肝がんは、肝臓の細胞が、がん化する「原発性肝がん」と、他の臓器で発生したがんが肝臓に転移した「転移性肝がん」に分類されます。原発性肝がんは慢性肝疾患からの進展が多いため、肝炎や肝硬変などの早期の治療や進展抑制が非常に重要になってきます。症状としては、肝機能低下による症状が見られるため、肝硬変などにみられるような合併症(症状)があらわれます。
肝がんの治療
重症度や、原因、年齢、生活環境によって治療法は様々ですが、代表的な方法として以下の3つが挙げられます。
1.肝切除
がんを含む肝臓の一部を切り取る手術です。がんの数が一つで肝機能が良好な場合に選択されます。
2.ラジオ波焼灼療法
がんに電極を差し込み、ラジオ波電流を流して熱を用いてがんを焼く手術です。がんが小さく数が少ない場合に選択されます。
3.肝動脈化学塞栓療法
抗がん剤を肝臓の血管に直接流し込み、栓をする手術です。がんが4個以上ある場合に用いられます。
上記以外には、肝機能や全身の状態によって、分子標的薬の内服や肝移植などの治療法を選択する場合もあります。その他様々な治療法がありますので、医師と相談の上治療方針を決定することが重要です。
監修:埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科 教授 持田 智 先生
※ここでの情報はあくまで基本の情報であり症状は人それぞれで違う場合もあります。不安な点は主治医、肝臓専門医等に相談してください。