肝硬変は、自覚症状に乏しい代償期と合併症のある非代償期に分けられます。
肝臓食の食事療法では、その時期に応じて、高エネルギーに注意したり、食物繊維を積極的に摂ったりと、栄養価を考慮することが重要です。しかし、栄養価ばかり気にしているとおいしく食事ができなくなってしまいます。
そこで、今回のテーマの行楽レシピのように、日常とはちがう環境で気分を変えて食事をすると、食事が楽しいものになるかもしれません。他にも、色彩鮮やかな食材を使い、目でも楽しめる食事を心がけてみたり、たまには加工食品を使って時短レシピで楽に作れるものにしたりなど、日々の食事に少し工夫をしてみてはいかがでしょうか。
また、患者さんご自身やそのご家族が、薬剤についてだけでなく、栄養療法や適度な運動の必要性を理解することも大切です。

東京大学大学院医学系研究科 消化器内科学 教授 小池 和彦 先生

Vol.10 行楽レシピ

3食分の栄養価

エネルギー 蛋白質 脂質 炭水化物 塩分 食物繊維
1550kcal 39.1g 49.6g 243.8g 6.0g 14.8g

今年の春は、お花見に出かけてみませんか?食事療法が心配な方でも簡単レシピで問題解決!安心です。満開の桜の木の下でご家族やお友達と和やかな時間を楽しんでください。肝臓は栄養と関わりの深い臓器ですが、食事のポイントは規則的に偏りなく適量をとることです。お出かけの日は食事療法ばかりに縛られすぎずお気に入りのお弁当箱や楽しい会話でいつもと違った環境づくりにチャレンジしてみましょう。

監修:東京大学医学部附属病院 病態栄養治療部 副病態栄養治療部長 関根 里恵 先生
主任栄養士 冨樫 仁美 先生

※ここでの情報はあくまで基本の情報であり症状は人それぞれで違う場合もあります。不安な点は主治医、肝臓専門医等に相談してください。