肝硬変は、症状のない初期の状態である代償期と腹水や肝性脳症などが出現する非代償期に分けられます。
肝硬変の食事療法では、代償期には筋肉や体の機能が落ちないように、十分な栄養を摂る必要があります。タンパク質、糖質を十分に摂り、運動もしなければなりません。十分な量の食事を摂るために好みに応じたものを作るのも良いですが、バランスを損なうと体調不良につながるので良くありません。いろいろな食材をほどよいバランスで摂ることが大切です。また、病気が進行して非代償期になると、タンパク質の制限などさまざまな制約が生まれます。ここには、そのような病期による食事の工夫をしながら、美味しく、楽しく食事がいただけるように多彩なレシピが記載されています。読んでいただくと、これまでに思いつかなかったような食材や調理方法がでてくると思います。皆さんの健康な食生活の参考として大変有用なものだと思います。どうぞ楽しんでください。

広島大学大学院医歯薬保健学研究科 消化器・代謝内科学 教授 茶山 一彰 先生

Vol.11 簡単に用意ができる食物繊維豊富な塩分控えめ、美味しいレシピ

肝臓病では食事療法が大切ですが、体のだるさなどで食事の用意もままならない日もあるかと思います。簡単に用意できる一皿料理に、作り置き料理を付け加え、短時間で栄養バランスよい食事を用意してみましょう。肝臓病は便秘が大敵ですが、食物繊維豊富な食事で便秘対策も。塩分控えめでも旨味や香りを活かして、美味しい食事を。

ポイント

簡単・時短、でも肝臓病の症状を悪化させない、そして買い置きのものでも作れる、思いつきやすいレシピです。ご飯に3割くらいもち麦を混ぜると、食物繊維も、亜鉛などミネラルも豊富なご飯になります。

監修:広島大学病院 栄養管理部 管理栄養士 長尾 晶子
管理栄養士 岡壽子、天野加奈子
調理師 橋津亮輔、前田裕樹

※ここでの情報はあくまで基本の情報であり症状は人それぞれで違う場合もあります。不安な点は主治医、肝臓専門医等に相談してください。