ります。
かぜに似た症状が生じますが、1~3日でおさまることがほとんどです。混雑などでなかなか受診できない場合、発熱には市販の“子ども用”解熱剤も使えます。
しかし、合併症などが起き重症化することもあります。周囲の流行状況から新型コロナウイルス感染が疑われる場合で、症状が重いようであれば受け入れ可能な医療機関を受診するようにしましょう。

予防・治療

生後6カ月からワクチンを接種することができます。3~4週間隔をあけて計2回接種することで予防効果が高まります。家族が新型コロナウイルス感染症にかかった場合は(疑いの場合も)、マスクを着用したり違う部屋で過ごすなど、感染リスクを減らす工夫をしましょう。

受診・診断前後の
家庭でのケアと注意点

脱水になることがあるため、水分補給は十分に行いましょう。咳き込んだときに吐いてしまうことがあるため、少量ずつこまめに食物や水分を与えてください。
食事や水分を十分にとることができなかったり、呼吸が苦しそう、ぐったりして顔色が悪い、嘔吐や下痢が続くなどの場合は医療機関を受診してください。

肺炎

細菌やウイルスが肺に感染することで起こる重い感染症です。原因となる細菌やウイルスの種類によってかかりやすい年齢は異なり、例えばマイコプラズマによる肺炎は5歳以上、RSウイルスによる肺炎は多くの場合、3歳以下にみられます。主な症状は、発熱、咳、呼吸困難などです。

予防・治療

感染症全般に言えることですが、家庭内感染(二次感染)を防ぐために、家族に咳をしている人がいるときは手洗いを十分に行い、マスクをしたり、違う部屋で過ごしたりしてください。
細菌による肺炎では抗菌薬による治療を行います。抗菌薬の静脈注射が必要なことも多く、その場合、入院になります。ウイルスによる肺炎には抗菌薬は効きませんが、細菌とウイルスの両方が感染していることもあるため、医師の判断で場合によっては抗菌薬を使用することがあります。
RSウイルスの場合、生まれてくる赤ちゃんのRSウイルスに対する免疫を高めるために、あらかじめ妊娠中(24~36週)にお母さんがワクチンを受けることができます。

受診・診断前後の
家庭でのケアと注意点

発熱と咳によって脱水状態になることがあるため、水分補給を十分に行いましょう。一度に水分を摂取すると、咳き込んだときに吐いてしまうことがあるため、少量ずつこまめに水分を与えてください。
肺炎はきちんと治さないとぶり返すこともあります。特に抗菌薬は、たとえ症状がよくなったと思われても保護者の判断で服用を中止せず、医師の指示に従って治療を行ってください。

ヘルパンギーナ

コクサッキーウイルスA群(夏かぜウイルスのひとつ)が主な原因となって起こるウイルス性咽頭炎(いんとうえん)で、多くの場合、1歳~5歳までの乳幼児がかかります。主症状として、発熱、のどの奥の痛みを伴う水疱があります。

予防・治療

感染者との接触を避け、特に流行している場合(流行期は通常5月~8月)にうがいや手洗いなどを十分に行うことが大切です。
特別な治療法はなく、発熱やのどの痛みがつらい場合は解熱鎮痛剤を使用します。

受診・診断前後の
家庭でのケアと注意点

のどの痛みや発熱によって脱水になりやすいため、水分補給を十分に行ってください。食物は、刺激の強いもの、固いものは避け、やわらかいもの、冷たいものなど口当たりのよいものをこまめに与えてください。
まれに無菌性脊髄炎(むきんせいせきずいえん)や脳炎、急性心筋炎を合併することがあります。頭痛や嘔吐(おうと)(髄膜炎の症状)、呼吸が苦しそうでぐったりしている(心筋炎の症状)などが現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

手足口病

コクサッキーA群ウイルスとエンテロウイルス71型が主な原因となって起こる夏かぜの一種で乳幼児がよくかかります。手のひら、足の裏、口の中を中心に痛みを伴う小さな水ぶくれが生じます。多くの場合、発熱を伴います。

予防・治療

唾液や鼻水、便などを介して感染するため、手洗いを十分に行いましょう。こどもが触れることが多いテーブルやおもちゃなどを清潔に保つことも有効です。
手足口病に対する治療薬はありませんが、発熱、口の中の水ぶくれによる痛みが強い場合は解熱鎮痛剤を使用します。

受診・診断前後の
家庭でのケアと注意点

水分補給を十分に行いましょう。口の中に痛みがあるときは、刺激のある塩辛いものや酸っぱいもの、熱いものは避けてください。
自然に治る病気ですが、高熱で食事がとれず尿の量が減ったり、頭痛が強くなったり、元気がなくなったりした場合は速やかに医療機関を受診しましょう。
ヘルパンギーナと同様に、まれに無菌性脊髄炎・脳炎や急性心筋炎を合併することがあります。

溶連菌感染症

溶血性連鎖球菌による感染症全般を指す病名です。5歳~10歳のこどもに多くみられます。のどに炎症を起こし、高熱やのどの痛みが生じます。全身に発疹が出たり、舌が苺のように赤くなったりすることもあります。

予防・治療

感染者の咳やくしゃみ、皮膚ヘの接触によって感染することから、マスク、うがい、手洗いなどが予防に有効です。
治療には溶連菌に効果のある抗菌薬を使用します。

受診・診断前後の
家庭でのケアと注意点

熱が高いときは脱水にならないよう、こまめに水分補給を行ってください。食欲がないときは、消化がよくてやわらかいもの(おかゆ、うどん、アイスクリーム、プリンなど)を与えましょう。
溶連菌感染症はしっかり治療しないと、急性腎炎、リウマチ熱、心臓弁膜症などの合併症を引き起こすことがあります。症状がおさまっても勝手に抗菌薬を中止せず、医師の指示どおりに治療を続けましょう。

伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)(りんご病)

ヒトパルボウイルスB19に感染することで起こる病気で、5~10歳頃に多くみられます。両方の頬がりんごのように真っ赤になるため「りんご病」と呼ばれています。1~4日後には手足や胴体にも発疹(紅斑〔こうはん〕)が現れます。2日くらい経つと退色してレース状のまだら模様に変化していきます。かゆみや関節痛を伴うことがあります。

予防・治療

予防法はありません。強いかゆみにはかゆみ止め、関節痛が強いときは鎮痛剤を使用します。

受診・診断前後の
家庭でのケアと注意点

お風呂に入っても構いませんが、熱いお湯に長時間つかっていると紅斑が強くなります。
妊婦がりんご病になると、胎児に悪影響を及ぼすことがあるため、妊婦は感染に気をつけましょう。妊娠中に、頬が真っ赤になるなど感染したと思われる症状が出た場合には産婦人科医に相談しましょう。

Top